失恋のつらさは “ゆきずりの男” なんかで忘れられなかった話

失恋のつらさは “ゆきずりの男” なんかで忘れられなかった話

失恋のつらさは “ゆきずりの男” なんかで忘れられなかった話

こんにちは。ダーリンはアメリカ人のパンジー薫です。私事ですが、25歳のときに大失恋をしまして。失恋でなにもかも失った気になっていたので、次に恋するなら「英語力」が残る相手にしようと考え、実際にそうしました。若い頃の苦労を買ってでもしてみたわけです。

外国人男性との恋愛は、文字通り「違う」ことの連続で、ショックばかり受けていました。でも、あの時、勇気を出して国際交流パ-ティーに参加して良かったと思います。なぜなら本当に愛する人と出会えて、結婚できたからです。以前見たWebサイトでは「一番好きな人と結婚した人」ってそんなにいないというアンケート結果もありました。だからタイムマシーンがあるなら8年前の私に言いたい。

上司にビクビクする必要なんてない! あなたの勇気ある行動(勤務中に「外国人男性 出会う方法」を調べる)が運命の人と出会う道を切り開いたんだから‼

この記事を読んでいるそこのあなた。まだ本当のラブに出会えてないなら、上司でも同僚でも人の目なんか気にせずスマートフォン片手にこう叫んでほしい。

「ヘイ、Siri! 今夜東京で開催される交流パーティーを教えて」って。

運命の人に会いたいなら詩人・与謝野晶子並みにパッションを燃やさないと。「君、私以外の女を持ち帰ることなかれ」ってね。

■ゆきずりの世界へこんにちは

偉そうにアドバイスしたけど、実は夫と出会う前はジェームズ・ボンドもびっくりの「ゆきずりの恋」をしてた時期がある。ゆきずりラブしつつミッション達成するボンドと違って、私はボロボロになっただけだったけど。

よく考えれば、ボンドには優秀な上司Mと同僚Qがいるけど、あの頃の私が持ってたのはM(Manshinsouinokokoro:満身創痍の心)Q(Qusomitainapuraido:くそみたいなプライド)だったんだから納得よね。

失恋で傷ついた自尊心と女としてのプライドを取り戻そうと、タイミング良く意気投合した男たちと恋仲になっても、それは流血する傷口に絆創膏を貼るのと同じ……。

血が滲んできて絆創膏はすぐダメになるし、傷口だって開いたまま。むしろ絆創膏を無駄にした後味の悪さが残るだけ。ああ、なんで流血が治まるまで絆創膏を貼るのを待てなかったのだろう。痛みは人の判断力、決断力を鈍らせるものなのに。

しかも私はあろうことか絆創膏を2枚も無駄打ちした。1枚目は当時働いていたお店に飲みに来ていた美容師の店長こと「いちゆき」(1人目のゆきずり男を略してこう呼ぶことにする。ちなみに「2ちゃんねる」開設者のあの人とは全く関係ない)。

私はいちゆきに興味は無かったが、バイト終了後にカラオケに誘われ、いちゆき、いちゆきの職場の部下ふたゆき(もうお分かりだろうが、二人目のゆきずり男)、私、バイト仲間のゆきちゃんと4人で町へ繰り出したのだ。

そしてカラオケの後にいちゆきの家で飲み直すことになって、なんとなくそんな雰囲気になって、男女の関係になった。女として自信を失っていたから、ちやほやしてくれるいちゆきにオレオレ詐欺師もびっくりなレベルで簡単に落ちた。誰でもいいから失恋の痛みから逃れたかった。

だけどそんなまやかしが長続きするわけもなく……。実はいちゆきには長年付き合っている彼女がいたのだ。あぁ、私にヴォルデモート(ハリーポッターの宿敵)のような闇の力があれば。そしたら心を7つに分け、分霊箱に隠し、「失恋による完全なハートブレイク」を回避できるのに……。

でもこの頃の私に必要だったのは「闇の力」なんかじゃなくて「自分の足で立ち直ること」だった。間違っても「弱った女心につけ込む」マグル(人間)の男に頼ってはいけなかったのだ。

■いちゆき去ってまたいちゆき

いちゆきと破局した私は「ふたゆきクリニック」にすがってしまった。傷心し、誰でもいいから抱かれたかった。だけど、ふたゆきは「彼女しか抱かない」という、出会い系サイトやパーティーで希少種と呼ばれる人種だった。

あぁ神様はなんていじわるなんだろう。今私に必要なのはとにかく心の穴を埋めてくれる男だというのに……。誠実な男を求めてさまよう婚活中の女性に大声で伝えたい気分だ。

「こんなところにいましたよ、希少種!」って。

しばらく押し問答が続いたが、「彼女にならないと抱かない」とふたゆきが譲らないので、めんどくさくなった私、いや、私の性欲は折れた。こうしてふたゆきとの交際が始まった。

さすが希少種というべきか。誠実男・ふたゆきとの交際は予想に反して良かった。メールにはすぐ返信をくれるし、年下なのにいつもおごってくれるし、とにかく優しいし。気が合ったので何気ない会話も楽しかった。

あれ、私ふたゆきとならやっていけるかも……。そんな風に思ってきた頃、ふたゆきから突然「別れたい」と言われ、ぬるま湯みたいな恋は終わった。元彼のいちゆき(ふたゆきの上司)に2人の関係がばれ、職場で気まずいからとのことだった。

ふたゆきのことは人間として大好きだった。でも、男としては好きじゃなかったから私はあっさりと受け入れた。こうして私のゆきずりの恋×2は終わった。

■イタい恋から得た教訓「失恋の特効薬は新しい恋ではなく時間」

失恋を癒すのは「新しい恋」ではない。「TIME(時間)」だ。悲しかろうがつらかろうが、失った恋にとことん向きあうこと。

相手への気持ちが大きいほどその作業はとてもつらいけど、心を癒すにはそういう時間が必要なのだと思う。好きな音楽を聴いたり、おいしいものを食べたり、スポーツや仕事に打ち込んだり。悲しみに飲み込まれないよう、うまく気分転換をしながら、心にかさぶたが出来るのを待つ。新しい恋に進むのはそれから。

傷口から流血したまま「次の男」という絆創膏を貼っても、そんな適当に見繕った相手とは良い恋なんてできないからだ。私といちゆき、ふたゆきが保証する。

ゆきずり事件から1年後。大好きだった彼氏の亡霊に苦しみながらも、私はシングルライフを耐え忍んだ。

あの時、私を支えてくれた友達や映画、漫画、歌よ、ありがとう。おかげで私は暗黒面に堕ちずに済んだ。フォース(スターウォーズに登場する特別な力)の代わりにタイムを使ったお陰で、ダースベイダーに闇落ちしたアナキンみたいにならずに済んだ。「セカンド女村」や「不倫町」にハマり、黒マスクの下からシュコーシュコー言わずに済んだ。闇の力じゃなく、自分の力で立ち直ったからこそ、今の夫に出会うことができたのだ。

今、絶賛失恋中でゆきずりそうな女性たちにエールを送る。

タイムとともにあらんことを!

(文・パンジー薫、イラスト・菜々子)

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