2022年は寅年! 北海道・虎杖浜駅には何があるのか?

室蘭本線の虎杖浜駅(北海道白老町)

寅年がスタートした。日本全国には9000を越える駅があるが、寅(虎)という名前が付く駅は5つ。東京の虎ノ門(とらのもん)駅、岐阜の古虎渓(ここけい)駅、滋賀の虎姫(とらひめ)駅、そして北海道の幾寅(いくとら)駅と虎杖浜(こじょうはま)駅だ。虎ノ門は東京の中心だし、古虎渓は名古屋から30分の秘境駅として有名。虎姫は阪神タイガースゆかりの駅、そして幾寅は高倉健の映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地として知られるが、虎杖浜は何があるのだろう? せっかくなので行ってみた。

虎杖浜駅は新千歳空港から特急と各駅停車を乗り継いでおよそ1時間半、登別温泉の隣駅。平日の昼間、2両編成のディーゼルカーから降りたのは私と地元の人であろう女性ひとり。女性は迎えの車でいなくなり、すぐひとりぼっちになってしまった。無人駅だがちゃんと駅舎があり、待合室はきれいに管理されている。

テーブルには造花と無人駅ではおなじみの駅ノート。ノートには鉄オタの書き込みがたくさん
大きい駅なら観光案内所があり、小さい駅でもちょっとした町内観光マップが置かれていたりするが、ここは何もない。そして見どころを尋ねようにも人がいない。しょうがないのであてもなく歩き出す。駅を出ると学生が通学で使っているのだろう、駐輪場がある。そして反対側にはなんと太陽光発電所のソーラーパネル。駅前の一等地に作らなくてもと思うが、土地代が安いのだろう。ただ、空き地だらけというわけではなく、住宅がぽつぽつ。そして電気店や民宿があったりする。

駅前通りを眺めると、左手にはどーんとソーラーパネル
しばらく歩いて気がついた。マンホールに何か描かれている。......牛とカニと鮭だ! この町の名物が思わぬところで判明した。デザインマンホールばんざい! そして駅からまっすぐ歩くこと5分、海についた。だがテトラポットが置かれ、海へは入れない。行き止まりになってしまったので、今度は海沿いに歩くことにした。

その町を知るにはマンホールをチェックすべし?
道路沿いには水産加工会社がいくつもある。しばらく歩くと、たらこ専門店を発見したので入ってみた。聞けば、虎杖浜はたらこが有名で、冬の間しか作れない幻のたらこなのだそう。さっそく購入し、常温では持ち歩けないので東京の自宅まで送ってもらうことに。送料1500円。その金額があれば近所のスーパーで大量のたらこが買える気もするが、目をつぶろう。

専門店で購入したたらこ。ぷちぷちの食感は、普段買うものとまったく違う

せっかくだから、すぐにたらこを食べたい! さらに10分ほど歩くと土産物屋と一緒になった食堂を見つけた。芸能人のサインもたくさんあるし、味は間違いないだろう。注文するのはもちろんたらこ丼。たらこが5本に、タラの昆布締め、たらこ天ぷらに味噌汁がついて1600円。

10分ほどして着丼。さっそくたらこを口に。ぷるんとした舌触りに噛むと中でぷちぷちが弾ける。天ぷらは水分が飛ばされることでうまみ凝縮。これはおいしい! ご飯がすすむぞ。ガツガツ食べていたら、隣のテーブルではコロッケを食べている。白老牛のコロッケらしい。あっ、さっきマンホールで見た牛じゃん! それも注文せねば。ホクホクのいもに白老牛のひき肉が入って110円とお安い!

たらこがいっぱいのたらこ丼。今日は尿酸値を気にしない

お腹いっぱい、次はどこへ行こうか。実はここまで来る途中に温泉をチェックしていた。アヨロ温泉というらしい。ちょっとした健康ランドぐらいの大きさ、入浴料は450円とリーズナブル。昼間から地元のおじさんたちがくつろいでおり、いい感じだ。広めの浴槽に寝湯、ジェットバス、高温湯、露天風呂と設備が充実。個人的に最近は高温湯にハマっている。45度のお湯で身体をアツアツにして、氷点下の野外へダッシュ。整ったー−! そして冷えたら露天風呂につかる。大満足だ。よし帰ろう!

海沿いにあるアヨロ温泉。地元の人がひっきりなしに訪れる
歩いて駅まで戻る。海沿いの建物には昔の虎杖浜の写真がラッピングされている。かつては漁業でかなり賑わったらしい。ここに駅が作られたもの納得だ。もうすぐ駅という国道との交差点。ちょっと先を見ると、花の湯温泉と書かれた看板が。しかも24時間営業とある。すごく気になるので寄り道。

花の湯温泉。国道沿いにあり、車でのアクセスもしやすい
かなり年季の入った建物で受付には赤ちゃんの子育てをしている女性。540円を払って入る。ロビーはオーナーの趣味なのか、カメラや人形などの骨董品がずらり。温泉は浴槽がちょっと小さめだが、客がおらずひとり占め。泉質はトロっとした感じで気持ちいい。シャンプーとボディソープが備え付けられているのもうれしい。

人んち感が満載のロビー
身体が温まって2階の休憩室へ。カーペットが敷かれ、ソファーベット、そして街道沿いのラーメン屋のようなラインナップの大量の漫画。これは何時間でもいられるぞ! 壁の注意書きを読むと、夜9時〜朝6時までは追加で540円が必要とのこと。ということは、1080円払えば温泉入り放題で24時間いられる。ネカフェに泊まるならここへ来たほうがいいぞ!  

ゆったりくつろげる休憩室。食事もできる
あたりが暗くなってきたので駅へと戻る。そういえば虎に関するものをまったく見なかったな。寅年だし何かアピールすればいいのに。そう思いつつ、列車の待ち時間に虎杖浜の地名の由来をスマホで調べると、虎杖とはイタドリという植物のこと。虎と関係なかった! そういえば呪術廻戦の主人公が虎杖悠仁(いたどりゆうじ)だった。漫画好きなら「いたどりはま」って読むかもしれないな。何の情報も持たずに行った虎杖浜だったが、おいしいたらこに温泉と楽しい場所でした。

取材・文・撮影/関根弘康

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