好きな車・バイク漫画1位『サーキットの狼』著者が語る秘話

好きな車・バイク漫画1位『サーキットの狼』著者が語る秘話

「サーキットの狼」作者の池沢早人師氏

 連載から40年以上経った今も絶大な人気を誇るレース漫画『サーキットの狼』。週刊ポストが読者700人超を対象に行なった「好きなクルマ・バイク漫画」アンケートでも第1位に輝いた。著者・池沢早人師(旧名・池沢さとし)氏が、連載時の秘話を語った。

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 今でも「『サーキットの狼』のファンです」と言ってくれる人がいると嬉しいですね。車関係や出版社、レーサーの人たちに、「『サーキットの狼』のおかげでこの道に入った」という人たちに何百人も会いました。中にはクルマにハマりすぎちゃって「人生狂わされた」って言う人もいましたけど(笑い)。

 よくスーパーカーブームのキッカケを作ったなど言われますが、実は連載開始時の人気はいまひとつだったんです。『少年ジャンプ』はアンケート重視で人気がすべて。結果が出ない『サーキットの狼』を打ち切ろうという話が出ていたんです。

 でも、自分の中では手応えは確実にありました。漫画家の中でも筆は速い方でしたからとっとと仕事を終えると、よくドライブに出ていました。主人公と同じロータスに乗っていましたから、信号待ちの時などは、子供たちが駆け寄ってきて写真を撮っていくんですよ。それが連載を追うごとに増えていく。人気が上がっていくのを肌で感じていました。その手応えは、打ち切りが告げられた翌週のアンケートでいきなり1位という結果で表われました。もちろん打ち切り話は消滅です。

 もっとも思い入れのあるシーンは、前半のクライマックス、初のメインレースとなる「公道グランプリ」のフィニッシュシーンです。車体がひっくり返ったままゴールするシーンは、実話を元にしたものなんです。

 当時ロータス・ヨーロッパに乗っていた仲間から、首都高でひっくり返って滑走した話を聞いたんです。それでも運転手は無傷だったと。「この話もらった!」とラストに描きました。

 この「池沢早人師 サーキットの狼ミュージアム」は、2009年に僕の漫画家デビュー40周年を記念して色んな人の協力があって開館しました。当初は気恥ずかしくて開館に躊躇していたんだけど、よくよく考えたら存命中にミュージアムを開く人ってあまりいないんだよね。そう考えたら面白そうだなと思って開館することになりました。

 オープン記念に、作中に登場するスーパーカーの実物を使って、サーキットでレースもしました。

 僕はこれまで70台以上のスーパーカーに乗ってきましたが、今でもクルマには興味が尽きませんね。最近は若者のクルマ離れが話題になりますが、もったいないですよ。

【PROFILE】いけざわ・さとし/1950年生まれ。高校3年の時『少年ジャンプ』にて『怪童のひびき』でデビュー。1975年に『サーキットの狼』が大ヒットとなる。近年は小説執筆にも意欲を燃やし、『三流レーサー』『スーパーカー値千金』などの著作がある。

◆池沢早人師 サーキットの狼ミュージアム
【住所】茨城県神栖市息栖1127-26【開館日】土・日・祝祭日【開館時間】10:00〜16:00【入館料(税込)】大人800円、小中高生400円※保護者同伴の小学生以下は無料。

取材■浅井英彦(HEW)

※週刊ポスト2019年3月29日号

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