スーパーチャージャー搭載、200馬力の怪物バイクに試乗! カワサキ新型「Z H2」が超ヤバイ!

スーパーチャージャー搭載エンジンは全域で超強力だが、自在に操れるコントロール性も確保する

4月に販売開始となったカワサキの新型Z H2が早くも話題沸騰だ。いったい何がスゴい? 最速試乗した二輪ジャーナリスト・青木タカオが、その魅力をギンギン解説する。

* * *

■Z H2の過給器はNinja譲り!

――4月4日に発売されたカワサキのZ H2は、かなりヤバいマシンらしいスね?

青木 はい。カワサキが誇るZシリーズのフラッグシップモデルなんですが、マジでハンパないです。

――Z H2は具体的に何がハンパない?

青木 カワサキが持つ最新技術を全部ぶっ込んだマシンです。搭載する水冷DOHC4バルブ1000ccエンジンはスーパーチャージャー付きで最高出力は200馬力です!

チェックポイント1 液晶カラースクリーンのパネルは、専用のアプリを使用するとスマホとの相互通信も可能に

――ん? バイクにスーパーチャージャー!? 

青木 はい。ちなみにスーパーチャージャーはエンジンクランク軸の出力によって過給器を駆動する機械式過給器で、排ガスの圧力を使って過給するのがターボですね。

――そもそも二輪に過給器付きモデルはあった?

青木 タービンを回してシリンダー内へ強制的に空気を送り込む過給器付きエンジンは、1970年代後半から二輪業界にも登場しましたが、燃費は悪いしコストもかかるので普及には至りませんでした。

――なるほど。なのにカワサキはバイクにスーパーチャージャーを搭載したと。その理由はなんですか?

青木 カワサキが、世界中で実施したライダーへの聞き取り調査で「最近のバイクは高性能だけど、ワクワクしない」という声が大きかったためです。他社モデルを圧倒的に凌駕(りょうが)する突き抜けた機種を造ろうと。川崎重工には航空機産業もやっていますから、そのガスタービン技術を活用したというわけです。

チェックポイント2 スーパーチャージャーの作動音と吸気音がサウンドチューニング。耳にするだけで絶頂確実

――Z H2はカワサキ初のスーパーチャージャー搭載車なんですか?

青木 違います。カワサキで最初にスーパーチャージャーを搭載したのはすでに発売されているNinja H2で、今年4月にはエンジンが評価され、日本の科学技術賞を受賞しています。

――えっと、Z H2とNinja H2の違いは?

青木 出力も違いますが、最も違うのはその価格です。Z H2はNinja H2の約半額で珠玉のスーパーチャージャーが味わえる。

――とはいえ、Z H2の価格は189万2000円とけっこうなお値段です。

青木 この価格でスーパーチャージャーを味わえるなんて夢のような話ですよぉぉぉ!

カワサキ Z H2 価格:189万2000円 猛獣を思わせる低く構えたフォルム。自然吸気エンジンでは味わうことのできない圧倒的な加速力を達成。究極のマシンだ

――ズバリ乗った感想は?

青木 街乗りで使う常用回転域で、スーパーチャージャーによるすさまじいパンチ力が味わえ、加速時は「ケロケロケロッ」と軽やかに、アクセルを閉じると「キュイーン」とインペラーと呼ばれる過給圧を生み出す風車がうなり、正直、興奮を抑えきれません!

――もうちょい言うと?

青木 アクセルのオンオフだけで、男がたぎる官能的なエンジンフィーリングで、「もう、ワクワクしないなんて言わせない」というカワサキの意気込みをビンビンに感じ、感動すら覚えます。

――けど、そのエンジンだとジャジャ馬で、乗り手は限定されるんじゃ?

青木 いいえ、パワーバンドが広く扱いやすいから驚きます。トルクもモリモリの超強力な心臓部なのに、"バランス型スーパーチャージドエンジン"とカワサキが名づけるだけあり調和性があって実にスムーズです。

チェックポイント3 灯火器類はすべてLEDを採用。すごみのあるデザインは流れるようにコンパクトなテールエンドへ

――ほかに注目ポイントは?

青木 専用設計としたトラス構造の軽量スチール製フレームは、ハイパワーを受け止める高剛性を確保。高速走行でも高い安定性を実現しながら、適度なしなやかさや柔軟性も持ち合わせ、優れた旋回性と俊敏性を両立しています。

――直線番長ではないと。

青木 ええ。前後サスペンションはショーワ製フルアジャスタブル式とし、前輪ブレーキにはブレンボ製モノブロックキャリパーも採用。まさに意のままに操れるストリートバイクになっています。

――足つきはどうです?

青木 またがってまず感じるのが、イカツイ見た目からは想像もできないほどコンパクトなサイズ感です。それでいて窮屈さはない。今回、丸1日市街地と郊外のワインディングで試乗しましたが、乗り心地もよく疲れ知らず。シート高は830mmで、足つき性も悪くありません。

――購入時の注意点は?

青木 スーパーチャージャーを利かせたくて、ついアクセルを開きたくなる。自制心がない人は乗っちゃダメ!

●青木タカオ 
1973年生まれ、東京都出身。法政大学卒業。バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。バイク専門誌を筆頭に執筆媒体多数。著書に『図解入門 よくわかる最新バイクの基本と仕組み』(秀和システム)など。実は現役の二輪専門誌編集長でもある

撮影/中野英幸

関連記事(外部サイト)