実は怖い。「死」を連想させる花17選

実は怖い。「死」を連想させる花17選

実は怖い。「死」を連想させる花17選

お見舞いの時、鉢植えのものや強い香りのものはNGなど、花を贈る時に気を付けたいマナーはよく知られています。実際、花を選ぶ際にはそういったマナーを気にする人も多いのではないでしょうか。

同時にちょっと確認してほしいのが、「死」を連想させる花言葉です。

元気づけたい、前向きになってほしいと花を選んだのに、「死」を連想させる意味があることに気付いたら、自分も相手もちょっと困惑しちゃいますよね。

今回は、そんな「死」を連想させてしまう花をまとめたので、花を贈る時に一度こちらで確認してみてください。

■デージー「(純真・有徳な者の)死」

別名は雛菊。太陽が昇ると花咲き、日が沈むと花も閉じることから「day’s eye(太陽の目)」と呼ばれており、デージーになりました。

春にピンクや赤、白の花を咲かせるこの花は、イギリスの詩人たちにこよなく愛されてきた花です。

シェイクスピアの戯曲『シンベリン』にも登場しています。

花言葉もその一節、「あの少年は我々に男らしい義務を教えてくれた、さあ、デージーが一番きれいに咲いているところを探し出し、鎗か鉾で彼に墓を掘ってやろうではないか。さあ、彼を抱えてくれ」(四幕二場)から。

デージーは幼きキリストの象徴とされており、他にも「無垢」「無意識」や「無邪気」の花言葉もあります。とってもかわいい上に、歴史ある花なんですね。

白いスミレ「乙女の死」

春に咲くピンク、紫、白、黄色が見られる花で、世界中に広く分布して400種以上もあるとされるスミレ。日本でも50種ほどが見られます。

ナポレオンの妻ジョセフィーヌが愛した花とされ、妻の誕生日には必ずスミレの花を贈ったという、うらやましいのろけ話も。

ただ、エリザベス朝期の文学の中でスミレは、死との連想が強くあるといわれ、またこの時代はうら若い乙女が死んだ場合、白い花で飾られるのが普通とされていました。

白いスミレの花言葉の由来は、イギリスのエリザベス朝期の文学、『ハムレット』の「彼女を土に埋めるがいい、彼女の美しく穢れない体からはスミレが生えだすだろう!」(五幕一場)や時代背景からとされています。

スミレ自体には、「謙遜」「誠実」「愛」などの花言葉があり、そちらの方が広く知られていることでしょう。

ヒガンバナ「悲しい思い出」

お彼岸の頃に真っ赤な火花のような花を咲かせる別名、曼殊沙華(マンジュシャゲ)。

寺院や墓地を守る毒草とされていますが、もともと日本には救荒植物(飢饉の際に食料にする植物)として中国から入ってきたといわれています。

戦時中には毒抜きをして食べられたとされ、他に食べるものがない時代の悲しい過去は花言葉を思わせます。

墓地などに彼岸に咲くことから、秋に死を連想する人も多い花ではないでしょうか。

紫のヒヤシンス「悲哀」

水栽培で親しまれゴージャスな花をつけるヒヤシンス。この花を愛したオスマン帝国の王が5万本ものヒヤシンスを現地から集めたという逸話も残っています。

花言葉はギリシャ神話から。美少年ヒュアキントスが太陽神アポロンと円盤投げで遊んでいると、西風の神ゼピュロスが嫉妬し、風を吹かせて邪魔をしました。

風で軌道の変わった円盤はヒュアキントスに当たり、彼は死んでしまいます。その時に流れた血からヒヤシンスが咲いたといわれることから、「悲しみを超えた愛」という花言葉もあります。

ヒヤシンス自体には、「スポーツ」や「勝負」「ゲーム」などの花言葉も。色によって花言葉の意味も変わる花です。

ワスレナグサ「私を忘れないで」

10〜20センチの低い背丈に、青、白、淡紫などのロマンチックな色彩の花を咲かせるワスレナグサ。

花言葉は悲しい恋のエピソードから来ています。

ドイツのドナウ川の岸辺に咲くこの花を、騎士ルドルフが恋人ベルタのために採ろうとした時、誤って川に落ち、その時に花を投げながら「私を忘れないで」と言い残したという悲しい逸話。

恋人ベルタは生涯この花を髪に飾ったとも言われ、「真実の愛」という花言葉もあります。

■スノードロップ「あなたの死を望みます」

まだ寒さの厳しい時期に小さな花を咲かせる球根植物です。ヨーロッパでは純潔の象徴とされ、昔は修道院で盛んに栽培されていました。

一方で、イギリスでは死をもたらす花という伝説も。花言葉もそこから来ているようです。

春に希望を託して咲くので「希望」の花言葉もあり、そちらの方が知られているかもしれません。

パセリ「死の前兆」

料理に添えられるイメージが強いパセリ。

古代ギリシャの4大祭、ネメア祭は毒蛇にかまれて死んだオフェルテスという赤子の霊を慰めるために開催されたそうです。

彼の血から生まれたとされるパセリはそれ以降、死者や軍神に捧げられたそう。

料理の彩りにも、そんな逸話があったんですね。

ドクニンジン「あなたは私の命取り」

初夏に白い花を咲かせる、強い毒性を持つドクニンジン。

古代ギリシャでは、政治犯の処刑にドクニンジンを入れた酒杯が用いられました。

哲学者のソクラテスもドクニンジンの毒が入った酒を飲み亡くなったと、弟子のプラトンが書き残しています。

歴史の中でも薬や毒として、昔からさまざまな草や花が用いられてきたんですね。

アイビー「死んでも離れない」

常緑のツル性植物、アイビー。古来永遠の愛や、魂の不滅の象徴とされてきた植物です。

古代ギリシャでは酒の神ディオニソスに輪飾りを捧げたとされています。

また、婚礼や葬儀、魔除けとしても用いられており、その用途には生と死が入り混じっています。

ツル性植物はその特性から、「離さない」や「離れない」などの花言葉が付きやすいのかもしれないですね。

ホトトギス「永遠にあなたのもの」

花びらの斑点が鳥のホトトギスに似ていることから花の名前が付いています。

東アジアに分布するホトトギス属は19種あり、日本では12種が確認されていますが、中には環境破壊などで絶滅が危惧されている種も。

花言葉は「持続」もあり、夏から秋にかけて長い間咲き続けることから来ているといわれています。

また、ホトトギスは現世とあの世を行き来できる霊長とされ、特別な鳥とされていました。

ホトトギスの花も、格の高い花として茶花としても盛んに用いられています。あの世にまつわるイメージはあるものの、大事にされてきた花なんですね。

■ハナズオウ「裏切り」

すらっと伸びた枝に蝶のような濃い赤紫の花弁をいっぱいに咲かせる春の花。染料の蘇芳(すおう)の色に似ていることから花名が付いたとされています。

花言葉は、新約聖書に記載されたユダの行為に由来があるそう。

銀貨30枚でイエズスを売ったユダは、後悔して首をくくって死んだという記載がありますが、首を吊ったのがこの木だといわれているようです。ヨーロッパでは「Judas tree(ユダの木)」という別名もあるのだとか。

こんな細い庭木で? と思いましたが、育つと大きな木にもなるんですね。

他には「質素」という花言葉もあり、色は薄ピンクや白花の種類もあります。

キランソウ「追憶の日々」

山で虫に刺された時に揉みつぶして塗ると、かゆみや痛みが治まるとされ、生薬として知られているキランソウ。

名前の由来は古語で「キ」が紫色、「ラン」が藍色を意味しているから、もしくは地を覆って咲く姿が金襴(きんらん)の織物の切れ端に似ていることから、とされています。

花言葉の由来は、低くひっそりと咲いて誰かに気付かれるのを待っているように見える様子からと言われており、「あなたを待っています」という花言葉も。

生薬で、死にまつわる要素はないのかと思いきや、別名は「ジゴクノカマノフタ(地獄の窯のふた)」と言うそう。

彼岸の頃に咲き、地面を覆って地獄の窯のふたが開かないようにすることから付いたといわれます。ネガティブなイメージではないですが、別名のインパクトがすごいですね。

スカビオサ「未亡人」

ヨーロッパでは皮膚病の疥癬(かいせん)を治すと信じられていたので、疥癬を意味するラテン語「scabies」から名前が付きました。

今は、ピンや白、藤色など秋らしい花色が増えていますが、元々の色は赤褐色。花言葉の「未亡人」は、赤褐色が喪服を連想させる衣装のようにシックなことが由来とされています。

また、ギリシャ神話では、ケンタウロスの娘で医師のフィチアが、患者として訪れた羊飼いに恋をするも、羊飼いは別の女性と結婚してしまい、悲しみのあまり死んでしまったフィチアを哀れに思った神が、彼女をスカビオサに変えたともいわれています。

死にまつわるエピソードや喪服のイメージがあるので、花言葉を添えて贈りたい時にはシチュエーションを選びそうな花です。

コルチカム「危険な美しさ」

春に葉が伸び、やがて葉のなくなった秋に花が咲く球根植物です。

花の名前はギリシャ神話に登場する女王メディアの生まれた町、コルキスにちなんだといわれています。

美しい花ですが、球根にはコルヒチンというアルカロイドが含まれているので、昔から痛風の痛みを止める特効薬として用いられてきました。

しかし副作用も激しく、一歩間違えると死を招く危険性もあることから素人が用いることは厳禁とされています。ワケあり美人のような花言葉はまさにそこから。

他にも、「悔いなき青春」という花言葉もあります。

シオン「追憶」

白や紫色の花を多数咲かせるシオンは、中秋の名月に供える習慣もある秋の花。『古今物語集』『源氏物語』『枕草子』などでも数々の歌に詠まれています。

花言葉は日本独特のもので、『古今物語集』では、父親の死後墓前に思いを忘れさせるといわれるカンゾウを植えた兄と、思いを忘れさせないといわれるシオンを植えて毎日墓参りした弟の話から来ています。

また、中国でも亡くなった人の魂を呼び戻す時に使われたとされ、「遠くの人を想う」の花言葉も生まれました。

■クワ「共に死のう」

クワの木、英名ではマルベリー(mullberry)と呼ばれ、開花後は実がなります。

花言葉の由来は、ギリシャ神話の中で駆け落ちを約束したピュラモスとティスベーの話から。

ある勘違いからピュラモスがクワの木の下で命を絶ってしまい、ティスベーも後を追いました。クワの木は彼らの死を忘れぬよう、赤い実をつけるといわれています。

駆け落ちからの後追い自殺とは、なんとも悲しい結末の伝説がもとになっているんですね。

タツナミソウ「私の命を捧げます」

花の形が浮世絵に描かれる波に似ていることから、「立浪草」という名前が付いたそうです。

1つの茎に咲く花が全て同じ方を向いている姿は一途さを連想させるため、この花言葉が付けられたといわれています。

使い方によっては重く、ちょっと怖い花言葉になりますね。

花言葉から花の歴史と背景を知る

今回紹介した花は、きれいでかわいらしい花も多く、「死」を連想させる花言葉があるからといって、贈ってはいけないわけではありません。

また、同時に前向きな花言葉を持ち合わせているものもあります。

もし誤解を与えたくなければ、花を渡す時に前向きな花言葉を伝える、もしくは一筆手紙を添えてみてはどうでしょう。

その上で歴史的背景や、どんな花なのか話をすると、会話も膨らむかもしれません。

(さかもとみき)

※画像はイメージです

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