旅人マリーシャの世界一周紀行:第289回「おうちで世界飯。ニンニク25片がとけ込んだ肉骨茶(バクテー)で免疫力アップ!」

マレーシアの思い出の味、肉骨茶(バクテー)に挑戦しました!

みなさん、こんにちは。旅をおあずけされた旅人マリーシャです。わん。

そしてあっという間に迎えた2021年ですが、今年も世界の旅はできなそうで、ストレスの矛先は食欲へ。せっかくなので、ステイホームで持続可能な旅とすべく、世界の料理を作って擬似世界一周を始めたいと思います。ドンパフっ!

こう見えて私、オーストラリア・ワーホリ時代にイタリアンレストランでシェフやってたしね。エッヘン!(短期だけどもね!)そんなわけで料理に自信は......別にないんだけど、わりと好きなんです。

かれこれ5、6年かけて世界125ヵ国を飛び回っていたので、胃袋に入れた現地の食事も数え切れない。そんな思い出の味を振り返りながら、旅人風情がキッチンに立ってみたいと思います!

居酒屋感の強いエプロン着けてキッチンに立つ旅人

さぁ、テイクオフなわけですが、今回はボルネオ島のマレーシア領・コタキナバルで食べた「肉骨茶(以下、バクテー)」に挑戦!

バクテーとは、豚の骨つき肉や内臓肉をスパイスと醤油で煮込んだ料理。マレーシアが英国の植民地だった頃、福建省からやってきた中国人が作り出したのが発祥だとか。低賃金重労働の労働者にとって、肉を解体した時に残る肉片がついた骨は安くて良い栄養補給源になったそうな。

一方で、シンガポール発祥と主張されることもあり、海南鶏飯(チキンライス)とともに発祥を巡り論争となっている。日本の餃子といい、よくある話だな。

コタキナバルでは、ホステルで出会ったポーランド女子カトリーヌと一緒にバクテー専門店に行ったのだが、席に座ると、

「私、ベジタリアンだから食べないけど、見てるから、気にしないで食べてね」

と言われ、ひとりで注文。小鍋にグツグツと煮えたぎる茶色いスープ、そして一口サイズの肉片とつみれのようなボールも入っている。熱々のスープは八角の匂いがし、甘みがあって漢方っぽい味がする。

じっくり味わいたかったけど、待たせているのと観察されているのが気まずくて急いで食べたっけ。美味しかった気がするけど、いつかまたゆっくり食べたいと思ってました!

コタキナバルのバクテー専門店。さまざまな種類がある

土鍋でグツグツと煮えたぎるマレーシア系バクテー

旅でボロボロになった旅人のパワーの源

そして、今回このメニューを選んだもうひとつの理由は、「免疫力を上げてウイルスや病気に負けない体を作りたい」から!

コロナ対策もそうですが、この冬は旅ができないストレスからか、体に得体の知れない発疹やら倦怠感などの症状が現れ......(飲みすぎ?)。

バクテーはスパイスとニンニクたっぷりで体ポカポカになる薬膳スープ。今日のレシピは、ニンニクは25片入れるので、ステイホームの今がチャンスです!?(予定ありの方は、お控えください)

スパイスは黒胡椒、シナモン、八角、クローブ、花椒、クコの実などですが、現地の家庭ではバクテーの素(だしパック)を使って手軽に作るそうだし、今回は緊張の初料理企画ということもあり、一部チート(ズル)して、だしパック使っちゃいます。バックパッカー的旅人はやっぱり材料や道具も少ない、ミニマリストなお手軽世界飯だよね。

準備するのはこちら!

<材料> 4人分

・市販のバクテーの素(今回は「SONG FA」の1袋2パック入りを使用)

・水 1800ml

・ポークリブ 900g (今回はバックリブを使用)

・ニンニク 25片(3株くらいかな。強烈なので減らしても可!)

・ダークソイソース、ライトソイソースをティースプーン半々ずつ(両方、醤油で代用可)

じゃーん! 材料はこれと水だけっ! 左上から時計まわりに、ライトソイソース、ダークソイソース、バクテーの素、ポークリブ、ニンニク

今回はシンガポール有名店「SONG FA」のバクテーの素を使用しましたが、日本ではアマゾンや輸入食品を扱うスーパーなどで色々なブランドのものが入手可能。商品によって材料の分量は適宜調節してくださいね! ニンニクの量も強烈なので、減らしても大丈夫です(笑)。

シンガポール有名店「SONG FA」のバクテーの素。だしパック型で便利!

ポイントはダークソイソース。トロッと粘度と甘みのあるソースで、シンガポールではチキンライス(海南鶏飯)にかけてよく食べる。醤油で代用できるけど、本場の味に近づけるし、1本あっても良いかも。ライトソイソースは日本の醤油に近いので、家にあるものを使おう!

ダークソイソース「鶏飯老抽」が味の要!?

それではレッツ、旅人クッキン!

<下準備>

1.鍋に湯を沸かし、食べやすいサイズに切った肉を入れて15分程煮て、アク抜きをしておく。

肉を食べやすいサイズに切る

アクがたっぷり出ました。血抜きもできてるのかな

2.ニンニクは丸ごとでも皮むきでもOK! 今回はむいてます。

ニンニク25片! 思わずくんかするマリーシャ

<調理>

1.鍋に水、ニンニク、バクテーの素2パックを入れ15分沸かす

プカプカとバクテーの素が泳いでいる

2.アク抜きした肉、ダークソイソースとライトソイソース(または醤油)を鍋に追加し、50分煮込む

お醤油が入り透き通った茶色のスープができました

3.バクテーの素を取り出して、出来上がり

これだけです! 簡単すぎ!

完成。これが旅人流バクテーです

鍋蓋を開けると、鼻の奥に突き刺さるスパイス臭! 見た目はシンプルながらも、その匂いを嗅げばバクテーの威力にノックアウトされるでしょう!

「す、すすりたーい!」

熱々のスープを口に運ぶと、やってくるのが強烈な黒胡椒! ゴホゴホッ! むせる! かなり強めに効いたスパイスたちと、しっかり濃い目のパンチある味。

ブラックソイソースの甘みがアジア料理らしく、後を引きます。五臓六腑に染み渡り、体の中からポカポカとする感じ! そして骨付きの肉にガブリとかぶりつく行為! ああ、野生の勘を思い出す!(え?)

「ああ、これこれ! コタキナバルで食べたのこんな味......? いや、なんか違う気がする......」

現地で食べたものは甘みのあるスープだったはず。調べてみると、なんとマレーシア系とシンガポール系は味が違うんだって。き、聞いてないよー!

マレーシアは濃い色が出る漢方や中国の醤油を使っているので黒っぽく、シンガポールはクリアな出汁の色。黒バクテーに白バクテーとも呼ばれるそうです。レシピを伝えた中国人の出身地が違うためで、マレーシア系は福建省、シンガポール系は広東省だとか。しまった、うっかりシンガポール系の素を使ってしまった......。

思い出の味とはちょっと違ったけど......私はお酒に合うこの味も好きだ! むしろ、こっちの方が好きかも! よし、ハイボールを飲もう!(え?)

お酒とスープですっかり身も心も温かくなってきました。この冬はなんとか元気に越せそうです。また旅ができるようになったら、マレーシア系とシンガポール系を食べ比べにバクテー専門店をはしごしたいなぁ。

ちなみに圧力鍋で調理するとお肉が骨から解けるほどホロホロになって、ニンニクもほぼ溶けます(笑)! 圧力鍋だと煮込む時間はたったの5分

★次回更新予定は、2月11日(木)です

●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。コラム連載は5年間半を超える。Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】

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