日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員が独断と偏見で勝手に決定! 令和に復活させたい国産最強クーペベスト11【後編】

日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員が独断と偏見で勝手に決定! 令和に復活させたい国産最強クーペベスト11【後編】

もはや絶滅寸前の国産クーペ。復活してほしい名車11台を独断と偏見で決定!(写真はマツダ ユーノスコスモ)

トヨタのスープラが17年ぶりに発売されて話題だ。ということで自動車研究家の山本シンヤが、スープラに続いて復活させるべき国産クーペ11台を選んだぜ! 1位から3位を決定した前編記事に続き、後編では4位から11位を発表!

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■軽自動車にドリ車もランクイン!

――4位はマツダ。

山本 はい。ユーノスコスモです。バブル時に何を考えたのか(笑)、5チャンネル体制での販売を目指したマツダですが、その中のプレミアムブランド「ユーノス」のイメージリーダーカーです。

最大の特徴は、量産車初となる3ローター・ロータリーエンジン(シーケンシャルツインターボ)を搭載したことです。あのピュアスポーツであるRX−7ですら当初は搭載を許されなかった至高のユニットは、V12エンジン並みの滑らかさと飛行機の離陸時を彷彿とさせるような力強さを兼ね備えていました。

――内装もスゴかったとか?

山本 木目はイタリア・シンプレス工房製、本革シートはオーストリア・シュミットフェルトバッハ製で子牛10数頭分が使われています。また、世界初のGPSカーナビゲーションを搭載したモデルですが、当時は道をロストしてよく海の中を走行(笑)。

――5位は三菱の名車ですね。

山本 GTOです。スタリオンに代わる三菱のフラッグシップクーペとして登場。基本コンポーネントはディアマンテと共通ながら、3リットルV6ツインターボで4WD、4WS、そしてアクティブエアロシステムやアクティブエキゾーストシステムなど、三菱のハイテク技術を集結させたGTカーでした。

――スカイラインGT−Rにスペックが近く、ライバル関係だったと聞いていますが。

山本 デビュー当初は「GTOは直線は速いけどコーナーは......」「背の低いディアマンテ」とか言われることが多かったんですが、絶え間ない改良に加えて6速MTの採用や約60kg軽量化された「MR」の追加、さらに日本車初の6ポットブレーキの設定などで、次第にスカイラインGT−Rと対等に戦えるモデルへと進化しました。

――6位は軽自動車!

山本 スズキのカプチーノです。小さいながらもロングノーズ・ショートデッキのフロントミッドシップのFRレイアウト、アルミを多用したボディ、3分割ルーフ、軽自動車初の四輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションと、ほぼ専用設計の贅沢(ぜいたく)な造りが特徴でした。イギリスやドイツにも輸出され、現地でも高い評価を受けました。

――スズキはコストに最もうるさい自動車メーカーだと耳にしたことがあります。

山本 基本はそのとおりですが、10年から15年に一度のペースで普段は節約してためたヘソクリをドカーンと使うような採算度外視なモデルが登場します。カプチーノもそんな一台でした。

――そして、7位はドリ車の神カー!

山本 日産シルビアです。今やS13、S14、S15はドリフト界の定番車種ですが、もともとはプレリュード人気に対抗するデートカーとして開発されたモデルで、キャッチコピーは「アートフォース・シルビア」でした。

――性能は?

山本 ノーマルではちょっと物足りないけど、ちょっと手を加えると大化けする、そんなモデルでしたね。そういう意味ではカスタマイズ文化を広げるための確信犯的なモデルだったのかもしれません。

――シルビアの復活って実際あるんですかね? ウワサは以前から出ていますが。

山本 実は2010年前後に量産直前までプロジェクトが進められていたようですが、リーマン・ショックの余波で白紙に。その後、12年にトヨタ86とスバルBRZが登場し、開発に携わっていた日産関係者はかなりガッカリしたそうです。今、復活させるなら戦略的提携を行なっており、FRプラットフォームを持つメルセデス・ベンツとの共同開発がベストでしょう。

■デートカーにピュアスポーツも!

――そして8位は?

山本 トヨタのセリカです。年齢によって好みの年式もいろいろだと思いますが、やはりST165からST205のGT−FOURでしょう。トヨタのWRC(世界ラリー選手権)黄金期を飾った一台であると同時に、映画『私をスキーに連れてって』で雪道を疾走して話題に。文武両道的キャラでした!

――復活しますかね? 

山本 86、スープラと出たら、次はセリカでしょう! カムリのGA−Kプラットフォームに2リットル直噴ターボ、RAV4に採用したダイナミックトルクベクタリングAWDをカッコいいクーペボディと組み合わせれば、簡単に実現可能な気がしますよ。

――9位はホンダ!

山本 プレリュードです。基本的にはパフォーマンスよりもカッコ命の元祖デートカーとして大人気を博したモデルです。「軟派」という言葉がこれほど似合うモデルもそうなかった(笑)。

――10位は今も男をたぎらせるセブンです!

山本 はい。マツダのRX−7です。ロードスターと並ぶマツダの顔であり、世界唯一のロータリースポーツです。

特に3代目となるFDは開発者自身が「今、同じことをやれと言われたら......できない」と言うくらいの採算度外視の性能優先の設計で、軽量でコンパクト、そしてハイパワーとピュアスポーツにふさわしいパッケージング。

その実力は今も健在で、チューニングされたモデルは最新スポーツカーをしのぐパフォーマンスを誇ります。

――ラスト、11位は?

山本 トヨタのソアラです。欧州車に対抗するために世界レベルで通用するGTカーとして開発されたクーペで、トヨタの最新技術が惜しげもなく採用されて話題になった。

――どれも復活したらかなり魅力的なモデルですが、復活させたらやはり価格は高くなるでしょうね?

山本 フツーのクルマのようには売れないので、極端に安くはできないと思います。が、まずはクルマ好きのオジさんが率先して買うことが重要ですね。何年後かに良質な中古車がたくさん流通できるくらい売れれば、若者だって手が届くはず。ただし、若者に刺さるカッコいいクーペじゃなきゃ出す意味はない。

――確かに。若者のクルマ離れが叫ばれてますからね。

山本 自動車メーカーの皆さん、新車ビジネスだけで採算を考えたらダメですよ!

●山本シンヤ 
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立。スポーツカー、モータースポーツに精通。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

構成/山本シンヤ 写真提供/マツダ 三菱自動車 スズキ トヨタ自動車 ホンダ

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