並のスポーツカーでは太刀打ちできない! AMGが放つ快速モンスターSUV「メルセデスAMG GLC63S 4MATIC+」

並のスポーツカーでは太刀打ちできない! AMGが放つ快速モンスターSUV「メルセデスAMG GLC63S 4MATIC+」

AMGが手がけたモンスターマシン、メルセデス AMG GLC63S 4MATIC+

こんなSUVがあっていいのか!と思わず問いただしたくなるのが、今年1月に登場したメルセデスAMG GLC63S 4MATIC+というモデルだ。

このクルマは、メルセデス・ベンツのSUV「GLC」をベースに、AMGが手がけたモンスターマシンである。しかもこのGLCというのは河口まなぶが普段愛車として乗っているクルマなのだ。

僕のGLCは2.2リットルのディーゼルを搭載している220dというモデルだが、それに比べるとこの63S 4MATIC+は価格的には2倍以上となる1433万円とお高いモデルでもある。なぜにそれほど高額か? 理由はAMGモデルだからだが、搭載エンジンがマジでスゴい!

この63S 4MATIC+には、4リットルのV8ツインターボエンジンが搭載されており、最高出力はなんと510馬力! 最大トルクは実に71.4kgmと、スポーツカー真っ青の性能を発揮するのだ。それだけに63S 4MATIC+はSUVながら、100キロの到達タイムはなんと3.8秒という快速すぎる一台になっている!

まずはエクステリアから見ていこう。フロントグリルはノーマルのGLCと異なり、縦のラインが入ったものとなる。これはパナメリカーナグリルと呼ばれるもので、この63S 4MATIC+以外ではAMGの最高峰スポーツであるAMG GTが採用するのみ。そう考えるといかにこのGLC63S 4MATIC+が特別なクルマなのかがわかるはずだ。

さらに車高は低くなっている上に、タイヤは21インチサイズが与えられている。そして赤いブレーキキャリパーが備わっており、いかにも強烈なブレーキングをしてくれそうな雰囲気だ。

さらにリアのルーフにはスポイラーが与えられているほか、リアバンパー下には左右に2本出しのマフラーが与えられ、その間にはディフューザーまで備わっている。そしてリアから見ると、明らかにノーマルよりも踏ん張った感じになっている。

ドアを開けて室内を見てみると、基本的な造形はノーマルのGLCと同じだが、レザーとウッドパネルを多用した仕立てになっており、ステアリングも専用。シートはスポーティなナッパレザーのバケットタイプが与えられている。

さて、エンジンスターターボタンを押して始動すると、「バオン!」と周囲の空気を震わせるサウンドでエンジンが目覚める。これは早朝、深夜に始動するとかなり近所迷惑......というレベルだ。

走りだすと、湧き上がるトルクがほとばしるので、アクセルを少し開けているだけで余裕で走れてしまう。そしてそこからアクセルを踏み込むと......目の前が歪(ゆが)むっ!と思うくらいの加速となる。なので、これは高速道路の料金所からのダッシュなどで味わうべき。

それほどのパワーとトルクを発生するだけに、決して小さくもなく軽くもないこのクルマが、実に軽々と動くという不思議さである。

さらにワインディングを走ると、カーブからカーブまでの感覚が、いつもよりも短い。そう感じるほど鋭い加速だ。また少しアクセルを踏み込みすぎると、21インチという巨大なタイヤが歪みズリッと滑りそうになる。要はそれほどパワフルなわけだ。

しかも、このクルマには「AMGダイナミックセレクト」があり、コンフォート、スポーツ、レースモードが選べる。レースを選ぶとAMGの爆音をとどろかせ、ものすごい加速を味わわせてくれる。

こんな具合なので、ワインディングではSUVであることを忘れてしまうほど。というか、申し訳ないが並のスポーツカーでは、このSUVに太刀打ちできない。それにしてもAMGはなんてことをしてくれたんだ!

もともと圧倒的にパワフルなモデルを送り出すAMGではあるが、GLCのようなSUVでもこれほどの走りにしてしまってはスポーツカーの立場がない、と心配になってくる。

このようにスポーツカーがはだしで逃げ出す走りに仕上がっているのに、通常のGLCとなんら変わらぬ実用性を持っているのだ。荷室の容量は最大1600リットルである。僕は愛車GLCにロードバイクを積んで出かけたりするが、それとまったく同じ使い勝手なのである。

実用性が高いSUVなのに、スポーツカーを圧倒するすさまじい性能を持っているメルセデスAMG GLC63S 4MATIC+。

最初にその価格が1433万円もすることに驚いたけど、なるほど納得の内容でもある。

●河口まなぶ 
1970年生まれ、茨城県出身。日本大学藝術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌(モーターマガジン社)アルバイトを経て自動車ジャーナリスト。毎週金曜22時からYouTube LIVEにて司会を務める『LOVECARS!TV!』がオンエア中。02年から日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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