「今でもゾッとします」市川紗椰が幼少期にトラウマになった『ウルトラマン』の"三面怪人"ダダ

一番好きな「宇宙忍者」は即答でバルタン星人だけど、「宇宙海賊」はクイーン・エメラルダスかハーロックかゴー☆ジャスで迷う
『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回は、『ウルトラマン』に登場する"三面怪人"ダダについて語る。

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幼少期、それが1960年代のものだと知らずに初代『ウルトラマン』のVHSをよく見ていました。厳密には、兄が見ているのを一緒に眺めていただけで、日本語があやふやだった私は単なる映像として楽しんでいたと思います。

一番鮮明に覚えているのは、"三面怪人"ダダ。黒白の幾何学的な模様の胴体、能面のように無表情で不気味な顔。子供の頃に見た怖い映像や悲しい物語をなんでもかんでも「トラウマになった」と公言するのはなんだかな、と思いつつ、これは間違いない。ダダはトラウマ。夕暮れの学校でひとり廊下を歩くなんて、鳥肌もの。今でもゾッとします。

と言っても、私ももう30代。『無敵超人ザンボット3』も劇場版『トランスフォーマー』もチャッキーも克服した(チャッキーはまだ日による)。メフィラスさん率いるウルトラ怪獣たちが日本の名所をほのぼのと旅する『ウルトラ怪獣散歩』の再放送をCSで頻繁に見ているということもあり、怪獣=かわいい熱が上昇している今がチャンス。

ダダを検索すると、関連ワードで「トラウマ」以外に、「かわいそう」「弱い」そして「社畜」などと表示されます。どうやら、私のように幼少期にトラウマ級だったダダを大人になって見ると、哀れなやつに感じる人が多い......。いざ、ダダが登場するウルトラマン第28話「人間標本5・6」を30年ぶりに視聴! 怖くない、かわいいダダと向き合うぞ! ......え〜と結果、ダダはまだ怖かったです。しかし、子供の頃と恐怖のベクトルは違いました。

まずはオープニング。このおどろおどろしさよ。サイケデリックな映像から、前身のSFホラードラマ『ウルトラQ』のタイトルがニュルッと登場。アナログ感も相まって不気味さ極まりない。そしてそれを突き破るように現れる真っ赤な背景に白い『ウルトラマン』のタイトル。怪奇特撮からヒーローものに進化するのを開始20秒で視覚的に見せるこの演出に参りました。

かと思いきや、タイトルロゴとバックではホルンが叫び、不安をあおります。そこから始まるおなじみのブラスのイントロ、そして軽快なビート感。『ウルトラマン』自体見たことがなくても知っているだろうこの曲、あらためて聴くとベースとドラムにサーフミュージック感があふれててカッコいい。リフもおしゃれ。切り絵で表現された怪獣たちのフォルムもいい。

引っかかったのは歌詞の最初にある「流星」。今も身に染みている歌詞でしたが、考えてみたらウルトラマンに流星のマークなんてない。よく見ると、科学特捜隊の胸元のインカムに流星らしきデザインが。え。これって科特の歌だったの? じゃあ「ぼくらのために」の僕らって、科特の隊員たちのこと......。「ぼくら」を広義に解釈し、ずうずうしく自分も含まれていると当たり前に思い込んでいてすみません。役を演じるなら素手でビルを殴り壊す科特のフジ隊員が理想、とずっと思っていたけど、そもそも科特のことを何も理解してませんでした。反省。

と、気づいたらオープニングをダラダラ語るだけで終わってしまった。社畜ダダの登場は次回へ!

●市川紗椰
1987年2月14日生まれ。愛知県名古屋市出身、米デトロイト育ち。父はアメリカ人、母は日本人。モデルとして活動するほか、テレビやラジオにも出演。著書『鉄道について話した。』が好評発売中。『ウルトラマン』のオープニングテーマが、今年5月公開予定の映画『シン・ウルトラマン』にオマージュされるかどうか期待
公式Instagram【@sayaichikawa.official】

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