がん検診・抗がん剤 受けるor受けないの境界線は

がん検診・抗がん剤 受けるor受けないの境界線は

検診は受けるべきか受けないべきか(写真はイメージ)

 早期発見が重要ながん治療において、検診の重要性は言を俟(ま)たない。だが一方で検診には重大なリスクもある。新潟大学名誉教授の岡田正彦医師が語る。

「X線やCTスキャンは放射線の被ばく量が多い。アメリカの大病院の研究では、胸部レントゲン検査を受けたグループの肺がんリスクが高まりました。なかでも危険なのはバリウムによる胃がん検査で、被ばく量は肺がん検査の100倍近くになると考えられます。

 本来治す必要のないがんが発見されて、手術や抗がん剤治療を施すことでかえって死亡率が高まる『過剰医療』の問題もある。特に体力のない高齢者にとって大問題で、基本的には70歳過ぎたらがん検診はデメリットの方が多く、受ける必要はありません」

 アメリカの学会では、70代以上で「平均余命10年未満のがん」へのがん検診は控えるべきという指針も出ている。

◆抗がん剤服用するorしない

 がんが見つかった場合、「外科手術」「抗がん剤治療」「放射線療法」が主な治療法となる。

 なかでも抗がん剤治療は、がん細胞を破壊する効果がある一方、正常な細胞を傷つける副作用も指摘されており、多くの患者が使用を迷う。

 抗がん剤使用の分かれ目となるのは、「75歳以上かどうか」である。国立がん研究センターが2007年から2008年に同センターを受診した末期がん患者の登録データを解析したところ、75歳未満では、抗がん剤を使用した患者の方が、未使用の患者より生存期間が長かった。

 ところが75歳以上になると生存期間に差は見られず、抗がん剤を使わなかった患者の中には、使った患者よりも半年以上長生きしたケースも見られた。

 体力がない高齢者の場合、抗がん剤の副作用が薬効を上回ることはありうる。75歳を超えたら抗がん剤は避けたほうが賢明だ。

※週刊ポスト2019年5月31日号

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