恵比寿で暮らす32歳バリキャリ女性が結婚目前で破談した原因

恵比寿で暮らす32歳バリキャリ女性が結婚目前で破談した原因

結婚は勉強や仕事のように努力して手に入るものなのか?

 結婚を夢見ながらも、結婚に惑う女性たち。彼女たちは男性に何を求めているのか? せっせと婚活をしながらも、なぜ結婚ができないのか? 婚活女性たちの結婚の「分岐点」をレポートするシリーズ。

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◆独身のままアラフォーになった先輩たちを反面教師に

 都内の大手企業で研究職として働く麻衣子さん、32歳。現在は恵比寿で一人暮らしをする、いわゆるバリキャリだ。だが、プライベートでは、この冬、辛い別れがあったという。

「ようやく巡ってきた幸せだったのですが……、彼氏に浮気をされて、別れたんです。付き合って1年半、お互いに結婚を考えていたし、人生設計的にも、そろそろ結婚して、子供を産んで、仕事と両立して、と思っていた矢先だったので、ショックでしたね」

 結婚を考えていた元彼とは、飲み会で出会った。麻衣子さんは20代後半まで、大学時代に知り合った研究者の男性と付き合っていたが、互いに多忙で、休みが合わないなど、すれ違いが続いて破局。以来、彼氏はできず、焦り始めていた頃だったという。

「私は大学も理系で、職場にも男性が多いのですが、あまり恋愛経験のない人というか、恋愛に興味がなさそうなタイプが多くて、職場では見つからなかったんです。私自身も自分からぐいぐい行けるタイプでもないですし。で、営業の同期の友人が、よく合コンを開いているというから、私も誘ってよと勇気を出してお願いして、30歳前から、積極的に参加するようになりました。動かないとダメだと思ったので」

 麻衣子さんは、決して派手ではないが、原田知世似の爽やかな美人だ。性格は、真面目で物事にコツコツ取り組むタイプ、と自己分析する。そうした努力の甲斐あって、現在、やりたい仕事ができているともいう。人生設計においても、自分の計画を実現するためには、相応の努力が必要だと考えた。

「婚活パーティーにも行きました。30代ってあっという間というじゃないですか。結婚したいといいながら、アラフォーになってしまった先輩たちをけっこう見て来たので、今が勝負どき! って言い聞かせていました」

 積極的に動いた麻衣子さんは、30歳のとき、理想の男性に出会った。当時42歳、出版社で働く、陽二さんだ。

「ちょっと年上だなとは思ったのですが……、マスコミの人らしく話題が豊富で、面白くて、知的で、年齢以外は、パーフェクト。だからこそ、私にはハードルが高いかなと思っていたのですが、天文学が好きとか、語学が好きとか、趣味が合って、彼から誘ってくれたのです」

 陽二さんもまた、仕事が落ち着き、そろそろ家庭を持ちたいと考えていた頃だった。タイミングが合ったのだ。とはいえ、何より麻衣子さんを満足させたのは、陽二さんは仕事を頑張っている女性が好き、という点だったという。

「自分がやってきたことは間違ってなかった、これからも、自分が描いた人生が送れそうだなと、色々と報われたような気持ちになりました」

◆浮気が発覚「オレのタイプじゃなくなった」

 30歳での、結婚を前提とした、パーフェクトな出会いが、なぜ破局したのか。

「付き合って1年くらいたって、そろそろ(結婚)したいなと思っていた頃、彼が部署を代わり、仕事が忙しくなって、会う頻度が減ったのです。私たち、住んでいる場所が、ちょっと遠かったんですよね。それもあってか、実は付き合い始めた頃、同棲しようかといわれたのですが、断ったんです。私は、結婚するまでは一緒に住みたくなかったので。ただ、会う頻度が減っても、私は彼のことを全く疑っていなくて、近々結婚はするんだから、今は仕事を頑張って! 私も頑張るからね、と、おめでたく思っていました」

 そんな時期のある日、会いたくなって彼の家に突然行ったら、女の人が出てくるのを見てしまって……」

 問い詰めたら、陽二さんはあっさり白状した。少し前に飲み会で出会った子がタイプだったから、お持ち帰りしてしまった、以来、たまに会っていると。

「愕然としました。こんな人だったのかと。でもまあ、彼のことは好きだったし、一時的な気の迷いなのだろうと。必死に謝ってくれれば許そうと思ったのですが……」

 次の瞬間、陽二さんが発した言葉を聞いて、耳を疑った。

「麻衣ちゃん、なんか、オレのタイプじゃなくなったんだよね、と言われたんです」

 つまりこういうことだった。陽二さんは、美人だけどちょっと地味めな若い女の子が好きなのだと。そういう子が健気に頑張っている姿にホレるのだと。だから麻衣子さんを好きになったのに、付き合っているうちに、そうじゃなくなっていた、というのが陽二さんの言い分だった。

「私はキツくなったし、派手になった、と言われました。いろいろ話し合っているうちに、この人はもう冷めたんだと悟りました。愕然としましたね。浮気を知ったとき以上に」

◆冴えない女から脱出した先に訪れた「別れ」

 実際、麻衣子さんは変わったのか? 彼女自身も「変わったと思う」と認めた。だがそれは、陽二さんのために「変わろうと努力した」結果だった。

「彼はオープンな人で、友人同士の集まりや、仕事仲間との飲み会に、よく私を連れていってくれたんです。彼のテリトリーに入れてもらえること自体はとても嬉しかったんですが、行くと、どうしても、劣等感を覚えてしまった。彼の女友達は、美人でオシャレで、世慣れた感じの人が多いように見えたから。それに比べて私は、やぼったい、冴えない女だなという気がして」

 年齢差もあったのだろう。あるいは、マスコミで働く陽二さんの世界がキラキラしたものに映ったのかもしれない。麻衣子さんはライバル心を覚え、持ち前の努力家を発揮して、「彼に釣り合う彼女になろうと」と、頑張った。

 それほど興味のなかったファッションも、女性誌を読んで勉強し、美容院も変えた。陽二さんの女友達には、「麻衣子ちゃん、陽二と付き合って垢抜けたね」と言われたし、会社の同僚には「彼氏ができて綺麗になったね」と言われて喜んでいたが、その変化を、当の陽二さんが好ましくないと思っていたことに、露ほども気づかなかった。

「確かに彼は、そんなに頑張らなくていいよとか、オレは前の洋服のほうが好きだとか言っていたんです。でも、それは、私への気遣いだと受け取っていました」

 オシャレに気を使うようになった麻衣子さんは、内面的にも自信を持つようになったという。陽二さんに誘われた飲み会で、最初の頃は借りてきた猫のように大人しくしていたが、次第に自信を持って発言するようになった。そういう態度を、陽二さんは「キツくなった」と感じていたのだろうということが、今になってわかる。

「ふと思い出したんです。10年くらい前にヒットした『プラダを着た悪魔』という映画がありますよね。アン・ハサウェイが、雑誌の編集長に鍛えられて、どんどんオシャレに、洗練されていく物語なのですが、あるお笑い芸人が、最初のやぼったい頃のほうが良かったって言っていたんです。それを思い出しました。彼もそんな気持ちだったのかなと」

 今、麻衣子さんは、結婚前に価値観の違いに気づけてよかったと、前向きに受けとめている。陽二さんとは別れたが、服装にも気をつかい、化粧も学び、外見も自信のある自分でいたいとも思っている。

「結局、男の人って外見しか見てないのかなとも思うし、でもやっぱり、女の外見は内面ともつながっているようにも思うし……、難しいですね。いずれにしろ、今の私を好きになってくれる人を見つけるために、また婚活を頑張ります」

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