デジタルアウターミラーを世界発装着。あのウィンダムの血を引く「レクサス ES」が日本初登場!

デジタルアウターミラーを世界発装着。あのウィンダムの血を引く「レクサス ES」が日本初登場!

10月24日に日本デビューとなり、話題となっているレクサスES(写真は300h バージョンL)

ついに未来がやって来た!と思える「デジタルアウターミラー」を世界初装着したことで話題となっているのが、レクサスの新型車「ES」だ。

デジタルアウターミラーの説明は後でゆっくりするとして、まずはESの説明から。実はこのモデル、レクサスというブランドの中ではフラッグシップのLS同様に、ブランド誕生当初から存在していたが、日本ではこれまで販売されてこなかった。正確にいえば、1991年にトヨタブランドから「ウィンダム」という名前で発売されていた。この名前を知っている人は、オジさんだわなぁ(笑)。

実は2005年のレクサス日本上陸時、「後輪駆動車しか売らない」という、今になって思えばよくわからない強いコダワリがあった。まぁ、メルセデス・ベンツやBMWに対抗するブランドだから、後輪駆動のサルーンを中心に!って考え方だったと思う。

そんなコダワリから、北米では1989年のブランド誕生以来、レクサスの屋台骨を支え続けてきたESは日本で販売されなかった。そう、このモデルはFF、つまり前輪駆動だったからだ。しかし、時は流れて今や後輪駆動だからとか、前輪駆動がどうかとかいう時代ではなくなった。とにかく昔のヘンなコダワリを捨て去り、レクサスはESを日本に導入することを決めたのだ。

そんなわけでESは10月24日に日本デビューとなり、話題となっているのが、クルマよりもミラー! というのも、16年6月に、道路運送車両法が改正され、カメラとモニターでミラーを代用することが認可された。そしてこれを受けて初めて世に送り出されたのが、今回のESにオプション設定されたデジタルアウターミラーなのである。

このミラーは、車両のフロントドア外側のカメラで撮影した車両左右後方の映像を、車内のフロントピラー部(車両フロントガラス左右の柱の部分)に設置された5インチディスプレイに表示する仕組み。今回の試乗車にもこのデジタルアウターミラーを装着したモデルが用意されていた。

で、その実力はどうだったか? 実際に使ってみると、室内にモニターが存在するので、老眼オヤジの僕にはちょっとピント合わせがツラかった。また、室内に光量の強いモニターがあって、常に景色が流れているのでチラチラと気になる。加えて夜になると車線変更で、後ろから来るクルマの距離感がイマイチ把握しづらいといった感じで、まだまだな部分が多かった。しかしながら、世界で初めての機構を採用した勇気は評価できる!

肝心のクルマはどうだったのか? ESはトヨタの新世代プラットフォームであるTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)のミドルクラス用であるGA−Kプラットフォームを採用。トヨタ車では昨年登場したカムリが同じプラットフォームを使用。搭載されるパワーユニットは、2.5リットル4気筒エンジンにトヨタ独自のハイブリッドシステムであるTHS−Uを組み合わせた。クルマに詳しい人ならわかると思うが、つまりESは、カムリのハードウエアを用いたレクサス版だ。

実際にクルマに触れてみると、カムリベースとは思えないほど質感は向上している。デザイン的にはまず外観が最上級モデルのLSにそっくり! そして室内を見てもどこかにLSの雰囲気が漂っているのだ。

今回はES300hのバージョンLとFスポーツの2種類を試したが、驚いたのはバージョンL。いわゆる穏やかな仕様のモデルだが、もう走り始めた瞬間、レクサスの方には大変失礼だと思いつつも、「これはLSより乗り心地が良い!」と叫ぶほど感動した。

フラッグシップのLSは、最上級サルーンとしての存在感をつくり上げるため、輸入プレミアムブランドとは違う方向を向き、肩にも力入りすぎ感がハンパなかった。ライバルであるベンツSクラスなどと比べると正直、もう一息!な感覚が強い。しかしながらこのESは心底感動できた。なぜか?

実は新たに開発したスイングバルブ機構を備えたショックアブソーバーによるところが大きい。これによってESは走りだしがヒタッとした感じで動きだす。しかもこのアブソーバーは電子制御可変ではなく、標準タイプなのだからマジでスゴい。

実際、電子制御の減衰力調整機構を持つショックアブソーバーを備えたFスポーツも試乗したが、そちらは従来のレクサス的な乗り味と走り味で、全然感心しなかった(笑)。ESはバージョンLの乗り味に注目だ!

●河口まなぶ 
1970年生まれ、茨城県出身。日本大学藝術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌(モーターマガジン社)アルバイトを経て自動車ジャーナリスト。毎週金曜22時からYouTube LIVEにて司会を務める『LOVECARS!TV!』がオンエア中。02年から日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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