V6ツインターボエンジンで405馬力! 史上最強と評判の「スカイライン400R」に試乗

初代は1957年に発売。現行モデルは13代目だ。長い歴史を持つスカイラインだが、400Rは史上最強のエンジンを搭載

日本が誇るセダン・日産スカイラインが話題だ。54年の歴史を誇る人気モデルに、最強すぎるエンジンがブッ込まれているからだ。おなじみ、自動車ジャーナリストの小沢コージがガッツリ解説する。

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■野獣のような加速が味わえる!

日産 スカイライン400R 価格:562万5400円 登場:2020年9月(一部改良) 値引き目標額:20万円 リセールバリュー:Aランク 2019年7月の大改良で、スカイラインに追加された新グレード「400R」。今回の試乗車は昨年9月に改良を受けた最新モデルだ

――今回試乗したのは、昨年9月に一部改良を受けたスカイライン400Rです。ぶっちゃけ、どんなクルマなんスか?

小沢 2019年に大改良を受けたスカイラインの陰の主役がこの400Rよ! 当時は国産初となるハンズオフ機能付き「プロパイロット2.0」を搭載したハイブリッドモデルが注目を浴びていたが、クルマ好きが食いついていたのはハンズオフモデルと同時に追加されたこの400R!

――具体的にどこがクルマ好きの心を刺激したんスか?

日産のチューニングにより最高出力は405馬力。その加速はヤンチャにも程があるレベル!

小沢 デビュー時からとにかくヤバいオーラがビシバシ漂っていた。実は近年のスカイラインって、みんな上品で野蛮さが全然なかった。

ところが、この400Rは久々に日産が独自に開発したV6の3リットルツインターボを搭載! 歴代スカイライン最強となる405馬力を誇り、トルクも鬼の475Nm! 昭和のスカイラインが令和に復活した感じよ。

――なるほど。

小沢 つけ加えると、400Rというグレードは、日産のスーパーウェポンだったR33型GT−R(1995年デビュー)をベースに、日産のワークスチューナーであるNISMOが手を加えて作ったスペシャルモデルの名前なんだよ。限定数10台で当時の価格は1200万円だからね! 

――まさに日産の輝かしい歴史を背負って誕生した400Rですが、試乗した感想は?

小沢 刺激的だったし、まさに"羊の皮をかぶった狼"だったよ。ズバリ、コイツのキモはジキルとハイドだな!

海外では日産の高級ブランド「インフィニティ」から、Q50セダンとして販売中。ライバルは欧州の高級車勢だ

――ん、どういうこと?

小沢 表向きは超お上品な乗り味なんだよ。そもそもベースは現行V37型スカイライン。海外では日産の高級ブランドであるインフィニティで売っているわけだから、そりゃ乗り心地は上質よ。だから、外観の専用パーツも真っ赤なブレーキキャリパーと、400Rのエンブレムぐらい。

インテリアもこれ見よがしなフルバケットシートはないけど、代わりに上品なソフト素材に覆われたインパネと白い本革シートが出迎えてくれる。

400Rのバッジと、スカイライン伝統の丸形2連テールライトが男心をたぎらせてくれる

――高級車の顔が強いと。

小沢 うん。ところが、ひとたびドライブモードを「スポーツ」や「スポーツプラス」に入れてアクセルを踏むと、その加速はマジで超強烈! ステアリングとアクセルのレスポンスが良くなったのもあるが、エンジン回転は常時高回転をキープするから、マジで刺激的よ。

――モードの選択でキャラが激変するわけスね?

小沢 そのとおり! 400Rには"ビーストモード"の顔がある。ただ、「スタンダード」に入れて走ると長距離は超スムーズで極楽。400Rは100分の1秒単位で減衰力を制御するインテリジェントダイナミックサスペンションが標準装備だから、道がうねっていてもフラットに走れる。

赤く塗られた専用ブレーキは、アルミキャリパー対向ピストンブレーキなどで強化されている

――ハンドリングもいい?

小沢 そう! スカイライン自慢のステアバイワイヤー、つまり完全電子制御のダイレクトアダプティブステアリングも装備するから、ハンドルのシャープさもハンパない。

ステアリングを切ったときのノーズの遅れはまったくなく、まさに路面をタイヤというナイフで切り裂いているような感じ。超気持ちいいし、走り味も濃厚なので長距離を楽しく走れるってわけ。

――ズバリ、400Rは買い?

小沢 世界的に電動化が進む今、この手の過激なセダンはもう出ないと思うし、スカイラインに憧れた人は買い! リセールも高いしねぇ......。

年内デビューの声もある新型フェアレディZ。400Rのエンジンを徹底チューンして搭載というウワサも......

――微妙に歯切れ悪いスね?

小沢 いや、実は年内発売がウワサされる新型フェアレディZに400RのV6ツインターボが搭載されるんじゃないかって話があるんだよ。日産のことだから、当然、エンジンにきっちり手を入れて仕上げてくるはず。よりスポーティなクルマを求めるなら、新型フェアレディZ待ち!

●小沢コージ 
自動車ジャーナリスト。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのCARグルメ』(毎週土曜17時50分〜)。YouTubeチャンネル『KozziTV』。著書に共著『最高の顧客が集まるブランド戦略』(幻冬舎)など。日本&世界カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

撮影/本田雄士

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