ママを助ける「ケープ付き授乳カットソー」、開発と特許取得まで

ママを助ける「ケープ付き授乳カットソー」、開発と特許取得まで

360度のぜいたくなフリルを使用した『ケープ付き授乳カットソー』

 母乳育児をしている母親で、授乳の際に中座したり、人前で授乳をするのが恥ずかしかったりして、苦痛に感じている人は案外多いのではないだろうか。

 そんな悩みを解消するのが、普通の服として着用でき、スマートに授乳ができる『ケープ付き授乳カットソー』(フリーサイズ、1万692円。)だ。自らの授乳の経験からこのアイディアを形にした開発者に話を聞いた。

『ケープ付き授乳カットソー』を開発したのは、福岡県に住む30代の主婦・末次薫さん。末次さんは、一児の母。2016年に出産し、お祝いなどで来客が続く中、赤ちゃんに授乳をする際、そのたびに席を外すことが憚られ、授乳ケープを使って授乳をしながら来客に対応していたが、Wいかにも授乳中Wとわかるのが恥ずかしいと感じていた。

 また、母乳を欲しがってぐずる赤ちゃんを前にすると、早く飲ませてあげたいという気持ちになるため、スマートに授乳できる「服として成り立つ授乳ケープ」が欲しいと考えた。ネットなどで探してみても思うようなものがなく、自分で作ってみようと決意した。

 アイディアを形にするため、地元のビジネスコンテストに企画書を作って参加するも、結果は落選。実際に形になった服がないと、伝わらないと実感した。実は末次さん、結婚式のカラードレスを自らデザインするほどこだわりのある人。その際に知り合ったドレスショップのオーナーにサンプル作りを依頼した。

 末次さんが目指したのは、服として成り立つことと、人前でもスマートに授乳できること。授乳口が左右2か所に付いているカットソーをぐるりとケープが囲み、ケープ上部のファスナーを開けると赤ちゃんの顔を見ることができるデザインだ。本格的にサンプルを作るため、国内の工場と直接交渉したが、「一介の主婦が作るもの」として、断られることも多かった。

 サンプル作りと同時に進めていたのが特許の取得だった。特許を取得することで、付加価値をつけようとしたのだ。もっとも苦労したのがこの特許の取得だったという。服のデザインは通常、意匠権として登録することはあっても、特許を取得すること自体が非常に難しい。

 また、同じような商品がないというのを証明するのが非常に困難なのだ。

 さまざまな特許事務所に足を運んで相談するも、取れない可能性の方が高いと言われた。子育てをしながら、サンプル作りと特許の取得を少しずつ進めていった。開発中の打ち合わせに、わが子同伴で足を運んだこともあったという。

 3年の時を経て、特許を取得し、商品も無事完成した。「わが子は卒乳しましたが、これから授乳するママたちの役に立てればうれしい」と末次さん。意外だったのが、母親本人だけでなく、プレゼントとしても需要があったこと。

 サンプルを使用したユーザーからは、「生地が柔らかく通気性もあり、授乳中の赤ちゃんの居心地がよさそう」「授乳ケープを持ち歩かなくてよいので荷物が減った」と好評の声が上がった。

 現在は、月100枚を国内の工場で仕立てており、7月中旬からAmazonで予約を受け付ける予定だ。

※女性セブン2019年7月25日号

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