悪者イメージの「コレステロール」 本当はこうなのです

悪者イメージの「コレステロール」  本当はこうなのです

悪者イメージの「コレステロール」 本当はこうなのです


執筆:Mocosuku編集部

健康診断の結果を見るたびに、コレステロールの値を気にしている人、いませんか?


一度異常値を示すと頭によぎるのは「動脈硬化」「高血圧」「糖尿病」といった病気の不安。

ただちょっと待ってください、コレステロールもやみくもに減らせばいいわけではありません。

今回は悪いだけじゃない「コレステロールの長所」をご紹介したいと思います。

「コレステロールの長所」その1:人間の細胞を…


人間はたくさんの細胞でできているのはご存知ですよね。その数はなんと60兆個とも言われています。

その細胞1つ1つを支えているのが細胞膜です。

じつはコレステロールは、この細胞膜を生成するために必要な物質なのです。

他にもたんぱく質やりん脂質などがこの細胞膜に含まれていて、細胞をしっかり形作る役割のほかに、細胞膜を通じて細胞外部との物質の出し入れを行っています。

また体内の3割のコレステロールは、神経細胞が集中する脳にあります。

そして脳から身体の各部へ情報が伝達されるときに、情報が錯そうしないように神経細胞の軸索(神経線維)を覆って保護する役割をしているのがコレステロールです。
 

人間がすばやく脳の指令を末梢へ送り出せるのは「コレステロールのおかげ」だと言えるでしょう。

コレステロールの長所その2:男性・女性らしさを…

コレステロールは男性として、また女性としての機能に欠かせないホルモンを作る材料でもあります。

副腎(ふくじん)という臓器の皮質部分で作られる副腎皮質ホルモン、精巣で作られる男性ホルモン(アンドロゲン)、卵巣で作られる女性ホルモン(エストロゲン)、卵巣の黄体や胎盤で作られる黄体ホルモン(プロゲステロン)などの構成成分にもなっています。

年齢とともに女性特有、男性特有の不調が多くなるのは、体内のコレステロールのバランスが悪くなることも一因と考えられるのです。

コレステロールの長所その3:脂肪の消化吸収に…


コレステロールは、食事からとり入れた脂肪の消化吸収を助ける「胆汁酸」を作るもとになっています。

肝臓で作られた胆汁酸は、胆汁として胆のうに蓄えられ、小腸で脂肪を水に溶けやすい状態にしたり、すい臓から出る消化酵素「リパーゼ」を活性化して脂肪の消化吸収を助ける働きをしています。

コレステロールは身体のどこにあるの?


体内で作られたり食べ物から摂取したりしたコレステロールは『長所その1』で述べたようにおよそ3割が脳に、そのほか筋肉と肝臓に3割ずつ、残り1割が血液やほかの臓器の中にあります。

血液中のコレステロールは、全身に運ばれて、細胞膜やホルモンの材料になります。

コレステロールは、水に溶けませんが、ある種のたんぱく質と結びついてリポたんぱくと呼ばれる粒子を作り血液中を流れています。


食べ物からの摂取量が過剰過ぎたり、加齢や病気などで体内のコレステロール調節機能が低下したりすると、血液中にコレステロールが停滞するようになり、動脈硬化などの原因となるのです。

LDL(悪玉)とHDL(善玉)コレステロール


昔は「総コレステロール値」で示されていた血液検査の結果も、今は、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)と区別して判定しています。

しかしこれらはコレステロールの違いではなく、コレステロールを血液に溶ける形にして運んでくれる粒子「リポたんぱく質」の種類を指しているのです。

つまり、LDLに乗って運ばれるコレステロールをLDLコレステロール(悪玉コレステロール)、HDLによって運ばれるコレステロールをHDLコレステロール(善玉コレステロール)と呼んでいるのです。

LDLコレステロールは血液中を移動して、コレステロールを身体の必要な個所に運ぶ役割をしています。

しかし、このLDLが過剰になると、コレステロール量の調節機能が効かなくなり、血管壁に入り込んで沈着し血管を硬くしてボロボロにしてしまいます。

これが動脈硬化です。悪玉と言われる所以は、過剰になったときのこの作用にあります。

一方、HDLコレステロールは、身体の不要なコレステロールを回収して肝臓に運ぶ役割をしています。血管壁に沈着したコレステロールを引きはがすこともしてくれるので、動脈硬化予防に役立ちます。

これが善玉と言われる所以です。

つまり、必要な分のコレステロールが適材適所に運ばれ、余剰分がきちんと回収されるシステムが機能していれば、問題はないのです。

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