“好き”を仕事にしたから、喜びも倍に。鈴木愛理が歌い続ける理由

“好き”を仕事にしたから、喜びも倍に。鈴木愛理が歌い続ける理由

“好き”を仕事にしたから、喜びも倍に。鈴木愛理が歌い続ける理由

取材・文:ameri、撮影:須田卓馬、編集:高橋千里/マイナビウーマン編集部

「この子、かわいい!」

ーー当時「ハロー!プロジェクト」にハマっていた小学校2年生の私は、キッズオーディションの中で一際輝く鈴木愛理さんに魅了されていた。

調べてみたらなんと同い年! 東京には、同い年でこんなにかわいい子がいるんだ……と、地方住みの私は驚愕したものだ。

そんな彼女は、12年間活動していたアイドルグループ「℃-ute」が解散した2017年のタイミングで、「ハロー!プロジェクト」を卒業。その後ソロシンガーとしてデビューを決めた。

「アイドルが憧れるアイドル」として活躍し続けてきた彼女が、グループ解散後も歌い続けることを選んだ理由とは。そして、大切な選択をする時に指標としているものとは。

今年26歳になったばかりの彼女の仕事観について深掘りした。

■「歌い続けてほしい」ファンの声がきっかけ

℃-uteの解散後、他のメンバーが女優やタレントに転身する中、彼女はソロシンガーの道を進むことに。けれど、最初からそう決めていたわけではないのだそう。

「正直、最初はソロになるつもりはありませんでした。15年間やり切ったと思っていたし、本当に歌が好きだからこそ、この道には進まない予定だったんです」

そんな彼女の気持ちを変えたのは、ファンからの後押しだった。

「ファンの方からたくさん『愛理ちゃんには歌い続けていてほしい』という声をもらって、そう言ってくれるならもう一度頑張ってみようかな、って」

ソロデビューという決断は、ファンのためでもあり、自分のためでもあったという。

「元々、歌以外にもいろんな活動をする中で、私は自分の活動で元気になってもらったり、『明日からも頑張れる』と言ってもらえたりすることに対してやりがいを感じるタイプだと気付いたんです。

求めてくれていること=自分のやりたいことでもあるので、そういう点で見ると、結局は自分のやりたいことを選んだ形ともいえるかもしれませんね」

彼女の歌を聴きたいと望むファンがいる限り、きっと彼女は歌い続けてくれるのだろう。

■「歌うこと」がなくなるのが、一番しんどい

グループでの活動を12年、ソロ活動を3年続けてきている鈴木愛理さん。

グループとソロではどんな違いがあるのだろうか。どちらも経験した彼女だからこそ見えている姿があるに違いない。

「むしろ、“音楽活動”ということぐらいしか共通項がないんじゃないかと思います(笑)。歌って踊るという大枠は同じだけど、ソロにはグループ時代のような歌割りはないし、ダンスのジャンルも変わりました」

そして、一番大きな違いだと語ってくれたのが、「演出面」だ。

「今は楽曲選びやライブの演出、セットリストの作成など、一から全ての打ち合わせに入らせてもらえているのが、最も異なるところですね」

グループからソロへ。形は変えども「歌うこと」はやめなかった鈴木さん。彼女にとって「歌うこと」とはどんな存在なのだろう。

そう聞くと「私の人生において『歌うこと』がなくなるのが一番しんどいです」と答えた。

「ソロになってから音楽に向き合う機会がかなり増えました。去年、ダンスを一度封印して歌だけでライブをしたんです。その時に、アイドルを始めるもっと前の“本当に歌が好きだった気持ち”をしっかり思い出せたんですよ。

『歌を通してこれを伝えたい』という核のようなものが明確に分かりましたし、自分の伝えたいことを一番表現できるのが歌なので、これからも歌い続けていきたいですね」

■「好きなこと」を仕事にする大変さと魅力

好きなことを続けるのは意外とハードだ。仕事にするならなおさら。どれほど好きでも、嫌になる瞬間がある。

「こんなはずじゃなかったのに……」という気持ちは、“好き”を仕事にした人間であれば、一度は抱えたことがある感情だろう。

「私も大好きで歌を始めたんですけど、好きなことを仕事にすると、一度嫌いになる時って絶対ありますよね。好きなことだからこそ、人に評価をされることなく続けられたらよかったな、と思ったことは何度もありました」

そこで「もういいや」と諦めてしまう人もいるだろう。でも彼女は違った。

「その壁を乗り越えると、自分の好きなことで達成感を得られるようになるので、喜びが倍になるし、自分らしくいられるんです」

でも、好きなことを一度でも嫌いになりたくないと、仕事に選ばない人もいる。それに関してはどう考えているのだろう。

「その考え方も一つの正解だと思います。好きなことを仕事にしなければ、仕事に疲れた時に好きなことで息抜きできるから。

でも、好きなことを仕事に選ぶと、成功した時の喜びはより大きくなるし、アイデアは思い浮かびやすくなるし、日常が全て仕事につながるので、結果的に選んでよかったと感じています」

そして、こう続けた。

「だから、私たちの業界に限らず、最初に就職する時には好きなことを選ぶといいと思います。その方が、後に可能性が大きく広がっていくと思うから」

“好き”を突き詰めると、見える世界が変わりそう! 彼女の言葉にはそんなワクワクを掻き立ててくれる力があった。

そして、好きな仕事を長年続けてきた彼女だからこその説得力を感じた。

■煮詰まったときには一度忘れてみるのもコツ

26歳にして芸歴18年。幼少期から思春期、そして大人になるまで芸能の世界で過ごしてきた彼女。

小さなことから大きなことまで、さまざまな決断を重ねてきたはずだ。これまで悩んだ時には、どう対処してきたのだろう。

「考え込むと自分自身としか向き合わないタイプなんですが、どうしてもいっぱいいっぱいになった時は母親に電話します。そうすると、全然予想もつかない角度からアドバイスをくれたり、全く関係のない話で元気をくれたりするんですよね。本当に、母は偉大です」

お母様との仲良しエピソードがほほえましい。長い時には、3時間くらいテレビ電話をすることもあるのだとか!

「母との電話が私にとっての息抜きになっているのかもしれません。ずっと考え込むと煮詰まってしまうので、思い切っていったん忘れてみてはどうでしょう。別のことを考えると、新しいアイデアが生まれるんじゃないかなと思います」

■憧れは、田中みな実さん。目指す28歳の姿とは

4月に26歳を迎えたばかりの彼女は、マイナビウーマンのコア読者層である“28歳”まであと2年。どんな28歳を目指しているのか聞いてみた。

「私の中での女性の転機って、17歳と28歳だと思っているんですよ! 17歳で一度、キラキラした青春の中、ピチピチでちょっとムチムチ感の残るお肌、ちょうどいいツヤ感のピークがきて、28歳で一気に大人の女性ならではの“輝きスイッチ”が入るイメージがあるんです。なので、あと2年くらいで自分もそうなれると期待しています(笑)」

彼女にとっての憧れの大人の女性像は、TGC 2020 S/Sで司会も務めたフリーアナウンサー・田中みな実さんなのだそう。

「高校生くらいの女の子のかわいらしさと、大人になっていい感じにシュッとして、かつ健康的に輝いている女性が持つ魅力ってまた違いますよね。たくさん研究されて、努力した上で輝いている、みな実さんのような女性になりたいなと思っています」

幼少期に私が憧れていた同い年の彼女は、あの頃と変わらない無邪気なかわいさを残しつつ、すてきな大人の女性に成長しようとしていた。

それと同時に、彼女が持つ歌への情熱もひしひしと感じた。“好き”を仕事にするだけでも大変なのに、第一線で活躍し続けるのはもっとハードだ。

だけど、想像以上の努力をキュートな笑顔の下に隠して、めいっぱい歌う。彼女は歌手が天職なのだと思う。

“好き”を仕事にすると苦しいこともある。だけど、他には代えがたい喜びや自分らしさを見つけられるなら、このままもうちょっと頑張ってみようと思えた。

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