危ない市販薬の飲み合わせ 眠気+眠気の増強副作用も

危ない市販薬の飲み合わせ 眠気+眠気の増強副作用も

多剤併用のリスクが叫ばれる

 健康のために飲んでいるはずの薬が、“組み合わせ”を間違えただけで健康を害してしまうリスクがある。高齢化によって増加した「多剤併用」の弊害が次々と表面化するなか、“危ない飲み合わせ”を患者自身が把握しておくことの重要性は増している。

 経済産業省の2017年の商業動態統計によると、ドラッグストアの店舗数は1万5000店を超え、前年比で5%増えた。コンビニエンスストアのような業態で24時間営業する店舗も多く、これまで以上に市販薬は容易に手に入るようになった。

 ただ、「薬が身近になっているからこそ、患者が知っておくべきことも増えた」と池袋セルフメディケーション薬局の薬剤師・長澤育弘氏は警鐘を鳴らす。

「複数の薬を一緒に服用していると、体内で作用を打ち消し合ってしまったり、逆に過剰に効果を発揮してしまったりする場合があります。こういった薬効の増減は『相互作用』と呼ばれるもので、添付文書などで注意喚起はされているのですが、見逃されてしまうこともある」

 ここにきて、国も「相互作用」についての注意喚起に注力している。今年7月には、各製薬会社が相互作用について適正な情報提供をすることなどを目的とした「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン」を厚生労働省が発表した。

 それだけ“飲み合わせリスク”に注意が必要ということだ。

◆眠気+眠気の“増強副作用”

 手軽に扱える市販薬同士にも、注意すべき組み合わせは数多く存在する。

「例えば、風邪の症状があったとします。『総合風邪薬』を服用しても咳が治まらず、併せて『咳止め』も飲んだ。その場合、多くの総合風邪薬に含まれるジヒドロコデインリン酸塩といった咳止めの成分を二重に飲んでしまうことになり、異常な喉の渇きを覚えたりするリスクがあります」(同前)

 同様に、「風邪薬」の服用後も熱っぽさが抜けず、「解熱鎮痛剤」を飲んだ場合には、胃が荒れる副作用がある解熱鎮痛成分を二重に服用したことになり、副作用が強く出るケースがあるという。

「この時期は忘年会や新年会などお酒の機会が増えます。『胃腸薬』を重宝する人も多いと思いますが、胃腸薬に含まれることがあるブチルスコポラミンという成分には、のどが渇く副作用があります。

 一方、暖房器具を使って閉め切った室内で過ごすことの増えるこれからの季節は、ハウスダストなどによるアレルギー性鼻炎を訴える人も多くなる。『鼻炎薬』の多くには、セチリジンやフェキソフェナジンといった抗ヒスタミン薬の成分が含有されることが多く、こちらも副作用に喉の渇きがあり、重複する。水が飲みたくなる程度ならいいでしょうが、ひどい場合は声が出なくなるほどの喉の荒れといった症状が出る可能性が存在しています」(同前)

 この抗ヒスタミン薬は、眠気の副作用が出やすい。また、「酔い止め薬」の一部にもこの抗ヒスタミン薬を含むものがある。

「2つを同時に飲むと、眠気の副作用がより強く出てしまうリスクがある。作業や移動のなかで、思わぬケガにつながる事故に遭うことも考えられます」(同前)

※週刊ポスト2018年11月30日号

関連記事(外部サイト)