ハッチバックスタイルが12年ぶりに復活! 月販目標の4倍を受注した「カローラ スポーツ」の魅力は?

ハッチバックスタイルが12年ぶりに復活! 月販目標の4倍を受注した「カローラ スポーツ」の魅力は?

12代目として登場したトヨタ カローラ スポーツG

1966年の登場以来、トヨタの主力モデルとして、150以上の国と地域で4600万台以上も販売されてきた「カローラ」。日本の道路で走らせやすい小柄なサイズながら優れたスペースを備えたモデルとして幅広く支持されてきたが、世代を追うごとにユーザーの平均年齢が上昇。

その数字たるや、セダンのカローラ アクシオで約70歳。ワゴンスタイルのカローラ フィールダーでさえ、約60歳......もはや将来はないかと思われたが、2018年6月下旬、ついに12代目カローラが登場。

"新世代ベーシック"のうたい文句と共にガラリとコンセプトを変えて生まれ変わり、発売1ヵ月で月販目標の4倍となる9200台を受注した。

今回登場したカローラは、スタイリッシュな外観のカローラ スポーツで、ボディサイズは全幅が1790mmの3ナンバー車。日本では「オーリス」の名が消えて、カローラ スポーツが事実上の後継車となった。要するにカローラシリーズにハッチバックスタイルのモデルが12年ぶりに復活したわけである。

開発のポイントは人とクルマをつなげる「コネクティッド化」と「クルマ本来の楽しさ」。また、カローラ スポーツはトヨタの新世代のプラットフォーム「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」が採用された第3弾のモデルとなる。

絞り込んだキャビン、ワイドに構えたスタンス、薄型のヘッドランプを車幅いっぱいに広げた表情には低重心感と精悍(せいかん)さがある。樹脂製のバックドアは大胆なまでに彫りの深い個性的な造形を生み出した。

インテリアは、ヒーターコントロールユニットの小型化でダッシュパネルの薄型化に成功した。広々としたダッシュボードは開放感を与え、洗練されたデザインに仕上げられているのもポイント。ナビやエアコンのスイッチはインパネ中央にスッキリと配置され、ダイヤルのクリック感、メッキ加工されたスイッチは指当たりが滑らかだったりと、質感にもこだわっている。

内装は4種類のテーマが用意されているが、インパネにはレザー調のソフトパッドにステッチまであしらわれている。シートの着座位置は低めだが、後席は大人が十分に座れるだけの居住スペースを確保。スポーツシートは背もたれがたっぷりとられており、腰回りにフィットして上体をしっかり支える。ファブリックシートの出来映えは国産車でトップクラスと言いたくなるほど体の収まりがいい。

パワーユニットは2種類で、1.8リットルエンジン+モーターのハイブリッド仕様と1.2リットル直噴ターボを設定。最上級仕様の「HYBRID G"Z"」で走りだすと、18インチの足回りは荒れた路面でタイヤ表面にコロコロとした感触があるものの、ハンドルにブルブルした振動を伝えたり、路面の入力に負けて跳ね返されるようなことがない。

カーブやうねりを乗り越えるときは目線がブレず、フラットライドな走りを披露する。ガッチリ作り込まれたボディ、しなやかな足回りは快適な移動を叶えてくれると同時に、ドライバーは走る楽しさに夢中にさせられていることに気づくだろう。

アクセルを踏み込むと、モーターがアシストするが、エンジンプラスアルファのトルクでスムーズに車体を前に押し出す大人っぽい加速感を披露する。アクセルのオン・オフに従って車速が連動するので、ドライバーの気分についてくる感覚も気持ちがいい。モーターのみで走るときは高級車並みの静けさに驚かされた。

一方で、1.2リットル直噴ターボの「G」はストレスなく伸びていく加速感が爽快! CVTにもかかわらず、アクセルを踏み込むとエンジン回転を高めながら思い描いた車速にレスポンスよく持ち込める。

16インチの足回りはギャップを乗り越えた後の縦揺れの収まりが悪いが、クルマの動きそのものは素直に感じられた。実際に購入する場合、レスポンス重視なら1.2リットルターボだが、18インチの仕様も試してみて、好みのタイプを選ぶほうがいい。快適性や操縦性のバランスではHVも魅力的。

そして、コネクティッド化は新感覚でクルマと向き合う楽しみにつながっていく。車載通信機を標準搭載し、T−Connectサービスを3年間無料で提供。オペレーターとの通話、ネットを介してドライブに有益な情報を得ることで、カーライフの安全・安心をサポートする。さらに、スマホのLINEアプリでナビの目的地を車外で設定でき、クルマとの向き合い方が手軽で楽しいものに変わりそう。

●藤島知子(ふじしま・ともこ)
1975年生まれ、神奈川県出身。文教大学女子短期大学部英語英文科卒業。01年にスーパー耐久のレースクイーンを経験。その翌年からレーサーに転身。国際C級ライセンスを持つ。テレビ神奈川『クルマでいこう!』にレギュラー出演中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

撮影/本田雄士

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