バイク・オブ・ザ・イヤー選考委員が勝手に決めた『第1回 輝く!びんびんバイク・オブ・ザ・イヤー』

バイク・オブ・ザ・イヤー選考委員が勝手に決めた『第1回 輝く!びんびんバイク・オブ・ザ・イヤー』

昨年のベストバイク5台を、独断と偏見でピックアップ!(写真はカワサキZ900RS)

昨年、男をびんびん&ぎんぎんにさせた珠玉のバイクはどれか? 気鋭のジャーナリスト・青木タカオが独断と偏見で勝手に決めた、最強のびんびんバイク、ベスト5はコイツらだ!

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――審査委員長、昨年、令和元年のびんびんバイクはどれスか!

青木 コレは文句ナシにカワサキの「Z900RS」です。

――そのワケは?

青木 2017年末に発売されると、18年に国内で4500台を売り、カワサキが7年ぶりに大型二輪(排気量250cc超)販売でトップに輝きました。その原動力はZ900RSなのです。

――19年も躍進が続いた?

青木 ええ。19年の上半期も2000台を出荷したと聞いてます。累計1万台到達も時間の問題かと。

――ちなみにZ900RSは、カワサキの名車「Z1」の復活だと話題になりました。

青木 丸みを帯びたティアドロップタンクやお尻がツンっと上がったテールカウル、音にもこだわった4発エンジン、まさにZの再来で、男たちを熱くさせました。

――タンクのカラーが玄人筋にも人気らしいスね。

青木 はい。実はカワサキの心憎い演出があるんです。Z900RSの初期型が火の玉タンクで大ヒットすると、19年にはタイガーカラーを出してまた大人気に。この順番って1972〜1973年のZ1とまったく一緒のタンクカラーの売り方なんです。

――ちなみに中古車相場はどうスか?

青木 大手中古買い取り販売業者の調査でも、登場以来リセールプライスで首位を譲ったことがありません。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いです。

――なるほど。ちなみに取り回しもビッグバイクにもかかわらず、狭い所でもくるっくる旋回してくれます。

青木 低中回転域のトルク、つまり普段使う常用域での力強さを重視した出力特性で、パワーと扱いやすさが高い次元で両立されています。900ccという排気量でも持て余すことがない。サウンドも官能的だし、ただフツーに走らせているだけなのに高揚感があって感動します。バカ売れも納得かと。

――ライバルは不在?

青木 いや、19年は強力なのがぶっ込まれました。それが2位のスズキ「カタナ」です。ひと目で名車・カタナ再来とわかるデザインでありながら、現代的なスタイルにしっかり生まれ変わっています。それが証拠に、バイク離れが叫ばれる昨今に、発売からわずか1ヵ月で2000台以上のオーダーが入りました。年間販売台数目標が1000台なので人気爆発という感じ。

――で、乗り味・走り味もびんびんだそうで?

青木 はい。というのも、心臓部のエンジンはモトGPのレース技術を惜しみなくフィードバックして開発するスズキが誇るスーパースポーツ「GSX−R1000」譲り。ポテンシャルの高さはピカイチです。それとZ900RSにも言えることですが、アップライトな乗車姿勢なので、上半身の前傾がキツくなく、首や腰が痛くならない。

――大人の男に優しいと。

青木 ええ。しかも、この手の「ネオレトロ」とか「モダンクラシック」と呼ばれるジャンルは世界的にも大流行中。往年の名車のフォルムを復活させつつも、性能や装備は最新式というのが主流です。ABSはもちろん電子制御によるトラクションコントロールを搭載し、タイヤが滑りにくいなど安全性も高い。もちろん快適で速いのもポイント。

――しかも、Z900RSもカタナもノーマルマフラーの音に迫力がある。マフラーを交換しようと思わない。

青木 現代のバイクはサウンドチューニングがされていて、開発陣はいかに乗り手を高ぶらせ、しびれさせるか研究しているんです。

――続いて3位のびんびんバイクは?

青木 ヤマハ「YZF−R25」です。このYZFを筆頭に250ccクラスは20代からも支持されています。特にR25はチャレンジングな部分が多く、つり目のフロントマスクのど真ん中にはラムエアダクトのインテークに似せた冷却口があるし、カウルにはダウンフォースを意識したウイングもついています。

――で、4位は?

青木 ホンダの「レブル250」です。コイツが売れていて、19年上半期の軽二輪でぶっちぎりの1位に輝きました。

――発売されたのは2017年ですか。

青木 ええ。私も参加しましたが、ジャーナリスト試乗会をカリフォルニアで開くなどデビュー当初から都会的でオシャレなムードが漂っていました。その販売策は功を奏し、乗っている人は比較的身だしなみに気を使っている。ホンダの狙いどおり、若者や女性にウケているようです。

――確かに洗練されたフォルムで、オジサンには無理かもしんない(笑)。

青木 で、5位は年齢高めライダーにぶっ刺さったのが、19年発売のカワサキ「W800」です。Zに続いて"ダブワン"復活と大きな話題を呼びました。

――ダブワンは、60年代のカワサキの名車「650−W1」のことですね。

青木 はい。Z1誕生より6年早い66年の登場以来、いつの時代も根強い人気があり、最新版はW800に進化しています。味わい深い空冷バーチカルツインエンジンや真っすぐに後ろへ伸びたキャブトンタイプマフラーを踏襲し、Zと共にカワサキを代表するブランドとして堅調な人気です。

――見た目をブラックにし、雰囲気を刷新しています。

青木 はい。「ストリート」には各部を黒で統一するダークカスタムが施されて、ビンテージムードのなかに引き締まった印象があり、敏感な若者たちにも「Wっていいな」と思わせることにも成功しました。伝統を受け継ぎながらも、時代に合わせた進化は、お見事でした。

――次点はホンダの「モンキー」ですか!

青木 遊具からその歴史が始まった、クルマのトランクにも積めるモンキーですが、50cc版は50周年の節目だった2017年にいったん姿を消しました。18年に125ccになって帰ってきたんです。注目はそのスタイルです。

――はい。

青木 ホンダ開発陣のこだわりがすさまじく、排気量がデカくなったのに、各部の比率は50cc時代と変わらぬようにしようと、こだわり抜いた。分厚いシート、太いタイヤ、マフラーのせり上がり、まったくそのまんま。

――なるほど。では、最後に2020年のバイク界の展望を!

青木 もちろん、2020年の二輪界もびんびんです!

●青木タカオ 
1973年生まれ、東京都出身。法政大学卒業。バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。バイク専門誌を筆頭に執筆媒体多数。著書に『図解入門 よくわかる最新バイクの基本と仕組み』(秀和システム)など。バイク専門誌の編集長経験アリ!

取材・文・撮影/青木タカオ 撮影/本田雄士

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