旅人マリーシャの世界一周紀行:第250回「スペイン美女の推しグルメは伝統的なカタルーニャ料理」

旅人マリーシャの世界一周紀行:第250回「スペイン美女の推しグルメは伝統的なカタルーニャ料理」

一軒家レストランに伝統的カタルーニャ料理を食べに来たよ! ご機嫌で踊る私たち

2020年! あけましておめでとうございます!

さて今年は数字の語呂も良く心機一転といきたいところですが、私はきっと変わらず"花より団子"な旅の一年になるのでは......ということで、旅の続きは、美味しいカタルーニャ料理の話題から。それではみなさん、今年もよろしくお願い致します!

* * *

バルセロナのアナの家にステイする私は、いつもこんなことを言っていた。

「スペインに来たからには、この土地ならではのものを食べたい!」

するとアナが言った。

「ここはカタルーニャよ。伝統的なカタルーニャ料理の店に行こう!」

カタルーニャ料理は、スペインとフランスにまたがるカタルーニャ地方の料理のこと。

この国は「17の自治州」と「50の県」で構成されるが、地域ごとの文化やアイデンティティがそれぞれ異なる。カタルーニャの人々はスペイン人であると同時に、誇り高きカタルーニャ人でもあるのだ。

公用語も実に4つもあって、一般的にスペイン語と言われるものはカスティーリャ語で、カタルーニャ人はカタルーニャ語も話す。アナの会話に出てくる単語をスペイン語かとたずねると、「これはカタラン(カタルーニャ語)だよ」と言われることもしばしば。

とにかくカタルーニャ人であるアナが推すカタルーニャ料理店なら、ぜひとも行きたい! さっそく私とゴンジー(同じくアナの家にステイする旅友)はアナの車に乗り込んだ。

エスパーニャ広場から車で北上し約30分ほど。山道のような所を進んで行くと、緑に囲まれた雰囲気の良い一軒家レストランがあった。シンプルながらも上質な地元の素材を使用し、最も伝統的なカタルーニャ料理を出してくれるお店だそう。

オーダーは基本アナ任せで、まず最初にイベリコハムやサラミと出てきたのは、「カタルーニャの国民食」と言われる「パ・アム・トゥマカット」。スペイン語で言うと「パン・コン・トマテ」である。

輪切りのパンにゴシゴシとガーリックとトマトをなすりつけ、塩やオリーブオイルをかけて食べる。シンプル極まりない料理だけれど、初めて文献に書かれたのは18世紀頃という歴史あるもの。田舎で乾いて固くなったパンに余ったトマトをこすりつけたことから生まれたんだって。

お次にテーブルに置かれた「エスカリバーダ」という料理は、私のスペイン人生の中で一番のお気に入りとなった。

それは、じっくり焼いただけのグリル野菜のマリネであるが、野菜の甘みとトゥルリと口に滑り込むテクスチャーはシルクの舌触りとでも言おうか、同時にほんの少しの歯ごたえがあり、こりゃ、たまらん! 特に赤パプリカのそれは最高だった。

そしてメインディッシュは、それぞれ好きなものをオーダー。

アナはここに来たら絶対頼むという、鴨胸肉の甘酸っぱいソース(Magret d anec amb salsa agredolca)。薄切りにして並べられた鴨肉に甘いソースがかかっていて、白米が添えられている。見た目は洋風だが、例えばうなぎのタレで白いご飯を食べたくなるような、ちょっと和のテイストすら感じる味で、それはそれは美味しゅうございます。

ゴンジーは初日からずっと食べたがっていた"THE・肉=ステーキ"。やっと肉にありついた彼が勢いよくステーキにナイフを入れると、骨の破片が飛んで、見事、私のオデコにヒット!

「イテっ! ちょっと! オデコに傷が付いたら、ハリー・ポッターみたいになっちゃうよ。そしたらマリー・ポッターだね! あ、魔法使えるかな?」

すると、ハリポタ大好きなふたりは大ウケ。カルチャーの違う国の人間にダジャレが通じてうれしかった。

ところで、私のメインディッシュはというと、アナに教えてもらったこの土地ならではの伝統料理「botifarra amb mongete」

カタルーニャの白いソーセージ・ブティファラと揚げ白豆の料理で、ソーセージの塩気と白豆のマイルドな甘みが特徴の、素朴な田舎料理。美味しかったけれど、なんとなく想像できるような味ではあった。郷土料理とはそういうものかもしれない。

そしてデザートは「クレマカタラーナ」という、クレームブリュレに似た洋菓子。違いは湯煎をしないこと、クリームは使わずに牛乳だけで作られること。正直ほぼ一緒な気がするけど、ここにもまたカタルーニャ発祥だというアイデンティティの強さを感じるような。

以上で私たちのランチは終了。お腹もいっぱいで残した分は箱に詰めてもらったが、実はひとつ心残りがあった。

それはカタルーニャ名物の「カルソッツ」という焼きネギ料理を食べられなかったこと。これは食べ方が独特で、まず焼け焦げたネギの外側の皮を剥き、丸々1本を手で持って、ロメスコと呼ばれる地元名産のアーモンドとトマトのソースを付けて、自分の頭まで持ち上げ、上を向いて口に入れていく......という、なんとも楽しそうなもの。

初めてアナに会った時に教えてもらい印象深く、今回狙っていたのだけれども、残念ながらシーズンじゃなかった。カルソッツの発祥はカタルーニャ州のタラゴナ県。毎年1月の最終日曜日に開催されるネギ(カルソッツ)祭りにはいつか行ってみたい。

今回アナが教えてくれたお店は、日本語では検索に出てこなかったので、秘密にしておきたい気もするけれど、せっかくなので教えちゃおう。

「Restaurant Masia Catalana Can Campmany」(http://cancampmany.com/ca/)

バルセロナに行ったら、ぜひ足を伸ばしてみてください。

★旅人マリーシャの世界一周紀行:第251回「旅人が無形文化遺産『人間の塔』の一部になった日」

●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。コラム連載は5年間半を超える。Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】
女子2人組ユニット「地球ワクワク探検隊」としても活動。Youtube配信や国内外各地のPR活動、旅先のお酒やお話を提供するイベント「旅するスナック」を月2回、東京・虎ノ門で開催。
【https://www.youtube.com/channel/UCJnaZGs8hyfttN9Q2HtVJdg】

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