三菱自慢の2.2リットルディーゼルターボを搭載した「エクリプス クロス・ディーゼル」に乗ってみた!

三菱自慢の2.2リットルディーゼルターボを搭載した「エクリプス クロス・ディーゼル」に乗ってみた!

4WDのみにラインナップされるディーゼルモデル。価格は306万1800円〜342万4680円

ガソリンモデルから1年ちょい遅れて国内発売となった三菱「エクリプス クロス」のディーゼル。その実力は? ということで、小沢コージがじっくり乗ってきたぜ!

* * *

■ディーゼルこそ男の乗るSUVだ!

ニッポン男児が誇る男気SUVに、ついに真の男気濃厚モデルが6月に登場。その名も三菱エクリプス クロス・ディーゼル! 三菱自慢の2.2リットルディーゼルターボ搭載モデルが追加されたのだ。

ご存じエクリプス クロスは、昨春に三菱が国内で発売を開始した、乾坤一擲(けんこんいってき)のミッドサイズ売れ筋SUV。その存在感、覚悟はまさに男気あふれる演歌歌手さながらだった。

なぜなら過去4年間、三菱は新車がなく、今のSUVブームも待ちの一手。それだけに三菱はデザイン、コンセプトに今までにない濃厚な三菱らしさをモリモリで盛り込むしかない。そりゃそーよ! そもそもライバル、ホンダ・ヴェゼルは2013年に、トヨタC−HRは2016年に登場済みな上、両車共に流行のウナギ犬デザイン。そこに三菱が無難なSUVを出してもウケるはずがない!

よってエクリプス クロスは後発ならではの大胆戦略に出た。そのひとつがイマドキSUVではありえないエッジ立ちまくりの角刈りデザインだ。正式名は三菱独自のダイナミックシールドデザインだが、オザワ的には粋な角刈りスシ職人の色気そのもの!

全長4.4m強で全高1.7m弱の高めな車高に、スッとそそり立つような絶壁感を持つサイドとリア。C−HR的なヌメヌメ感は一切なく、前後を絞った感じも薄い。結果、エクリプス クロスは、今までにない実用性も獲得しており、室内はライバルより広い。

リアシートには身長176cmのオザワがフロントに座ったシート位置のまま、余裕でヒザを組んで座れ、オマケにリアシートはスライド機構付きなので一番前にすればラゲッジ容量が大幅拡大。ゴルフバッグが最大4つ収納できる。

そして、三菱エクリプス クロスが持つほかにないアドバンテージが今回追加されたディーゼルモデルだ。

一見、EVやPHEV(プラグイン・ハイブリッド)など電動戦略に熱心な三菱だが、実は両刀遣い。昔から車重がかさむクロカンモデルのパジェロや、4WDミニバンのデリカを持つ三菱は、現代におけるクリーンディーゼルの重要性を熟知していた。

それはディーゼルが持つ根本的なパワーと低燃費性だ。確かにディーゼルは構造的にNOx(窒素酸化物)や黒鉛を出しがちだが、ちゃんと処理すればガソリンンエンジン並みのクリーンさを持つ上、低回転からトルクを発揮し、効率も優れている。

今回のエクリプス クロスも既存の1.5リットルガソリン版と比べると最高出力は145psと同等ながらも、最大トルクは380Nmと約1.6倍。それでいてJC08モード燃費は15.2km/リットルとガソリン版4WDをそれなりに上回っている。

今回導入された尿素SCRシステムという新世代のディーゼル浄化システムのおかげで排ガスは超クリーン! 日本の規制はもちろん、欧州の厳しい規制もクリアする。

事実、一部でディーゼル離れもウワサされる自動車界だが、ドイツブランドを中心に新世代クリーンディーゼル人気は相変わらず高い。当のディーゼルスキャンダルを引き起こしたVW(フォルクスワーゲン)は、この8月にモデル末期の7代目ゴルフにディーゼルモデルのTDIを日本で発表済みだし、ボルボも大型SUVのXC90にディーゼルモデルを今春追加。

プレミアムな大型SUVモデルほどディーゼル人気は高く、日本で売られるBMW X5は、その約8割がディーゼルモデルだという。今時代はひそかにディーゼル、それもSUVこそディーゼルなのだ!

肝心のエクリプス クロス・ディーゼルだが、とにかく実力の高さにうならされた。試乗会が行なわれたのは7月4日の河口湖周辺だったが、当日はあいにくの大雨。ほぼ台風直撃という状態で、「試乗会も中止か!?」というほど山道のあちこちに水たまりができていた。最近で言えば九州の大雨のような状況だったのだ。

ところがエクリプス クロス・ディーゼルは、発進からそれらをモノともしない。わずか2000回転の低回転から380Nmの極太トルクを発揮するエンジン特性だけじゃない。今回、投入された新型ギアボックスの8速スポーツモードATがその力を増幅。

これまでのクルマに比べ、ギア比がワイドレシオ化と同時にクロスレシオ化もされていて、発進時のトルクはより豊かで、多少の凹凸や抵抗などへっちゃら。深めの水たまりに入っても、通常の山道同様に軽く突破しちゃうのだ。

さらに富士山の見える山岳ダートコースに入ったときがミラクルだった。それまで朝イチから降っていた雨がそのときだけ奇跡的にやみ、快適かつ安全にダートを走れたと同時に、キレッキレの走行写真が撮れたのだ。

ついでに三菱自慢の四輪制御技術S−AWCの利きもナイスだ。もともと三菱が世界ラリー選手権用のランエボ向けに開発した技術だが、デコボコダート道でも効果的で、オマケに燃費も悪くない。デキる男とそれに似合うデキるSUVこそディーゼル。つまらん環境問題など軽く論破してしまえ!

●小沢コージ 
1966年生まれ、神奈川県出身。青山学院大学卒業後、本田技研工業に就職。90年に自動車誌の編集者に。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)など多数。TBSラジオ『週刊自動車批評』レギュラー出演中。日本&世界カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

撮影/本田雄士

関連記事(外部サイト)