みんなを引っ張るだけじゃない。「リーダーシップ」の本質とは

みんなを引っ張るだけじゃない。「リーダーシップ」の本質とは

みんなを引っ張るだけじゃない。「リーダーシップ」の本質とは

「リーダーシップ」という単語を、私ほど聞いた人間もそういないと思います。

というのも、私は就活のアドバイスをするのがお仕事でして、就活生の履歴書へ耳にタコができるほど「リーダーシップ経験を書いて」と伝えてきたからです。

ですが、リーダーシップ経験ほど就活生、そして社会人にすら誤解されている言葉も無いと思います。

というのも、リーダーシップとは決して「他人をグイグイ引っ張る力」ではないからです。

■リーダーシップとは? 定義とマネジメントとの違い

まずは、リーダーシップとは何かについて迫りたいと思います。

◇ドラッカーの定義

「リーダーシップ」のようなビッグ・ワードは、ドラッカーという偉い人が論文で大体定義してくれています。まずはドラッカーの定義を見てみましょう。

著作『プロフェッショナルの条件』において、リーダーシップはこう定義されます。

リーダーシップとは、組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に確立することである。リーダーとは目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持する者

なお、ドラッカーの素晴らしいところは、ふんわりした言葉を定義してくれるところ。悪いところは、定義もホイップクリームのようにふんわりしているところです。

◇P&Gによる定義

私が勤めていたP &Gでは、リーダーシップをさらにこう定義しました。

リーダーシップとは、

(1) 未来を描く − 「もっと素晴らしい未来はこうだ!」と人に見せる力

(2) 協力する − 部署や会社を超えて協力して成し遂げる力

(3) やる気を促す − みんなに「やったるか!」と思わせる力

(4) 効率化 − 人の強みを生かす力

(5) 実行力 − 言ったことをやり遂げる仕組みを作る力

であると。

こうして並べると「まあ、確かにここまでできればリーダーシップがあるといえるよなあ……」という要素は見えてきたかと思います。具体例を挙げると「ONE PIECEのルフィ」でしょうか。

◇リーダーシップとマネジメントの違い

で、ここで疑問になるのが「あれ、リーダーシップとマネジメント、被ってない?」問題です。

ドラッカーの定義した言葉に、「マネジメント」という似た言葉があります。ドラッカーによるマネジメントの定義は「組織に成果を上げさせるための道具、機能、機関」です。

つまり、組織が成果を上げるための道具(マネジメント)の一つに、リーダーシップが含まれているわけです。

リーダーシップだけがマネジメントの道具ではありませんが、重要な一要素とはいえそうですね。

■身に付ける意味とは? リーダーシップの必要性

我々は誰もが『ONE PIECE』のルフィのように生まれていません……し、ちょっとなるのもしんどそうです。ですが、リーダーシップは後天的に訓練することで、ある程度鍛えることができます

リーダーシップを身に付けるメリットは、以下の通り。

◇高い目標も実現できる

リーダーシップを身に付けるまでは大変です。しかし、リーダーシップを身に付ければ「人が自分のために仕事をしてくれるシステム」ができあがります

そうすれば、自分一人ではできない目標も達成できますし、たくさんの人の夢を叶えられます。

◇周りも幸せに働ける

リーダーシップは、他人を引きずる力ではありません。他人が「自発的に働きたい!」と思えるシステムを作ることです。

リーダーシップを身に付ければ、周りも幸せに働けます。

「この仕事を選んでよかった」「〇〇さんと仕事ができて幸せだ」と思ってもらえるなら、それ以上のやりがいって、なかなか無いんじゃないでしょうか?

■リーダーシップがある人の特徴

では、リーダーシップがある人って、具体的にどんな振る舞いをしているでしょうか。例を挙げてみます。

◇(1)逆境で夢を見せる

「もうだめだ、と思ったとき、〇〇さんが『このプロジェクトは絶対に成功する』って言い続けて。その理由もずっと話してくれた。だから〇〇さんを信じてここまで来られた」

といった話が出るとき、この〇〇さんはリーダーシップを発揮しています。

逆境でもメンバーがやる気を失わないよう「絶対にできる」と信じさせることが、リーダーシップです。

◇(2)人を褒める

リーダーシップは、ジャイアニズムじゃありません。リーダーは人を褒めて伸ばします。

「いつも〇〇さんが仕事を褒めてくれて、自分が強みを発揮できる仕事を任せてくれた。だから成果が出せた」

といった具合に、メンバーが最大限実力を発揮できるように褒め、動かすのがリーダーシップです。

◇(3)「どうすればできるか」を常に考える

「こんなんじゃ、だめだ」と考えるのは、リーダーの逆です。リーダーシップがある人は、常に「どうすればできるだろう」と考えます。

言葉遊びに見えるかもしれませんが、可能性を探さなければ、打開策も出てきません。

社外で協力が得られなかったとき、急に材料が欠品したとき、上司が反対してきたとき……。リーダーは「どうすればできるだろうか?」と目標の実現へ常に頭を働かせます。

■今日からできる! リーダーシップを身に付ける方法

では、どうやったらリーダーシップを身に付けることができるのでしょうか。

◇リーダー経験とは別物だと考える

リーダーシップを身に付けるには、考え方を変えることから。

まずは「〇〇団体でリーダーを務めた」ことをリーダーシップと考えるのをやめましょう。就活生に多い誤解ですが、リーダーを務めることと、リーダーシップには何の関係もありません

平社員でもリーダーシップは発揮できますし、面接ではそれが評価されます。

◇「その場に足りない役割」を考える

リーダーシップを身に付けたければ「その場に足りない役割」を考えてください。目的をかなえるために、今どんな役割が不足しているのか。それを理解したら、リーダーがその役を補填します。

「今、スケジュール全体を見ている人がいないと思って進行表を作ったよ。これに基づいて全員に締め切りの48時間前と24時間前にメールでリマインドする仕組みを作ってみるね」

「今、実際に手を動かせる人がいないよね。俺がその仕上げはやるから大丈夫。安心して企画に集中してほしいんだ」

「〇〇さんが休み? じゃあ買い出しが足りないよね。私、行ってくるから調達リストだけもらえる?」

こんなふうに、自分の役割を固定せず目標をかなえるため必要な役割を担いましょう。それだけでも、リーダーシップを大きく発揮できます。

リーダーシップを身に付ける目的とは

ここまで、リーダーシップの定義と身に付けるコツを解説しました。

リーダーシップを身に付けるのは、楽な仕事ではありません。「なぜ自分だけここまでやるのか」と自問自答する方もいるでしょう。

リーダーシップはだからこそ、一部の人が持つスキルとして就活や面接で重宝されてきたのです。

キャリアのため、自分のためで構いません。あなたは、その一部を目指しませんか?

(トイアンナ)

※画像はイメージです

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