「ハッ…!」くしゃみを途中で止めるひと、身体に悪いことはない?

「ハッ…!」くしゃみを途中で止めるひと、身体に悪いことはない?

「ハッ…!」くしゃみを途中で止めるひと、身体に悪いことはない?


執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
医療監修:株式会社とらうべ


大きな声でくしゃみをすると、状況によっては困る場合がありますね。

何とか止めようとする人もいますが、くしゃみを止めると身体にはどのような影響が及ぶのでしょうか。


今回は、くしゃみを止めることについて、身体への良し悪しまで含めてご紹介していきます。

くしゃみはなぜ出るの?

くしゃみは、鼻の中に入ったほこり、ウイルス、花粉といった異物などを排出する役目を果たしています。

つまり、くしゃみは身体の中に異物を入れないための防御反応であるといえます。

くしゃみは、おもに次のようなときに出ます。

風邪

風邪のひき始めに出るくしゃみも、ウイルスの侵入を防ぐ反応です。

花粉症

花粉症もくしゃみを代表的な症状のひとつとします。

冷たい空気や香辛料を吸い込んだとき

急に冷たい空気や香辛料を吸い込んだときにもくしゃみが起こります。これも反射という一種の防御反応だといえます。

自律神経の乱れやストレスを受けたとき

自律神経が乱れたり、ストレスを受けるとくしゃみを連発する場合があります。これは血管性鼻炎と呼ばれています。

こんなくしゃみの仕方には注意が必要

くしゃみをすると、身体から空気の塊が出ていくことになります。

その速さは、遅くても時速64km程度で、速い場合には時速120kmになることもあります。

また、くしゃみは上半身の筋肉運動でもあり、連続してくしゃみをすると、体力を消耗することにもなります。

くしゃみは、不随意動作なので、コントロールがききません。そのため、くしゃみが出るときには、目をつぶることが多く、また腕の筋肉の硬直や収縮が起こるので、自動車を運転中は非常に危険です。

また、瞬間的に激しい運動になるので、肋骨や腰を痛める原因になることがあります。

腰などに不安がある人は、くしゃみをするときの態勢に注意が必要です。

腰痛を予防するためには、「ハクション」の最後の「ション」のときに身体を前に倒さないように気をつけましょう。くしゃみが出そうになったら、壁にお尻をつけて、力を分散させます。

また、膝を少し曲げて、腰に力がかからないようにしましょう。

くしゃみの音(声)はコントロールできる!?

くしゃみの音は、年齢や性別によってもかなり異なります。

大きな声がするのは、中年の男性が多い感じがしますね。でも、もちろんこれには個人差があります。

くしゃみをするときに大きく息を吸い込むと、より勢いのある強いくしゃみがでますが、そのときに声を出すと、音の大きなくしゃみとなります。

免疫力が低下している中年の男性は、細菌などの異物を出そうと、大きなくしゃみになっているのかもしれません。

また、「豪快にくしゃみをすることが男らしい」という考えがどこかにあるのかもしれません。

とはいえ、大きな音を出せない場面もあるはず。くしゃみは自然現象ですが、音量をコントロールすることは可能です。たとえば、ハンカチなどで口を押える、声はださないことを意識づけるなどの方法があります。

ほかにも、鼻の下に指を添えてくしゃみを出さないようにするといった方法もありますが、以下で述べるように、くしゃみを我慢することは、耳や肺、腰などに圧力をかける可能性もあるので、おすすめできません。
 

くしゃみを我慢するとどうなる?

くしゃみを我慢すると、身体には次のような影響があります。

体内に異物がとどまる

くしゃみには、カラダの中へ入ろうとしている異物を外へ排出する役目があるので、我慢すると、異物が体内にとどまることになります。

ウイルスや花粉などがとどまると、風邪の症状やアレルギーの症状が悪化する可能性がありますし、病原菌が中耳や気管などに入りこむと、感染症を引き起こす可能性があります。

呼吸器に圧力がかかる

くしゃみを我慢すると、呼吸器に圧力がかかります。血管破裂を引き起こしやすい病気(血管腫や白血病など)を抱えている場合は、鼻、耳、目などに強いダメージを受けることになります。

とくに、鼻腔や鼓膜の炎症を引き起こし、頭痛、耳感染症、聴覚障害の原因になります。

また、めまいがしたり、耳がふさがっている感じがすることもあります。

骨折やぎっくり腰などの原因になる

先に述べたように、くしゃみは大きな力をもっています。くしゃみを我慢すると、その大きな力が身体の中へ向かってしまうことになります。

その結果、ひどい場合には、肋骨を骨折したり、鼓膜を損傷したり、ぎっくり腰になることがあります。

以上を踏まえると、くしゃみは我慢せずに出したほうが良いといえます。

無理に我慢するのではなく、今回紹介したような大きな音が出ない方法を試してみてください。

<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー


<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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