食道楽の街・大阪でしのぎを削る「焼き鳥」の名店4選

食道楽の街・大阪でしのぎを削る「焼き鳥」の名店4選

新福島の「あやむ屋」

 煙の中から旨い香りが立ち上がる「焼き鳥」──。全国には地元で長年愛される老舗の焼き鳥店から、若者に人気のオシャレな店まで様々あるが、今回はサクッと一杯飲める店からコースをじっくり味わえる店まで、食道楽の街・大阪でしのぎを削る最強の4店を紹介しよう。

●あやむ屋(大阪・新福島)

 どのメニューも一口目から、意外性のある美味しさが広がる。旨みが強く、適度な歯ごたえのある丹波地鶏の味を最大限に引き立てるのは、最高級の紀州備長炭を使った巧みな焼き方と、計算し尽くされた塩、タレ、スパイスの絶妙な使い方だ。

 部位によって味付けの選択肢は異なり、提示された中から好みを選べる。仏・カマルグ産と対馬・赤島産の塩を振った「塩」は、最初に口に入る部分のみにかけられた黒胡椒がアクセントとなり、二口目以降は肉の風味の変化も楽しめる。

 醤油にカルバドスやシェリーなど多種類の酒をブレンドした「タレ」も唯一無二の味わい。料理業界人たちも通うミシュラン一つ星店の実力が一串一串に光る。

【あやむ屋】大阪府大阪市福島区福島5-17-39 楠ビル1F
・17時半~21時半(最終入店)/休みは日曜・祝日 ※お通し代432円

●炭火焼鳥専門店 八起亭(大阪・難波)

 昭和32(1957)年、大阪初の地下街のオープンとともに開店した人気店。創業当時から香川県産の若鶏を使い、約60年間、同じ場所で同じ味を守り続けている。

 首部分の肉を骨ごと大胆に焼き上げる「若鶏ねっく」(540円)は、創業時からの人気メニュー。土佐備長炭で焼いた表面は香ばしく、ほどよい脂身と骨回りのジューシーな肉が口の中で絡み合い、塩のみの味付けが旨みを引き立てる。

 筋肉の多い部位独特の弾力ある食感も楽しい。串の反対側に爪楊枝を刺し、両手で持ってかぶりつくのがおすすめの食べ方だ。店では朝絞めの新鮮な若鶏を使用し、大半のメニューをミディアムで提供する。秘伝のタレで食す肝や皮も美味。

【炭火焼鳥専門店 八起亭】大阪府大阪市中央区難波5(「NAMBAなんなん」内)
・月~金16時~22時(L.O.)、土15時~22時(L.O.)/休みは日曜、「NAMBAなんなん」の休日に準じる ※カード不可

●炭火やきとり 森田(大阪・本町)

 日本三大地鶏の一つに数えられる純系名古屋コーチンの串焼きをコースで供するミシュラン・ビブグルマン店。その日厳選した各部位を、気鋭の30代店主が起承転結を考えて構成する。

 紀州備長炭の強い火力で外側に焼きを入れ、各部位が持つ旨みを閉じ込める焼き加減と味付けが絶妙。提供する串は日によって異なるが、歯を入れた瞬間にユズの風味と旨みたっぷりの肉汁があふれ出す「つくね」、皮を巻いている胸肉「抱身(だきみ)」など特に人気の高い串は入れるようにしているという。

 追加で様々な部位の串もオーダーできる。締めの名古屋コーチンの旨みが凝縮した黄金色のスープまで、多彩な味と趣向を堪能できる。

【炭火やきとり 森田】大阪府大阪市中央区淡路町3-4-13 東和ビル
・17時半~売り切れ次第終了/休みは日曜・祝日

●とり平 総本店(大阪・梅田)

 JR大阪駅・阪急梅田駅そばの新梅田食道街の一角。開店直後から客が次々とカウンター席に吸い込まれていく。戦後間もない昭和27(1952)年の創業以来、庶民の胃袋を支えてきた老舗店には、昔ながらの味と懐に優しい価格が健在だ。

 鳥取や和歌山の鶏、大阪・河内松原の合鴨を使い、土佐備長炭で焼き上げる。創業者が考案した「ネオドンドン」(心臓/1本162円)、「ネオゴールド」(玉ひも/1本270円)、「ネオネオホルモン」(鴨の下腹部)といったユニークな看板メニューを楽しみに4代で通う常連客も少なくない。

 脂がのる「ネオポンポン」(2本540円)は、鶏の雄と雌の尻部分を食べ比べる遊び心も満載の一品。大根おろしで口直しをするや、次の串に思わず手がのびる。

【とり平 総本店】大阪府大阪市北区角田町9-10(新梅田食道街内)
・月~金15時~22時(L.O.)、土12時~21時半(L.O.)、日12時~17時半(L.O.)、祝12時~20時半(L.O.)/休みは不定休 ※お通し代432円。同食道街内に本店、北店もある

撮影■中庭愉生

※週刊ポスト2018年8月31日号

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