「ふるさと納税で未来を繋げる」結びつきを大切にした働き方とは?

「ふるさと納税で未来を繋げる」結びつきを大切にした働き方とは?

「ふるさと納税で未来を繋げる」結びつきを大切にした働き方とは?

取材・文:鈴木麻葉/マイナビウーマン編集部

撮影:大嶋千尋

“ふるさと納税”と聞くとあなたは何を思い浮かべますか? 地元を応援するため、おいしい返礼品を受け取るため……。目的は人それぞれだと思います。

かく言う私は、返礼品目当てでふるさと納税に参加したことがあるひとり。寄付した自治体は、名前すら知らない町でした。

「きっかけは返礼品目当てでもいいんです! そこから地域の取り組みを知っていただければ……」

そう話すのは、ふるさと納税総合サイトを運営する 株式会社トラストバンクでふるさと納税を推進する部署・ふるさとチョイス事業本部に勤める藤井楓さん。

藤井さんの役目は、全国の自治体職員さんに地域の課題をヒアリングしながら、一緒に解決に導くお仕事。取材中に至るところで感じた自治体ファーストな精神は、いったいどこからきているのか。常に前向きに自治体に向き合う姿勢について伺いました。

■離れて分かった地元の魅力

藤井さんは中途で入社されたそうですが、前職はどのようなお仕事をされていたのですか?

広告運用の仕事を2年間していました。IT業界なら、幅広くいろいろな業界と関われるかなと思い、入社しました。

今とは畑の違うお仕事ですよね。どのようなきっかけで、トラストバンクに転職を決めたのですか?

出身が長野県長野市なんですが、漠然と自分が将来どこで長く暮らすか、と考えたときに、都心の満員電車の中で暮らしていくというのが、あまり想像つかなくて。 のちのち地域で暮らしたいなという思いがありました。

では、これといったきっかけがあったというよりは、漠然といつかは地方で暮らしたいという気持ちがあったということですよね。

そうですね。住んでいるときは、「早く都会に出たい!」という思いで上京してきたんですけど、周りの人から「長野って自然豊かでいいよね」「住みたい田舎ランキング上位で素敵なところだよね」と言っていただけることが多くて、それによって長野の良さが見えてきて……。地元を離れたからこそ、客観視出来たというのはあるかと思います。

■畑違いの仕事で感じたギャップ

いざ転職し、当初からふるさとチョイスのお仕事に就いたそうですが、入社して感じた良いギャップや大変だったことなどはありますか?

まずは会社として、「利益のためよりも地域のため」というのが第一の柱としてあり、最初はそこに驚きましたね。前の会社では、いかに利益を出すかという指針で考えればよかったので、分かりやすかったんですけど、「本当に地域のためになるのか」は答えがないので、最初は難しかったです。でも、逆に今はそれがすごくやりがいにもなっています。

日頃から自治体さんとお話する機会が多く、自分の関わっている案件が“何のためになっているのか”というのが分かりやすいところも、私のモチベーションになっていますね。

あと最初は、電話口や社内で飛び交う自治体名が聞き取れなくて大変でした(笑)。

自治体の方とは、直接お会いしてお話することも多いのですか?

今はコロナの影響もあり、なかなか難しいですけど、以前は出張も多かったですね。ちょっとした雑談や、お昼をご一緒すると、担当者の人柄や思いが伝わってくるので、直接お会いしたほうが関係性は築きやすいですね……。

地方の方のほうが直接の繋がりとかを大切にしそうですよね。

そうなんですよ! 本当は飲み会がメイン(笑)。

トラストバンクとして、自治体さんは、お客さまというよりは、地域のために一緒に頑張る仲間みたいな感覚で取り組んでいて、物理的な距離はあるんですけど、心の通った距離感で、自治体さんが目指すところに“伴走する”ことをチームとしては掲げています。

■「何か力になれることはないか常に考えています」

地域の方と関わる中で、仕事に対する思いや向き合い方は変わりましたか?

変わりましたね。お忙しい中でも、地域のため市民のために熱い思いを持って取り組んでいらっしゃる職員さんと関わることで、自分も自治体さんや地域のために何か力になりたいな、と思うようになりましたね。

良い影響ですね! 熱い思いを持っている方が多いということですが、うまくいかない現状にネガティブになっている自治体さんはいないのですか?

そうですね……。何からしていいか分からない、というお話はよくあります。ただ、もう諦めているみたいなことはあまりないですね。

そういった方にはどのようなサポートを行うのですか?

職員さんは3、4年で異動されることが多いので、職員向けにふるさと納税の基礎知識をお伝えするセミナーを開催しています。

あとは、職員さん同士を繋げることにも取り組んでいます。あくまで私たちは自治体ではないので、同じ立場で相談出来る人を作ることで、切磋琢磨していろいろな取り組みが出来るように、職員さんを繋げることは、定期的に行っていますね。

全てをまとめてみてくださるから、安心感がすごいですよね。

■相手の立場に立って寄り添うこと

今までお話を伺ってきた中で、藤井さんの発言が常に前向きだな、と感じたのですが、元々前向きな性格なのですか?

根っからのポジティブなタイプではないと思います。でも、日頃やり取りをしている自治体職員さんが、地域や市民のためを思って頑張っている姿を見ている中、自分に出来ることを考えたときに自分も前を向くしかない! という感じです(笑)。

熱い思いがある地域の方と関わるからこそ、自分も前に向かって進めているような気がします。

職員さんの中には、何していいか分からないという方もいらっしゃるということでしたが、そういう方を鼓舞するためには、普段どういうお声がけをしているのですか?

スタッフによってタイプが違うのですが、私は「寄り添い型」。他の業務と兼務されている職員さんも多く、忙しくて手が回らないというお言葉をもらうこともあります。そんな時、まずは職員さんの状況を伺ったり、想像して今出来ることから提案してみたり……。私は熱血というよりは、寄り添う形でお話を伺うようにしていますね。

■今、私たちに出来ること

コロナ禍も相まって、地元を支援したいけど何をすればいいか分からない、という人も多いと思います。地域の方々に近い立場にいる藤井さんが感じる、私たちに出来ることがあれば教えてください。

やはり、ふるさと納税は自分で地域を決めて寄付出来るので、地元を離れていても応援出来る一つの手段かな、と思います。その中でも、寄付するときに地域宛にメッセージを送ることが出来るんですよ!

寄付をしてくださる方がどんな風に応援してくれたかというのは、職員さんたちの励みになるんです。その言葉だけでも支援に繋がっているな、と実感しているので、ぜひメッセージを書いていただけると嬉しいですね。

たしかに、なかなか直接足を運んだり、人と会いにくい世の中で、言葉の大切さを今まで以上に感じますよね。

そうなんです! 自治体さんによっては、メッセージを印刷し、道の駅の壁に貼っているところも(笑)。いただいたメッセージから、地元の魅力に気づく人も多いんです。なので、ぜひふるさと納税をする際は、メッセージを書いてほしいですね。

私も次回からはしっかりとメッセージを書くようにします!

あとは、自分の地元のページを見てほしいです! 自分の地元がどんな取り組みをしているか知らない人が多いと思うんですよね。でも、それぞれいろいろなことに取り組んでいて、新しい発見があるはずなんです。地元の良さや取り組みを知れる良い機会になると思うので、ぜひチェックしてほしいですね。

■ふるさとチョイスを通して「未来を繋いでいきたい」

人と人との繋がりがキーワードとなるお仕事だな、と思ったのですが、藤井さんが働く上で大切にしていることは何ですか?

社内外でも、思いやりと尊敬を大切にしていますね。私の中ではすみ分けていて、思いやりは「相手の視点になって考えてみること」、尊敬は「上下関係なく、みんなそれぞれの役割・立場で頑張っていることに敬意を持つこと」。

お仕事する上でもですが、人間関係においても大切なことですよね。

最近は、リモートワークの影響で希薄になったコミュニケーションを円滑にするために、自主的に社内ラジオのパーソナリティを始めました。毎週、社内ゲストを招き、人柄や仕事の裏話・裏側をフランクに放送しています。

素敵! このご時世だからこそ、よりうれしい取り組みですね。

自分ひとりでは出来ることは少ないですが、事業を通じていろいろな提案を行い、未来に繋げることが出来るポジションにいると思うので、ふるさと納税を通じて、地域のために動いてくださる職員さんのために、今後も情報を発信していったり、職員さん同士を繋げる活動を続けていければと……。

繋げたところから新たに創出されることもあると思うので、そのきっかけを作れればうれしいです。

 

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