デビュー約20年、妻夫木聡「映画やドラマの制作に携わりたい」

デビュー約20年、妻夫木聡「映画やドラマの制作に携わりたい」

人生を楽しむコツや仕事への関わり方の変化などを語った俳優の妻夫木聡 撮影/RYUGO SAITO (C)oricon ME inc.

 映画『ウォーターボーイズ』で人気役者となり、その後もNHK大河ドラマ『天地人』では主演の直江兼続役、昨年の映画『ミュージアム』では連続猟奇殺人犯のカエル男など、硬軟の振れ幅の大きい役柄を演じ、存在感を発揮する妻夫木聡。9月16日(土)公開の映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』ではラブコメに挑戦する。自身を「民生ボーイ」と称する妻夫木が、作品の見どころや仕事を楽しむコツを語ってくれた。


■本当に“男に生まれて良かった”と思える作品になった

 今作は渋谷直角作による原作コミックを、『モテキ』を手掛けた大根仁監督が実写化。妻夫木が演じるのは、自然体で芯のある自分を持つ奥田民生のような男を目指す、雑誌編集者のコーロキ。仕事に日々奮闘する中で出会ったファッションブランドのプレス・天海あかり(水原希子)に一目惚れをし、自由奔放なあかりに振り回され狂わされていく。うだつは上がらないがどこか憎めないコーロキを演じた妻夫木に、本作の見どころを語ってもらった。

 「この映画は、妄想の塊みたいな話だと思います(笑)。男性なら誰もが一度は抱く(!?)“女性に手のひらで転がされたい!”という願望が作品となっているので、男性は転がされているような感覚を、女子の方は転がしている感覚をぜひ楽しんでほしいと思います。すごくエキサイティングなシーンなども多いので、演じていてとても楽しかったです。コーロキはかっこよくも男らしくもなくて、すごく女々しいんです。でも、あの女々しさも男の人生を物語っている気がして。バカで一生懸命で、本当に僕は男に生まれて良かったと思いました。女性の方も、そんなコーロキの姿を見て“男って面白いな”と感じてもらえたら嬉しいです。わかりやすいエンターテイメントとして楽しんでもらえる作品になったと思います」


■映画やドラマの制作側に携わりたい

 俳優を始めた当初は「何も出来なかった」という妻夫木。デビューから20年目、働き盛りの一人の男として、仕事への向き合い方が変わってきているのだろうか。

 「これまでは、俳優の仕事は“待ち”の部分も多かったのですが、今は自分の気持ちに正直でいること、自分の足で一歩踏み出すことも大切だと思っています。今回の作品出演のきっかけは、もともと僕が“渋谷直角さんの漫画が面白い”という発言をしていたのを、ご本人が何かで目にして、献本をしてくれたことです。“これ、映像化したいな”って事務所の人と話していたところから話が広がって、大根監督も乗ってくれて、映画化することになりました。そういうちょっとしたことで物事が動き出することもありますよね。今後挑戦していきたいことは、もう少し映画やドラマの制作側の方に立って一緒に企画を作り上げていくことですね。脚本を書く、演出をするという大掛かりなことではなく、小さなことでもいいと思うんです」
 

■楽しみながらやれることこそ、花開く

 「努力しようと思って頑張ったことって、意外と実にならなかったりするんですよね。当たり前にやっていること、出来ることじゃないと結局花開かないし、続かない。「俺頑張った!」って必死でアピールしてくる人って、本当はそんなに出来ていなかったりするじゃないですか(笑)。人間、好きなことを、意識しないで楽しみながら当たり前にやっている時は身になるし、そうでないと“モノ”に出来ないですよね。そういう意味で、大変なことがあっても常に好きだと思っえる俳優の仕事は向いていると思います」

 そんな俳優という仕事の魅力について聞くと「出会いがあること」だと言う。

 「仕事も恋愛も似ていると思うんです。どこが好きなのかと聞かれても、“ここ!”と言うのは難しくないですか? たまたま出会っちゃって、そして大好きになったって言う事実しかなくて。ひょんなことから、出会いって生まれると思うんですよね。僕自身、1997年にアーケードゲームのオーディションイベントでグランプリを獲ったことで俳優になったわけだし。ひょんなことから大きく人生が変わることがあるので、人生は本当に面白いですよね」


■子供心を忘れない男でいたい

 続けて、妻夫木聡流の“人生を楽しむコツ”を語ってくれた。

 「自分の家族や仕事で関わった人に、思いやりの心と尊敬の気持ちを持って接するようにはしています。あと、出かけてみることは結構大切にしているかもしれないですね。周りに目を向けてみることって、生きていく上で大切だと思います。街を歩く時も周りに目を向けてみるだけで面白いことって見つかるんですよね。例えば、いつも車で通るところを自分の足で歩いてみると、“こんなところにこんなお店があったんだ”とか、“この店結構混んでるなぁ”とか。そういう時に見えるのは、いつもの視点では見えない違った景色ですよね。ちょっとしたことで、人生って結構楽しめると思います」

 「同世代への人のエールは…どんどん遊びましょう!ってことです。仕事でもプライベートでも、どこか遊び心を持つことって絶対大切で。突拍子もないところから意外なものが生まれたりする。遊び心は“子供心”に近いと思うんですが、僕が魅力的だなと思う人は、みんな子供心を忘れていない。いくつになっても“大人ってなんだろうね”、“どうやったら大人になれるんだろうね”みたいに真面目に言えちゃう感じが、すごく良くて。だから、カッコつけて大人にならず、恥ずかしさも忘れて子供でいて、遊んでほしいと思います」

 妻夫木が主演の映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』は、9月16日(土)から公開。

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