FF最速を争うライバル車よりマイルド? ルノーのホットハッチ・メガーヌの高性能モデル、新型「R.S.」が日本上陸!

FF最速を争うライバル車よりマイルド? ルノーのホットハッチ・メガーヌの高性能モデル、新型「R.S.」が日本上陸!

独フランクフルトモーターショーで世界初公開されたルノー・メガーヌ R.S.

世界で最も過酷なコース、ドイツにあるニュルブルクリンク北コースでは、市販車のタイムアタック合戦が活発だ。

そんなタイムアタック合戦の市販車FF最速の称号を持っているのは、わが日本のホンダ・シビックタイプR。だが、そもそもこの戦いが始まったのは、ルノーのメガーヌR.S.という超高性能ホットモデルがあったからだ。

今回紹介する新型は昨年9月の独フランクフルトモーターショーで世界初公開。そして今年8月30日に日本で発売となった。

もともとメガーヌは欧州Cセグメントに属するFFの大衆ハッチバック。シビックも同じクラスだが、ここはVW(フォルクスワーゲン)ゴルフが君臨している場所でもある。そしてVWゴルフGTIがあることからもわかるように、このクラスのクルマの頂点に置かれるグレードはスポーツモデルだ。

ということで、メガーヌR.S.はメガーヌの頂点に位置するスポーツモデルだ。R.S.とは「RENAULT SPORT(ルノー・スポール)」の略である。そう、ルノーのモータースポーツをつかさどり、F1なども手がける部門のこと。ここがメガーヌを磨き、がっつり手を入れた、というわけだ。

しかし、である。メガーヌR.S.で驚かされたのは、先代のメガーヌR.S.まではシビックタイプRと共に2リットルターボFF対決となっていたのに、今回ナント1.8リットルターボを搭載してきたこと。どうやらこれまで2世代で使われてきた2リットルの噴射ターボは役目を終えたようだ。

この新型の1.8リットルエンジンは、最高出力279馬力を発生する。ライバルであるシビック タイプRが最高出力320馬力なのに大丈夫なのか? しかもトランスミッションは今回からデュアルクラッチ式の電子制御6速ATである6EDCを組み合わせたのだ。ちなみにシビックはMT......。おいおい大丈夫か?

先代は3ドアだったが、新型のボディタイプは5ドアのみとなっている。そんな新型のインテリアをのぞき込むと、R.S.と刺繍(ししゅう)されたスポーツシートが装備される。表革はスエード調素材のアルカンタラが用いられている。黒で統一された内装色と赤いアクセントが目を引き、装備もアルカミスのオーディオを備え、充実している。

ちなみに今回のR.S.の売りは、4コントロールシステムと呼ばれる4輪操舵技術を採用。これによってスポーツドライビングにも日常の走行にも新鮮な感覚と安心感を与えるという。さらに4HCC(4輪ハイドロリック・コンプレッション・コントロール)は、ダンパー底部にもうひとつのセカンダリーダンパーを内蔵していて、タイヤと路面間の接地状態を最適に保って高いロードホールディングを実現する。

そんなハイテクがたっぷり詰まったメガーヌR.S.だが、これが意外に大人っぽい感覚の走りで一瞬拍子抜けしたほど。

確かにスポーティな味つけになっているのは感じるけれど、走りだしてからもスピードが乗ってからも、19インチの大径タイヤを装着しているとは思えない乗り心地なのだ。もちろんノーマルに比べればはるかに硬さはあるけど。

エンジンも低回転から力強く、少しアクセルを開けただけでも十分以上に強めの加速感が生まれる。しかも2ペダルだから、イージードライブでそれが味わえる。もちろん、真骨頂はR.S.ボタンを押してからだ。ダッシュボードにあるこのボタンを押すと、R.S.は生まれ変わる。エンジンサウンドは大きく響き、反応も鋭くなる。

さらにサスペンションやハンドルの設定が変わる上に、車両制御安定装置も解除される。ローンチコントロールも備わっていて、ブレーキを踏んだままアクセルを全開にするとエンジン回転が3000回転にキープされる。そしてここからブレーキペダルを離すと、レーシングスタートも可能だ!

ワインディングを走れば4コントロールが利いているので、ハンドルを切ると、カーブの内側に吸いつくように曲がっていく不思議な感覚すらある。やっぱりR.S.だけあって、走りのレベルは高いし、その気持ち良さは格別であった。

一方で、これではFF最速バトルでしのぎを削るシビック タイプRには勝てないんじゃないか、と思ったのも事実。ところが、である。実はこの後、R.S.をさらに磨き上げたモデルが控えているというウワサもあり......。

なるほど、R.S.がマイルドなのはそういうことだったのか。いやぁ、今後が楽しみだ!

●河口まなぶ 
1970年生まれ、茨城県出身。日本大学藝術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌(モーターマガジン社)アルバイトを経て自動車ジャーナリスト。毎週金曜22時からYouTube LIVEにて司会を務める『LOVECARS!TV!』がオンエア中。02年から日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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