アウディのフラッグシップサルーン・A8が究極進化!"48Vのマイルドハイブリッド"を採用した60 TFSI クワトロに試乗!

アウディのフラッグシップサルーン・A8が究極進化!"48Vのマイルドハイブリッド"を採用した60 TFSI クワトロに試乗!

4代目へと進化したアウディA8 60 TFSI クワトロ

アウディのフラッグシップサルーンA8が4代目へと進化した。10月15日から日本でも販売開始となっている。この新型をひと言で表現するなら、「アウディらしさをさらに極めた一台」と言えるだろう。

アウディは"技術による先進"というコピーをスローガンにしているが、今回のA8はまさに技術を相当に詰め込んだ先進の一台だ。基本骨格は歴代のA8が使ってきたASF(アウディスペースフレーム)を引き継ぐ。ただし、今回はアルミだけでなく、マグネシウムやカーボンも採用したマルチマテリアルな構造となっている。

そしてこの骨格にかぶせるボディパネルは相変わらずの高精度さを発揮。まるで板をパキッと折ったようなキャラクターラインを入れている。実はコレ、相当に高い技術が必要なのだ。そしておなじみのパネルとパネルの隙間も相当狭められ、組みつけられている。まさに「精緻」。

もちろんデザインに関しても新世代へと移行。これまで以上にクリーンな雰囲気を漂わせている。結果、ライバル車にはない品の良さがクルマ全体から醸し出されている。A8はフラッグシップサルーンとしては珍しく、オラオラ系の押しの強さではなく、理知的だ。

アウディといえば、ランプ類も昔からかなり先進的だった。今回もオプションのアウディレーザーライトパッケージを装着したモデルは、フロントに最先端のレーザーライト、リアにこれまた最新のOLED(有機発光ダイオード)ライトが与えられており、点灯した状態はかなり未来的。もちろんウインカーをつければシーケンシャルタイプで、オレンジの光が流れるように動く。

インテリアは大型ディスプレイを2段に重ねたMMI(マルチメディアインターフェース)を採用した。スイッチ類を徹底的に排除し、スマホ的なタッチ式としたのが特徴だ。

また、上段のディスプレイから左右に美しいシルバーの縁取りがなされたブラックのパネルが左右に広がっており、ダッシュボード全体がディスプレイのようだ。超未来的な感覚が漂っており、高級サルーンなのにデザイン的に攻めている!と感じた。

今回試乗したのは、4リットルのV8ツインターボを搭載した60 TFSI クワトロ。今回のA8のトピックは、すべてのモデルで話題の"48Vのマイルドハイブリッド"を採用したこと。小さなモーターを備えており、エンジンの始動も再始動も静かで滑らか。走行中にアクセルオフすると「コースティング」といってエンジンが停止および始動時のアシストもしてくれるのだ。

エンジン自体の最高出力は460馬力でパワフルさは十分。実際、このA8は2t以上ある超重量級モデルなのだが、アクセルを軽く踏むだけで、ふんわり、そして軽々とその巨体を前へ前へと押し出す。それほどの力強さを発揮するエンジンとなっているが、そこは乱暴な感じや雑さは一切なく、滑らかなフィーリングを実現している。

乗り心地はエアサスペンションによって、柔らかな快適さを提供してくれる。しかしながらフワフワとはしておらず、衝撃をしっかり受け止めた後はピタリとボディの動きを止める。実に緻密に制御されたいかにも高級車!という感じだ。今回の試乗車はなんと20インチの巨大タイヤを装着していたのだが、大きさや重さは一切感じなかった。

また今回の試乗車は、オプションの4輪操舵システム「ダイナミックオールホイールステアリング」が備わり、こいつでリアタイヤを最大5度まで動かすので、最小回転半径は小型車に近い5.3mを実現。ハンドルを切ればボディの動きがとても機敏でひとクラス下のモデルを運転しているようだった。

ちなみにこのA8、ドイツ本国で発表されたときにはレベル3の自動運転を実現したことで話題を呼んだ。しかし、法規的にもハードウエア的にもまだ実現は難しいというアナウンスがあったが、今回、量産車として初めてレーザースキャナーを採用した。これを全車速追従型の「ACC(アダプティブクルーズコントロール)」に用いたことで、きめ細かな制御を行なえる。

レーザースキャナーは、広範囲にわたってのスキャンが可能で、追従を見失わないだけでなく、例えば路面の横断歩道のペイントの段差すら読み取る。急な割り込みなどに対しても、斜め前方位置から認識して減速。安全性がさらに向上した。

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●河口まなぶ 
1970年生まれ、茨城県出身。日本大学藝術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌(モーターマガジン社)アルバイトを経て自動車ジャーナリスト。毎週金曜22時からYouTube LIVEにて司会を務める『LOVECARS!TV!』がオンエア中。02年から日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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