医師が教える! むくみを解消する栄養素&食べ物

医師が教える! むくみを解消する栄養素&食べ物

医師が教える! むくみを解消する栄養素&食べ物

夕方になると足がパンパンにむくんでしまう……そんな風に悩んでいませんか? マッサージやストレッチなど、むくみを解消する方法にはさまざまありますが、今回はむくみを解消する食べ物について循環器内科医・田嶋美裕先生の解説を元に紹介します。

■むくみの正体&原因

まずはじめに、むくみの正体と原因について探っていきましょう。田嶋先生に教えてもらいました。

◇むくみの正体

「夕方になると靴がきつくなる」「靴下の跡がついてはずかしい」……など、「むくみ」に悩まされる女性は多いでしょう。むくみの正体は、細胞の間に溜まった「余分な水分や老廃物」です。

◇むくみの原因

☆血液の循環不良やリンパの停滞

血液やリンパ液の循環が悪くなると、血管やリンパ管の中に水分がたまり「むくみ」として現れます。立ち仕事やデスクワークの人が夕方になると足がむくむのは、同じ姿勢をとり続けることで血液循環が悪くなり、重力の関係で体の一番低いところに水分がたまるためです。

☆運動不足

筋肉は、収縮することで血液を押し出すポンプの役割を果たしています。そのため、運動不足により筋肉が衰えると、ポンプ機能が働かず、血液循環が悪くなって「むくみ」の原因となります。

☆偏食、アルコールの摂取

食生活の乱れも、むくみの原因となります。なぜなら栄養状態が悪いと、血液中のタンパク質濃度が低下し、浸透圧が下がるためです。これにより、血管の中に水分をひきつけておくことができず、水分が血管の外に漏れ出して「むくみ」になります。また、日々のアルコール摂取量も気をつけましょう。多飲を続けていると、栄養状態が悪くなったり、肝臓の働きが悪くなるために、むくみが起こる原因となります。

☆甲状腺機能の低下

もともと甲状腺に疾患のある方や、出産を終えたばかりで甲状腺の機能が一時的に低下している人もむくみやすいです。甲状腺機能の低下によりムコ多糖という物質が皮下にたまることで「むくみ」が起こります。

☆心臓病や肝臓病などの内臓疾患

心不全や腎不全、肝不全など、内臓疾患を患っている人もむくみやすい傾向にあります。この場合、手足や顔など外から見えるところに水分がたまるだけでなく、体内にも水がたまって(胸水や腹水など)命にかかわることもあるため、早めの治療が必要になります。

とくに腎臓病は、サイレントキラーと言われるほど初期症状を自覚しにくい病気です。「むくみやすくなった」「むくみがなかなか取れない」など、異常を感じたらすみやかに病院を受診しましょう。

心不全……心臓は体全体に血液を送り出すポンプの役割を果たしています。心臓の働きが悪くなると、静脈系に水分がたまりやすくなります。

腎不全……腎臓は体の中の余分な水分を尿として体の外へ排泄する役割を果たしています。腎臓の働きが悪くなると、尿が作れなくなり、体に余分な水分がたまってしまいます。

肝不全……肝臓は体に必要なタンパクを作る働きをしています。肝臓の働きが悪くなりこのタンパクが作れなくなると、血管の中に水分をひきつけておく力がなくなり、水分が血管の外に漏れ出すために、むくみが現れます。

■むくみを解消する栄養素と食べ物

「むくみ」の正体と原因について見てきましたが、一度むくんでしまった体はどうすれば早く元に戻せるのでしょうか。そこで次に、むくみを解消する食べ物について見ていきましょう。

◇むくみを解消する栄養素

むくみを解消したい場合、以下の栄養素が入った食べ物を摂取しましょう。

☆カリウム

カリウムはむくみ解消にもっとも効果のある栄養素です。なぜなら細胞内の浸透圧を一定に保ち、体内の水分量を調節する作用があるからです。カリウムの摂取が減ると、体が電解質のバランスを保とうとナトリウムの吸収が増え、体内に余分な水分がたまりやすくなります。

代表的な食べ物……生の野菜、果物、海藻

☆ポリフェノール

過剰に生成されると細胞を傷つけたり老化を促進する「フリーラジカル」という分子があります。ポリフェノールにはこの「フリーラジカル」を消失させる抗酸化作用があり、むくまないよう「臓器の働き」を維持します。

代表的なポリフェノールとして、カテキン(ワイン、茶に多い)、アントシアニン(ブドウ、ブルーベリーに多い)、タンニン(ワイン、茶に多い)、イソフラボン(大豆に多い)、クロロゲン酸(コーヒーに多い)、クルクミン(ウコンに多い)、クマリン(シナモン、柑橘類に多い)などが知られています。

代表的な食べ物……赤ワイン、ブルーベリー、大豆、茶、コーヒー

☆ビタミンB1

昔、食料不足の時代に多かった脚気(かっけ)という病気は、ビタミンB1の不足が原因となった病気ですが、ビタミンB1が不足するとむくみの原因にもなります。ビタミンB1は、炭水化物からエネルギーを産生するのに必要なビタミンです。不足すると、栄養状態が悪くなるうえ、心臓の働きを弱めてしまいます。

代表的な食べ物……米ぬか、豚肉、レバー、豆類

☆ビタミンB6

ビタミンB6が不足すると、赤血球を作る働きが低下し、貧血が起こります。貧血になると血管の中に水分をひきつけておく力がなくなり、水分が血管の外に漏れ出してしまいます。

代表的な食べ物……かつお・まぐろなどの魚類、レバー、バナナ

☆ビタミンE

ポリフェノール同様、ビタミンEにはフリーラジカルを消失させる抗酸化作用があります。これにより、体のさまざまな臓器の働きが維持され、むくみの改善につながる可能性があります。

代表的な食べ物……いくら・たらこなどの魚卵、卵、海藻、豆類

■むくみにくい体を作る方法

ここまで、むくんだときに食べたい、「むくみを解消する食べ物」について紹介してきましたが、できれば「むくまない体」を手に入れたいですよね。そこで最後に、むくみにくい体を作る方法について紹介します。田嶋先生によるとポイントは塩分摂取を控え、運動することだとか。詳しくみていきましょう。

◇タンパク質やビタミンを摂取する

偏りのない食生活をし、タンパク質やビタミンなどの栄養をしっかり摂取しましょう。バランスのとれた食生活をすることで、血管の中のタンパク質濃度を正常に保ち、むくみにくい体質となります。炭水化物(主食)、タンパク質(肉類・魚類・卵・乳製品)、ビタミンや食物繊維(野菜・果物など)をバランスよく食べるように心がけましょう。

◇塩分の摂取を控える

体のバランスを保つため、私たちの体液における塩分濃度は決まっています。しかし過剰に塩分を摂取すると、体液の濃度を薄めようと喉が渇いて水分を取り入れようとします。余分に摂取された水分は毛細血管から染みだし「むくみ」となります。

そのため塩分の摂取を控えましょう。加工食品を食べるときは、成分表示の食塩含有量を確認し、1日合計8g以下の塩分の摂取量を目安にしましょう。また料理をする際にも、食塩やしょうゆなどの調味料の使用を控え、無添加だしや酢など塩分の入っていない調味料で味付けするように心がけましょう。

◇適度に運動をする

長時間同じ姿勢をとることを控え、適度に運動をしましょう。これにより体全体の血流が改善し、むくみにくくなります。また運動によって筋肉が鍛えられると、血液のポンプ機能も働きやすくなるため、よりむくみにくくなります。ストレッチ、ジョギング、ウォーキングなどの軽い運動でもかまいませんので、1日30分以上、毎日続けることが効果的です。立ち仕事あるいはデスクワークが多い人は、スクワットなどを適宜行うとよいでしょう。

■まとめ

むくみを解消する栄養素や食べ物について紹介してきました。いかがでしたか? ダイエットにはバランスのとれた食生活が欠かせませんが、むくみにも効果的だったなんて驚きでしたね。むくみにくい体を作るため、食生活に気をつけながら、適度な運動も心がけましょう。

(監修:田嶋美裕)

※画像はイメージです

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