古いビートルやフェラーリがEVになってよみがえる「コンバートEV」とは?

古いビートルやフェラーリがEVになってよみがえる「コンバートEV」とは?

今回試乗したビートルは、1977年式のドイツ製をベースに製作されたもの。モーターは最大出力時で100kW(136PS)を発生する。ビートルのコンプリートカーは300万円弱から入手可能だ


今回試乗したビートルは、1977年式のドイツ製をベースに製作されたもの。モーターは最大出力時で100kW(136PS)を発生する。ビートルのコンプリートカーは300万円弱から入手可能だ

今年の5月に行なわれ、世界的に注目を集めた英国王室のヘンリー王子とメーガン妃のロイヤルウエディング。ここでふたりが乗っていたブライダルカーこそが、ジャガーが公認で製造した世界に1台のコンバートEV「E−TYPE ZERO」である。いったい、どんな車なのか?

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「コンバートEV」は、ウン十年も前に造られたクルマの内燃機関をソックリ電動化してしまうという超画期的な"蘇生術"である。

日本とアメリカを往来しながらクルマ趣味のトレンドを発信する、カリフォルニア州在住のYouTuber、スティーブ・フェルドマン氏が解説する。

「アメリカでは10年ほど前から、古いクルマのエンジンやミッション、ブレーキなどを最新鋭のものと入れ換えて仕上げる『レストモッド(レストア=修復+モディファイ=改造からなる造語)という改造ジャンルが確立されています。EVへのコンバート(=変換)もその一例ですね。

古いままだと、オリジナル部品の入手に困ることや渋滞や暑さによるオーバーヒートなどの故障リスクがつきまといますが、レストモッドのクルマならそういった心配もなくなり、快適になる。よくある例は、古いフォードやダットサンに、現行のV8エンジンを載せる方法です。

これをEVでやると音や振動がほぼなくなるので好みは分かれますが、最近では古いポルシェやVW(フォルクスワーゲン)ビートルなどをEVにコンバートする人も徐々に増えてきていますよ」

このカスタムの文化が日本にも伝わってきたというわけだ。アメリカでは、自宅のガレージを使って自主製作する人が多いというが、日本ではお店に依頼するほうが一般的。そこで、国内にあるコンバートEVを専門に扱うショップへ行ってみた!

中古車販売店やカー専門ショップが数多くある、横浜市都筑区。その一角にある「オズコーポレーション」は、まだ日本では数少ないコンバートEVの製作・販売を手がける専門店だ。

普通車が10台ほど止められる店の敷地内には、ビートルやスバル360など、戦後のモータリゼーションを支えた名車が、EVになるため入庫中! 代表の古川治氏に話を聞いた。

―作業中のクルマを見て、想像以上に違和感がなくスタイリッシュな姿に驚きました。

古川 バッテリーやモーターの見え方はかなり意識して造っていますね。例えば、ビートルのようなリアエンジンのクルマの場合は、あえて充電口をリアフード内に設けることで、充電時に中が見えるように工夫しています。やっぱりEVにするからには、この充電中のたたずまいを大切にしたいんです。

ほかにも、冷却ファンを青や緑のLEDで光らせたり、緑色の冷却水(=クーラント)を透明の容器に入れるなどのドレスアップで見せ方にこだわっています。

―未来感があってワクワクしますね。これまで、ビートル以外にはどんな車種を?

古川 国産だと60年代のダットサン フェアレディやスバル360、80年代のホンダ・シティ カブリオレやユーノス・ロードスターなどをやりましたね。欧州車はMGBやミニといったビンテージカーの入門的な車種から、BMWのイセッタ、メッサーシュミットKR200などの変わり種までさまざまです。

あと、数年前にはアメリカでフェラーリ308GTSの製作を手伝ったこともありました。現地のオークションに出品したら、同型のエンジン車より高い8万ドル超の値がついたんですよ(笑)。

■『週刊プレイボーイ』29号(7月2日発売)『「コンバートEV」に乗ってみた!!』より

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