市川紗椰が惜しむ新潟の建築遺産「レインボータワー」

市川紗椰が惜しむ新潟の建築遺産「レインボータワー」

新潟の「レインボータワー」は、かつて、中央にある輪っかのような展望台が上下していたそうです

『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」――。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回は、レトロ建築好きの彼女が、新潟のレトロスポットを紹介してくれた。

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ここ最近、ニュー新橋ビルや手柄山展望台といった、高度経済成長期の建物を紹介してきました。耐震性などの問題から、いずれも改修や営業停止を避けられない建築遺産ですが、同じように高度経済成長期に建てられながらもうすぐ姿を消す建物を見に行ってきました。

それが、新潟市内に立つ「レインボータワー」です。1973年に開業した展望施設で、名前のとおり7色に塗り分けられたカラーリングが、どこかキッチュな昭和感を醸し出す建物です。

東日本大震災の影響で営業が休止されたんですが、往時の展望台はとても珍しい構造だったようです。なんと、展望台ごと回転しながら、タワーの頂上から地上近くまでゆっくり上下するという仕組みだったんです。私は遠くからしか建物を見たことがなかったんですが、一度だけでも乗ってみたかったですね。

そのレインボータワーも、今年の8月に解体されることが決定しました。発表されたのは5月だったので急な印象を受けましたが、新潟での用事ついでに最後の姿を見てきました。東京タワーやスカイツリーのような脚がなく、棒みたいに見える建物なんですが、近くで見てもまだ現役感があったのが印象的でした。

そして市内でもうひとつ、70年代に生まれた場所に行ってきました。それが「西堀ローサ」という地下街です。

日本海側随一の規模の地下街で、開業当時からバブル期までは最先端のファッションスポットとしてにぎわっていたそうです。内装もおしゃれなタイルが張りめぐらされていて、ものすごくゴージャス感があるんですよ。

今は残念ながらシャッター街っぽくなっているんですが......。地下街の奥のほうに、いい感じのユーズドショップが何軒かあるのを発見しました。ブラウン管のテレビやポータブルプレイヤーといったレトロ家電を扱うお店や、中古レコード店、それに中古衣料のお店もあります。

「どうしてこんなにユーズドの店ばっかり集まっているんだろう」と不思議に思ったんですが、よくよく確認すると、すべて「キングコング」というお店だったんです。

ここがほんとに面白くて、古いVHSテープを掘っているうちに、松浦亜弥の『GOOD BYE 夏男』という曲のシングルビデオなども発見しました。シングルビデオとは、PVを収録したVHSで、モーニング娘。なんかもよく出していたものです。

私は今でもカラオケのPV付き映像でこの曲を歌っているので、懐メロという気もしないんですが(笑)、珍しいので買って帰りました。

あとは、なぜか『月刊相撲』のバックナンバーが大量に入っている中古の棚も......。雑誌自体は一冊100円で売られているんですが、"全部で2000円"という値がつけられていました。

たぶん棚ごと買ってほしいということだと思うんですよね(笑)。全部買おうか迷いつつも、武蔵丸や武双山を特集した号を数冊だけ買いました。

もしあと数軒、こういうお店が入ったら、全国的な"ユーズドの聖地"になれるような気もします。誰にも頼まれてないけど、勝手に西堀ローサの"町おこしプラン"として考えてみました。

●市川紗椰(いちかわ・さや)
1987年2月14日生まれ。アメリカ人と日本人のハーフで、4歳から14歳までアメリカで育つ。現在、モデルとして活動するほか、J‐WAVE『TRUME TIME AND TIDE』(毎週土曜21:00〜)、MBSラジオ『市川紗椰のKYOTO NOTE』(毎週日曜17:10〜)などにレギュラー出演中。NEXT21のコッペパン屋さんにあったSDガンダムだらけのショーケースも気になる

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