小堺一機がおすすめ GWにスカっとできる「笑いの真骨頂」名作映画

小堺一機がおすすめ GWにスカっとできる「笑いの真骨頂」名作映画

小堺一機がおすすめする名作映画は?

 新型コロナウイルス感染者が増加し、でかけにくい昨今。ゴールデンウイークを自宅で映画を見ながら過ごす人も多いだろう。ストレスがたまるこの時期なので、できればスカッとするような映画を見たいところ。そこで、映画通の小堺一機(65才)にオススメのスカッとする映画を紹介してもらった。

 映画好きの両親に連れられ、幼い頃から映画館に通っていた、という小堺。

「ふだんは落ち着きがないのに、映画館では飽きずにずっと観ていたんだそうです」(小堺・以下同)

 和洋問わずあらゆる映画を観てきた彼が、「ムシャクシャしたときに観る映画」として真っ先に挙げたのが『ゴッドファーザーPART I』。

「バイオレンスもあり、家族愛もある。喜怒哀楽が全部入っていて、これを観ると『ムシャクシャしているのは俺だけじゃないんだ』という気になります。まるでクラシック音楽を聴くような重厚感もありますよね。

 公開時は16才で、映画館で観ました。シリーズ通して100回以上は観ていますが、やはりPART Iのラストが秀逸。ドアの向こう側で、新たなドンとなったマイケル(アル・パチーノ)に、手下が『ドン・コルレオーネ』と呼んで恭順の意を表す場面は、かつては少年のようだったマイケルが、すっかりボスの顔になっている。閉まりゆくドアの内側から、妻のケイ(ダイアン・キートン)がなんともいえない表情で見つめていて、その顔が『ああ、彼は変わってしまったのね』と語っているんです。スカッとだけでなく、キュンとくる映画でもありますね。

 この後、いろいろなマフィア映画が出てきましたが、どれもこの作品にはかなわない。劇画と文学の違いと言ったらいいのかな」

 重厚でありながら、難解でないところも、この作品の素晴らしいところだ。

「かつて淀川長治先生が、『映画は誰が観てもわかるものでなきゃダメ。チャップリンの映画は、国境も超え、子供でもわかるでしょ』とおっしゃっていましたが、『ゴッドファーザー』はまさにそうでした。
 淀川先生といえば、テレビでは優しいけれど、『〈タイタニック〉は映画自体が沈んじゃってる』とか、結構辛辣で(笑い)。それでも、『どんな映画にも必ず1つはいいところがある』とおっしゃった。そうした言葉や『日曜洋画劇場』の解説を通じて、先生からは映画の見方を教わった気がします」

 ムシャクシャしたときは笑いも効果的。“笑いのプロ”である小堺は、ピンク・パンサーシリーズのピーター・セラーズ主演のコメディー映画『チャンス』をすすめる。関根勤や明石家さんまも好きな作品だそうだ。

「これは、コメディーの“ハーバード大学”といえる、笑いの真骨頂的作品です。

 庭師のチャンスは、数十年間家から出たことがなく、テレビでしか世間を知らないので、怖い人が来るとリモコンで消そうとする(笑い)。また、ひょんなことから政財界の要人に会うことになり、難しい経済の話を振られると、『春が来ない冬はない。水をたっぷりとあげてください』と、庭師として当たり前のことを言っているだけなのに『おお、深い!』と祭り上げられ、大統領候補にまでなっていくという突飛なストーリー。

 怪演で知られるセラーズが、普通の芝居をしているだけなのにものすごく面白いんです。そして最後は『うーん……』と考えさせられる終わり方。続きはぜひ観てください」

『ゴッドファーザー PART I』
イタリア系マフィア・コルレオーネ家の興亡を描く壮大な家族ドラマ。PART I〜IIIまでの3作がある。
監督:フランシス・F・コッポラ、原作:マリオ・プーゾ、出演:マーロン・ブランド、アル・パチーノほか。1972年・米。175分。
ブルーレイ2075円 、DVD1572円。発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント。

『チャンス』
無垢な庭師チャンスが、主人の死を契機に社会に放り出され、一躍時の人となっていく。社会風刺の効いたコメディー作品。
監督:ハル・アシュビー、出演:ピーター・セラーズほか。1979年・米。124分。
『チャンス30周年記念版』デジタル配信中。ブルーレイ2619円、DVD1572円。発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント、販売元:NBC?ユニバーサル・エンターテイメント。

【プロフィール】
小堺一機(こさかい・かずき)/1956年生まれ。1984年フジテレビ系『ライオンのいただきます(後に、ごきげんよう)』の司会に抜擢される。現在、サッカー・本田圭佑選手がCEOを務める各界のトップランナーの「声」が聴ける定額制音声サービス『NowVoice』に参画中。存分に映画を語る配信トークライブ『小堺一機とおしゃべりLIVE』第2回を今夏、開催予定。

取材・文/佐藤有栄

※女性セブン2021年5月6・13日号

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