BMWのSAC「X4」がフルモデルチェンジ。直列6気筒直噴ターボエンジンのM40iを試乗!

BMWのSAC「X4」がフルモデルチェンジ。直列6気筒直噴ターボエンジンのM40iを試乗!

3リットル直列6気筒直噴ターボを搭載したBMW X4 M40i

BMWのSAV(BMWってSUVじゃなく、SAV=スポーツ・アクティビティ・ヴィークルって名づけているんです)シリーズは、この10年で一挙に増殖した。

今から18年前の2000年に最初のXシリーズであるX5が誕生。気がつけばX1、X2、X3、X4、X5、X6まで増え、そしてもう間もなくフラッグシップとなるX7が登場する予定だ。ちなみにBMWは奇数番号モデルをSAV、クーペスタイルの偶数番号モデルをSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)と呼ぶ。

そんなXシリーズのクーペ「X4」が新型へと生まれ変わり、今年9月6日から日本でも販売開始となった。これはベースとなるX3が昨年新型に生まれ変わったのを受けてのことだ。

初代X4が登場したのは2014年のこと。これは兄貴分であるX6が大ヒットしたことを受け、X3にも派生モデルとしてのSACが必要だとの判断で送り出され、これまたBMWの予想どおり大ヒット! 実に4年間で20万台超も売りまくったのだ。

それだけじゃない。今やXシリーズの世界累計は昨年までで560万台超を記録しており、まさにBMWのドル箱カーなのだ。それが理由だからだろうか、登場からわずか4年というBMWにしては短い時間でX4はフルモデルチェンジとなった。

先代モデルに比べると全長で80mm、全幅で40mmとひと回り大きくなり、一方で全高は5mm低くなったため、いっそうワイドな印象を与えるスタイリングとなった。

細かなところでは、ベースとなるX3同様にBMWのアイコンであるキドニーグリルが以前よりも大型化され、顔つきは押しの強いイメージとなっている。またリアはテールレンズを横基調のデザインとすることで、よりワイドな印象を与える演出に。

一方、インテリアでは基本的にX3と同様のドライバー重視のデザインを用いている。またクーペ的なスタイリングのため後席の居住性も気になるところだが、先代に比べてホイールベースが55mm拡大されたことを受け、後席の足元は30mm広くなった。

また荷室に関しても通常時で525リットルの容量が確保されており、分割可倒式シートをすべて倒すと1430リットルの容量が確保できる。スタイリッシュだが、実用性も高いレベルで実現されているわけだ。

そして今回試乗したのはM40i。搭載エンジンは3リットル直列6気筒直噴ターボ。M40iは装着タイヤが21インチと超大径が与えられており、迫力もさることながら、いかにも走りそうな印象をこちらに伝えてくる。実際、エンジンスタートボタンを押すと、「ブォン!」と周囲の空気を震わせる超強烈なサウンドとともに目覚める。

だが、いざ走りだすと......意外だったのは想像よりも快適性が高いこと。21インチサイズを履いたMパフォーマンスモデルだけに、かなりハードな乗り味なのだろうなと思って乗ったからだろう、やや拍子抜けの印象。

だが、もちろんソフトすぎることなど一切なく、ある程度ハリのある乗り心地を伝えてくる。快適だけどスポーティなテイストはしっかりと感じられる。エンジンはアクセル操作に対して実に反応よく気持ちよく回る。そしてサウンドも心地よく耳に響いてくる。正直、この状態で十分に満足だし、普段使いも存分にこなせる乗り味だから、実に絶妙な落としどころを極めたセッティングだなと。

ちなみに走行モードをスポーツに変えると、目の前の全面液晶のメーターが赤いレーシーな表示に変わり、その途端にエンジンがさらに元気よく気持ちいいサウンドを響かせてくれる。そしてサスペンションは固くなり、より踏ん張り感が増す。ハンドルも重みを増してダイレクトな感覚が伝わってくる。21インチタイヤを固くなったサスペンションで路面に押しつけるため、コーナリングもレベルの高いものになっている。

そのスゴさがどのくらいのものかというと、残念ながらそのへんのスポーツカーでは太刀打ちできない。1870kgの巨体SUVにもかかわらず、その動力性能と運動性能は圧倒的なものを作り上げており、実質的な速さや気持ちよさでもスポーツカーと同等のものを味わわせてくれるのだ。

というか、コイツがあればスポーツカーは必要ないんじゃない?と言い切ってしまえるほどの存在、それがこの新型X4なのである。セダンやステーションワゴンで絶賛されるBMWの走りの良さは健在なのだ!

●河口まなぶ 
1970年生まれ、茨城県出身。日本大学藝術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌(モーターマガジン社)アルバイトを経て自動車ジャーナリスト。毎週金曜22時からYouTube LIVEにて司会を務める『LOVECARS!TV!』がオンエア中。02年から日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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