飛行能力、透視能力、天気操作......。市川紗椰が副作用も含めて「特殊能力」を本気で考える

ヨーダの下でフォースを磨くのもアリ
『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回は、「特殊能力」について本気で考える。

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マンガやアメコミ、ファンタジー作品の定番要素のひとつ、特殊能力。子供の頃に「どの能力が欲しいか」を考えたことがある人は少なくないと思いますが、ここで一度、副作用を含めて、大人として全力で考えてみます。

まずはアメコミの定番、飛行能力。マントをなびかせ、重力に逆らいながら鳥のように自由に空を飛ぶのは気持ちよさそうだし、渋滞にもハマらなくて便利そう。困っている人のところに飛んでいったり、敵と戦ったりするのにも適していそうですが、実際は空気中のホコリを浴びまくり、風の冷たさにやられ、虫が口や目の中に入りまくる(潰(つぶ)れた虫を服から洗い流すためのクリーニング代もかさむ)。

フロントガラス代わりのフェイスシールドを着けたり、衣装の素材を替えれば少し軽減されますが、戦闘機のパイロットも悩まされるG−LOC(加速度誘発性意識消失)の問題がまだあります。

足方向に大きなGがかかり続けると、血液が下半身に集まり、やがて視界から色調が失われるグレーアウト→視界が失われるブラックアウト→意識を失うG−LOCに陥ります。そして気を失っている間に落下してしまいます。そもそも、ドローンでさえ飛行許可をもらうのが大変なので、飛べる場所が少ないですが(見つからない所まで高く飛んだら、寒いし酸素が薄すぎますし)。なので飛行能力はなしにします。

続いても定番、透視能力。エロ目的に使うつもりはなく、駅の改札で"人間手荷物検査機"になって、テロや事件を阻止する目的です(たまに自分へのご褒美で、クジ引きの景品で好きなものを引かせてください)。透視能力の代表はスーパーマンですが、彼の力はX線ビジョン。つまり金属と骨くらいしか見えず、クジの中身はおろか、銃やナイフ以外見つけられません。さらに、放射線で透視した相手も自分の目もダイレクトにやられてしまい、能力を取得して数日でがんです。

同じくアメコミの定番、天気操作。『X−MEN』のストームが嵐や雷、竜巻まで呼び起こして敵を攻撃する姿にはほれぼれします。しかし実際には、この能力は戦いに不向き。嵐を呼んでも、空気中の水分が雲になるまで何時間もかかるので、それまでは役立たずの私。

しかも、世界の気候はつながっているので、雨雲を強引に作ることによってどこかが干ばつになり、無関係な人々が飢饉(ききん)に見舞われる危険性があります。ロケや旅行には便利かもしれませんが、戦いの場以外ではせっかくの特殊能力が"晴れ女"で片づけられ、悔しい思いをしそう。

続いては、ケガしてもすぐに治る再生能力。『ジョジョの奇妙な冒険』のDIOや『X−MEN』のウルヴァリン、『ドラゴンボール』のピッコロ、『暗殺教室』の殺(ころ)せんせーなどなど、多くの人気キャラがこの能力を備えています。口内炎やささくれができやすい私は地味に憧れますが、これもよく考えたらきつい。銃で撃たれたら銃弾が体内に残ったまま皮膚が再生しちゃうし、手術で取り出そうとしてもメスを入れるたびにまた再生。

考えれば考えるほど、どの能力も一長一短があって、簡単には決められなさそう。次回に続く!

●市川紗椰(いちかわ・さや)
1987年2月14日生まれ。愛知県名古屋市出身、米デトロイト育ち。父はアメリカ人、母は日本人。モデルとして活動するほか、テレビやラジオにも出演。著書『鉄道について話した。』が好評発売中。心を読める能力者対策として、人混みでは必ず一度「私も仲間だから読むなよ」と心の中でハッタリをかます。公式Instagram【@sayaichikawa.official】

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