仕事で「なるはや」を使わない方がいい理由

仕事で「なるはや」を使わない方がいい理由

仕事で「なるはや」を使わない方がいい理由

今さら、コミュニケーションの重要性を説明する必要はないでしょう。

友人や家族、仕事仲間とのやり取りといった、ありとあらゆるシーンで、良好なコミュニケーションが要求される時代。

特にビジネスシーンにおいては、コミュニケーションが得意な人はどんどん出世し、苦手な人は報われない、という光景を目の当たりにした人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、ビジネスコミュニケーションについて説明していきます。

■ビジネスコミュニケーションとは何か?

ビジネスコミュニケーション(以下ビジコミ)とは、仕事上において、言語・文字・身振りなどを媒介として、互いに意思や感情、思考を伝達し合うことです。

もう少しかみ砕いて言うと、甘えやおふざけが一切通用しない、仕事を遂行していく上で、必要不可欠なやり取りということになります。

◇ビジコミが重要な理由

例えば、上司が部下に「あのライバル会社の新製品、調べておいてくれ!」と指示をしたとします。

A社員は、3日かけて、性能の詳細から価格、競合製品、直近の販売データなどを細かくまとめた数十ページの調査書を作成しました。

一方、B社員は、1時間後にA4サイズ1枚で端的にまとめたレポートを作成しました。

上司が求めていたのは後者B。そもそも数十ページの調査書を読んでいる暇などありません。概要レベルで良いので、迅速な情報が欲しかったのです。

ビジコミが成り立たっていないと、A社員のように無駄な努力をする羽目になり、本人も会社も誰も得をしないという最悪の事態に陥ってしまいます。

だからこそ、円滑なビジコミが必要となってくるのです。

■ビジネスコミュニケーションの3つの目的

ビジコミを推進する理由はズバリ、仕事を間違いなくスムーズに進めることに他なりません。

そのためには、次の3つの目的があります。

◇(1)情報共有すること

役員しか知り得ない機密は別として、社員同士で知っておくべき情報を共有されていないと、そもそも仕事は進まないですよね。

例えば、各自に割り振られたレポートの提出期限を、一部の社員が共有できていなくて遅延したら、全体に悪影響が出てしまいます。

そういった事態を防ぐためにも、情報共有がしやすい関係・環境づくりが必要となります。

◇(2)風通しの良い職場をつくること

厳格な上意下達の職場だと、一つ間違えるとパワハラ認定され、離職率も高くなってしまいます。

ダイバーシティーが叫ばれる中、老若男女問わずに自由にものが言える職場だと、新しい発想や創意工夫が生まれ、どんどん仕事も進んでいきます。

◇(3)エンゲージメントを強化すること

エンゲージメントとは、従業員の会社に対する愛着心のこと。そしてこのマインドは、企業側の積極的な関与もあって、熟成されるものです。

そのため、これが強化されると、お互いの協働意識も高まり、企業の組織力も強くなっていくという効果が見込めます。

■ビジネスコミュニケーションのメリット(社内編)

ここでは、ビジコミが活発に行われることで生まれる社内でのメリットについて紹介していきます。

◇メリットその1:生産性の向上

すでに説明したとおり、仕事を間違いなくスムーズに進めることがビジコミの役割です。

職場内で円滑なコミュニケーションが図られていると、例えば、無理・無駄な仕事は、みんなの力で改善に向かっていき、ミスも減少していきます。

◇メリットその2:従業員満足度の向上

風通しの良い職場ならば、社員はフラストレーションを溜めることなく、快適に仕事に取り組むことができるでしょう。

また困り事や不安事を1人で抱えることもなく、各人の心理的負担も軽減されていき、従業員満足度が向上します。

ビジネスコミュニケーションのメリット(社外編)

次に、ビジコミが活発に行われることで生まれる社外でのメリットについて紹介していきます。

◇メリットその1:顧客満足度の向上

コミュニケーションによって顧客との関係が緊密で強くなれば、顧客のニーズ・ウォンツを誰よりも早く把握でき、その対処もいち早く打つことができます。

そうすれば、顧客の満足度も上がり、ライバル社に相見積もりを取ったり、契約を乗り換えたりと、浮気をしたりすることもなくなるでしょう。

◇メリットその2:企業評価の向上

顧客満足度が向上すると、その社員が属する企業の好感度・信頼度も上がり、その顧客がインフルエンサーとして「あそこはしっかりしている」的な評価を広めてくれる可能性が高まります。

フェイクな情報が流布する昨今、こういった口コミ評価は非常に高い価値があります。

■ビジネスコミュニケーションのスキルを向上させる方法

コミュニケーションスキルというものは、以下の2つのスキルで構成されています。

1.「受け取るスキル」

2.「伝えるスキル」

これはビジコミにおいても共通します。

それでは、この2つのスキルを向上させるポイントを整理してみましょう。

◇「受け取るスキル」向上のコツ

「聴き上手」という言葉を、一度は耳にしたことがあるでしょう。コミュニケーションの基本は、相手の話をよく聴くこと(傾聴)から始まります。

☆コツその1:相手の話を否定しない

傾聴をうまく進めるコツとして、まず相手の話を絶対に否定しないことが重要です。

例えば、会社の方針と明らかに違うやり方で仕事をやろうとしていても、「それは違うよね」「間違っているよ」「この間の通達、ちゃんと理解している?」などと否定しないで、まずは全面的に受け入れることです。

☆コツその2:相手の話を聴いている姿勢を示す

続いてのコツは、よそ見をするとか他の作業をしながらではなく、きちんと向き合って、うなずいたり、相槌を打ったり、共感したりして、相手の話を聴いている姿勢を示すことです。

☆コツその3:相手の話を遮らずに最後まで聴く

3つ目のコツは、決して話を途中で遮らないで、最後まで話を聴くことです。

ついつい話が長いと、遮ってしまいがちですが、そうするとコミュニケーションの基礎である、相手との信頼関係が崩れる可能性があります。

ぐっと我慢で、最後まで聴き遂げましょう。

また、この「傾聴」のコツは会話だけでなく、メールやチャットのシーンでも、活用することができます。

メールだと、送信された本文に3つの話題があったとしましょう。この場合、3つ全てに丁寧に回答していきます。

チャットは機能上、複数の話題をやり取りしづらいので、最初の話題に関して丁寧に対応した後、次の話題に切り替え、これも丁寧に対応していきます。

◇「伝えるスキル」向上のコツ

続いては、「伝えるスキル」を向上するコツを紹介していきます。

☆コツその1:主題を決めておく

「この場で自分が伝えたいことはいったいなんなのか?」という主題を決めておくことが最優先です。

話が長い人に対して、「結局何が言いたかったのか、よく分からない」という感想を持ったことはありませんか?

人に伝える際には、「ズバリ、一言で言うと何なのか?」これを意識して整理しておくだけで全然違います。

☆コツその2:「PREP法」の活用

次に、「PREP法」の活用をお勧めします。

これは「起承転結」ではなく、

POINT=結論

REASON=理由

EXAMPLE=事例、具体例

POINT=まとめ

の順に伝えていくもので、ビジネスシーンに適した手法です。

会話でもメールでも、まず結論ありきとして、その後に理由や事例を付け加え、最後にまとめる、そうした流れで伝えてみてください。

☆コツその3:曖昧ワードを使用しない

最後に、曖昧ワードを使用しない、ということです。

どうとでも解釈できるようなワードだと、こちらはこう考えていた、いや向こうはこう認識していた、とギャップが生まれてしまいます。

例えば、「この書類、なるはや(なるべく早く)で、お願いします」というやり取り、ありませんか?

これだとお互いに都合の良い解釈ができてしまいます。それなので、「来週末までにお願いします」と、明確な内容を伝えるべきです。

■ビジネスコミュニケーションにおいて気を付けたいポイント

ビジコミにおいて気を付けたいポイントは、2つあります。

◇(1)「コミュニケーションに100%はない」と肝に銘じること

1つ目は、コミュニケーションに100%はない、と肝に銘じること。

「あれだけ丁寧に言ってあったのに」というシーンに出くわしたことありませんか? 自身がどれだけ一生懸命に伝えたとしても、伝わっていないことはあります。

そのため、焦らないで、気持ちに余裕をもって、取り組んでいきましょう。

「あれだけ言ってたのに、なんでやってないの!」と感情的になってしまっては、コミュニケーションの基礎である信頼関係すら失ってしまいますから、1度で伝わっていなければ、複数回、粘り強く試みてみましょう。

◇(2)改善・改良を怠らないこと

そして2つ目は、改善、改良を怠らないように、繰り返していくことです。

もっと相手を引き出す方法はないか? どうしたらもっとうまく伝わるか? まさしく仕事の場がそれを磨き上げる道場ですので、日々、良くなる努力を続けてください。

コロナ禍の今だからこそ高めたいスキル

コロナ禍の今、仕事のシーンでも対面のやり取りが減り、「会って話せば分かる」的なものは通用せず、メールやチャット、WEB会議に代表されるように、コミュニケーションを取りづらい場面が増えています。

そのため、より円滑なビジコミスキルの必要性が高まっています。

本記事を参考にして、ぜひビジコミスキルを向上させていってください。

(中谷充宏)

※画像はイメージです

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