平成の終わりに「生まれ変わり」が社会的ブームとなっている

平成の終わりに「生まれ変わり」が社会的ブームとなっている

本当にそんなことがあるのか(写真/アフロ)

 新年を機に行ないや心を入れ替えることを「生まれ変わったよう」と表現するが、その「生まれ変わり」を文字通りの意味で捉えれば、“非科学的なあり得ない話”と思われるかもしれない。

 だが、実はいま、このテーマが自然科学の分野で真剣に研究されているという。

◆「次の瞬間、赤ちゃんになった」

〈自分の手が小さくなったのを見て生まれ変わったんだなと思いました〉
〈やっと、この世に戻ったという感じでした〉

 これは“前世で死んで生まれ変わった”という人々の証言を集めた著書『生まれ変わりの村』(河出書房新社)の一節だ。

 著者でジャーナリストの森田健氏は、中国奥地に実在するという“生まれ変わりの村”を1996年から何度も訪れ、前世の記憶を覚えているという村人たちの証言をまとめた。シリーズ全4冊が刊行され、累計17万部を超えるベストセラーとなっている。

「生まれる前の記憶」を持つ少女が、その世界で見た光景を伝える『かみさまは小学5年生』(サンマーク出版)も昨年3月に発売され、現在20万部を突破している。

 平成の終わりに「生まれ変わり」が社会的ブームとなっているのだ。『生まれ変わりの村』では、次のような事例が紹介されている。

 村民の42歳女性は、前世は男の子に生まれ、8歳のときに狼に噛まれて死んでしまった。前世について覚えている最後の記憶は、自らが死ぬ姿を〈魂になって一部始終を見ていた〉記憶だったという。

 女性が前世の記憶を思い出したのは4歳のときだった。夜道に出ようとすると、母親に「こんな暗い道を歩くと、狼に食べられるよ!」と注意され、その瞬間、前世の両親や住んでいた村などの記憶が蘇ってきた──というのだ。

 この村にはこうした証言をする人が80人以上存在したという。“男の子に生まれ変わった女性が前世の夫と再会した”“あの世をさまよった後、突然球のようなものに包まれ、次の瞬間、赤ちゃんになった”といった証言が続く。

 荒唐無稽にも思える話だが、なぜ大きな反響が寄せられているのか。著者の森田氏はこう分析する。

「私が生まれ変わりをテーマに本を出すことを知って、姉が“あの世や来世があるとしたら、亡くなった両親に会えるのか?”と質問してきたんです。

 私自身、生まれ変わりが実在すると断定したいわけではありません。しかし、私の姉のように“亡くなった大切な人にまた会いたい”とか“自分が生まれ変わったら〇〇になりたい”と考えることは、誰しもあるでしょう。そうした願いを持つ人々に、中国の村の証言が響いたのではないかと思っています」

 こうした生まれ変わりの事例は、自然科学の見地からも真剣に研究されている。その代表的な研究機関が、米バージニア大学医学部の知覚研究室だ。

 1967年に前身となる研究室を立ち上げたイアン・スティーブンソン教授を中心に、前世の記憶を持つ子供たちへの聞き取りを進め、現在までに世界40か国で2600例以上を収集している。同研究室で客員教授を務めた経験を持つ、中部大学教授の大門正幸氏が語る。

「研究の背景にあるのは、“人間の意識は肉体と独立して存在することができるのか”という、古くから科学が挑んできた問いかけです。実際に生まれ変わりの経験を語る人の主張を検証し、判断することは、研究のテーマとして価値があることだと考えています」

※週刊ポスト2019年1月11日号

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