気付けば爪がボロボロに! 自覚症状なく進行する“爪水虫”とは?

気付けば爪がボロボロに! 自覚症状なく進行する“爪水虫”とは?

爪が濁る、厚くなるなどが爪水虫の主な症状。気づかずに感染しているかも?

梅雨が始まり、増える水虫…。足の指や裏などがムズムズしてくるなど、誰もが知る病気だが、実は爪も水虫になる。

Aさん(20代後半)は昨夏、サンダルを履いて皮膚科を訪れた。水虫とは関係ない病気で、だ。しかし、そこで足元を見た医者から指摘されたのが“爪水虫”ーー。

「確かに、春先からサンダルを履き始めて、親指の爪がちょっとだけ白くなっているなとは思っていました。ただ別に痒(かゆ)かったり痛かったりするわけじゃないし気にしていませんでした」

爪水虫とは一体、なんなのか。「神楽坂 肌と爪のクリニック」・野田弘二郎院長に聞いてみた。

「足の水虫と同じ白癬(はくせん)菌というカビの一種による感染症で、正式には爪白癬(つめはくせん)と呼ばれます。水虫の原因となる白癬菌は皮膚の表面の角質を餌にしています。爪は皮膚の角質が変化したもので、同じケラチンというたんぱく質でできているため、それを餌に爪にも白癬菌は住みつくんですよ」

本来、白癬菌は長時間接触しないと感染しない菌。爪は表面が硬くツルツルしているため、皮膚と比べて定着しにくい。爪水虫になりやすいのは足の皮膚に慢性的な水虫に罹(かか)っている人だ

足にも水虫ができている方が多いです。長く患ってると白癬菌に接触する機会が増え、白癬菌の付きにくい爪も感染のリスクが高まるからです」

前出のAさんもそのパターンだ。

「以前、足の水虫にかかっていました。指の間にできるタイプです。市販の塗り薬で治したんですけど、爪が水虫になるなんて思ってもいなかったので、病院の検査で白癬菌が見つかった時は驚きました」

逆に言えば、爪水虫に罹っていると足の水虫にも罹っていることがほとんどだと言われている。しかし、最近は足の皮膚に水虫はなく、爪水虫にだけかかっていることもあるそう。







「最近は爪にだけ白癬菌がいるケースもあります。患者さんに『足に水虫できたことないですか?』と聞いても、ないと言うんですよ。爪に亀裂や剥(は)がれがあるとそこが弱点となって感染のリスクが高まります。そうした状態で温泉施設などで付着した菌から直接感染が成立したと考えられます」

野田院長によれば、爪水虫の治療薬のCMなどが流され、この10年ほどで徐々に知られ始めたというが、まだまだ認知は少ない。本人に実害がないからだ。

「爪には感覚がないので痒みや痛みは感じません。爪白癬の主な症状はタイプによって異なりますが爪が濁る、厚くなるなど、主に見た目に関する問題なのです」

日本臨床皮膚科医会が2007年に行なった「足白癬・爪白癬の実態と潜在罹患率の大規模疫学調査」では、爪白癬の罹患者は10.0%存在することが発覚した。10人にひとりが爪水虫になっているのだ。

「実際の患者数はわかりませんが、ほとんどが気付いていない。気付いても、気にせず病院に行かない人は多いでしょう」

予防するには足の水虫と同じように清潔さを心掛けることが大切。怪しいと思ったら病院へ今すぐ行こう!

★次週6月7日(水)配信予定の後編では“爪水虫”の危険性や治療法を紹介!

(取材・文/鯨井隆正)

●野田弘二郎(のだ・こうじろう)







国内で唯一の爪専門クリニック「神楽坂 肌と爪のクリニック」院長。91年久留米大学医学部卒業。昭和大学形成外科医局長を務めた後、2006年パリ第7大学サン・ルイ病院へ。国際NGOメンバーに参加し、旧ユーゴ領コソボ、ネパール、ニジェールなどでも活動







【神楽坂 肌と爪のクリニック】http://www.hadatotsume.com/

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