発売前に年間販売計画台数を受注! 8年ぶりに復活する「ホンダ ハンターカブ」はなぜ人気なのか?

6月26日の発売を発表すると注文殺到のホンダCT125ハンターカブ。青木タカオが各部を濃厚取材!

新型コロナウイルス感染拡大のために中止になったモーターサイクルショー。

そこに展示予定だったハンターカブをホンダがご開帳。現地に特攻した青木タカオが超絶人気の秘密を語る!

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■水没も問題ナシ! タフなハンターカブ

――今年6月26日に発売予定のバイクが、発売前から大ヒットしてるってマジですか?

青木 CT125ハンターカブが飛ぶように売れています。44万円という価格ながら、年間販売計画台数の8000台を予約段階で達成しちゃいました。まだまだ予約は増えそうで、早く注文しないと年内納車は危ういかもしれません。

CT125ハンターカブのベース! スーパーカブC125 1958年の初代デザインに原点回帰しつつも灯火器類をオールLED化するなど高級感アップ

――ひとつ確認ですが、ハンターカブのベース車両って?

青木 1958年に初代が誕生したスーパーカブです。世界160の国と地域で年間300万台を販売し、累計台数は実に1億台以上を誇るホンダの大エースです。

――それがどういう経緯でハンターカブという名前になったんスか?

青木 その名のとおり狩猟にも使える、タフで走破性に優れた、スーパーカブの最強サバイバルバイク仕様のことです。

ホンダが海外進出して間もない1961年に北米市場の要望に応えて発売した「CA100Tトレール50」がルーツで、街乗りだけでなく、山間部での狩猟や広大な農園管理といった実用性、釣りやキャンプなど余暇の楽しみを広げるホビー用途まで、幅広いニーズに応え、世界にスーパーカブの高性能を知らしめました。

――日本での人気は?

青木 68年に、二輪車初の副変速機(不整地や坂道ではローギヤ比に切り替え可能)を採用した「CT50」を、81年には「CT110」が発売されました。しかし当時は経済成長期という時代背景もあって、「レジャーは自家用車で」というのが主流。国内向けは長続きしませんでしたが、熱烈なファンは今も国内外共に多く、さらに昨今の原二ブームもあり、予約が殺到しているというわけ。

CT125ハンターカブ

――確かに昨年の東京モーターショーに出展されたコンセプトモデルは、かなり注目を集めていました。で、具体的にスーパーカブとハンターカブは何がどう違うんですか。

青木 アップマフラーやブロックパターンのタイヤがついているだけじゃありません。スーパーカブC125よりホイールベースを10mm伸ばし、直進安定性や乗り心地を向上。フロントサスペンションのストローク量を10mm増やし、最低地上高は40mm上がって165mmに。シート高も20mmアップの800mmにし、アップハンドルや左右各45度とワイドなステアリング切れ角に。

可倒式ステップ、スチールリムにステンレススポーク、鋼板フロントフェンダー、リア前後ディスクブレーキと細部も専用設計しています。

ハンターカブならではのハイマウント吸気ダクトも踏襲。最低地上高165mmを確保している

――最強装備もあるそうで。

青木 リアキャリア左前方にあるハイマウント吸入口です。水没を想定したハンターカブ伝統の装備で、エアダクトは車体左サイドカバー内にあるエアクリーナーにつながっていて、入り口を荷台で覆い雨水の浸入を防ぎます。

荷物がガッツリ積める大型リアキャリアの下には、四角く大きいウインカー。質実剛健!

――ほかのギンギン装備は?

青木 新型ならではの装備は、まだまだありますよ。燃料タンク容量をC125の3.7リットルから5.3リットルにアップし、専用大型リアキャリアも荷物がガッツリ積める。そしてキーシリンダー左側には、スマホなどモバイル機器に充電できるよう12Vアクセサリーソケットを配備。スーパーカブC125より発電力も強化されました。

――どんな乗り味になりそうですか。

青木 実際に跨(またが)りましたが、窮屈さのないゆったりとした乗車姿勢で、シートのクッションもコシがあって遠出も快適のはず。操作系もねちねちイジってみましたが、ディスク化された後輪ブレーキはペダルタッチがいい。

ヘッドまわりは補強。伝統を感じるオールドウイングマークの立体エンブレムを採用した

――燃費は?

青木 WMTCモード値67.2kmと、とんでもない燃費です。オイルが入っていなくても壊れないという都市伝説もあるほどタフなエンジンは、ドリブンスプロケットをC125の36Tから39Tへと変更しており、荷物積載時の登坂路など、より、力強く粘る出力特性になっているはず。

中低速域を多用する街乗りではキビキビとした走りが味わえ、強化された足まわりでストップ&ゴーがより俊敏で軽快でしょう。

一般的なバイクと同じトップブリッジとテレスコピック式フォークで走破性向上。タイヤはセミブロック

――なるほど。

青木 過去に"CT"の名を初めて冠した1964年の輸出仕様「CT200 90トレール」に乗ったこともありますが、低速がウイリーするほど力強く、そのとき感じた速度は出ないけど、どこまでも走れる頼もしさは忘れられません。新型は車体剛性やエンジン性能を飛躍的に上げつつ、歴代のタフで自由なDNAを受け継いでいるはず。乗ればビンビン確実ですよぉぉぉ!

●青木タカオ 
1973年生まれ、東京都出身。法政大学卒業。バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに。バイク専門誌を筆頭に執筆媒体多数。著書に『図解入門 よくわかる最新バイクの基本と仕組み』(秀和システム)など。実は現役の二輪専門誌編集長でもある

超レア1964年式CT200 90トレール(排気量87cc)。おおらかな乗り味の中に力強さがある。車体は小さい

撮影/本田雄士

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