台風被災者が語る車の重要性「災害時は家にも発電機にもなる」

台風被災者が語る車の重要性「災害時は家にも発電機にもなる」

本当に必要なものは?

 台風15号が残した爪痕は大きかった。暴風雨により送電用の鉄塔や電柱がなぎ倒され、千葉県では一時、約60万軒の大規模停電が発生、3万戸以上で断水した。

 台風一過から1週間が経っても、なお約12万5000軒で停電が続き、完全復旧にはさらに2週間程度かかるという(9月15日現在)。

 広範囲の停電が起きれば、自宅だけでなく、コンビニも公共施設もすべてエアコンが止まる。では、台風・豪雨の被災経験者が、「準備しておいて良かった」「足りなくて困った」と感じたものは何か。

◆「自動車」は情報収集、熱中症対策に役立つ

 千葉県大網白里市の自宅で被災したノンフィクション作家の柳原三佳氏は、停電のなかでの約50時間の体験で「自動車が役立った」と振り返る。

「陽の当たらない駐車場に車を停め、アイドリングさせたままエアコンを効かせて休憩しました。

 長時間エンジンをつけたり、避難の移動のために車に乗る人が、ガソリン給油に長蛇の列を作っていた地域もありました。そのため、予報を見て台風が近づいていたら、ガソリンを事前に給油しておくと良いと思います。

 さらに、停電の影響でスマホが使えない状況が続き、ラジオアプリも使えなかったので、カーラジオで情報収集できました」

◆コンセント代わりに「車の電源用ソケット」

 

停電地域の市役所などでは、スマホの充電のために行列ができたが、実はスマホの充電にも車が使える。

「シガーソケットに挿す『USB用電源ソケット』で車からスマホに充電できます。これは100円ショップで買えます。数千円で購入できる『シガーソケット用12V電源インバーター』もあり、より強力な充電手段になります」(前出・柳原氏)

 車を所有している人でも電源ソケットを用意しているとは限らない。車を持たない人も持っておけば、近隣住民の充電手段として活躍し得る。スマホなどのモバイルバッテリーや、電池切れに備えた手回し式の充電器も準備したい。

◆車に「水」「食料品」を積んでおく

 車は“倉庫”にもなる。

「米や缶詰、水などの食糧は防災リュックに入れても重くて持ち歩けないので、いざというときは結局、車で運ぶことになります。最初から車に積んでおいたほうが良いでしょう。今はペットボトルの水と、熱を加えなくても水だけでご飯が炊ける『アルファ化米』を車のトランクに積んであります」(前出・柳原氏)

 とくに、高齢者が重い防災袋を掲げて避難するのは困難が伴う。自動車を持っていない、あるいは免許を自主返納した人も、近所の知人などと、事前に自動車の共有について話し合っておくと安心だ。

※週刊ポスト2019年10月4日号

関連記事(外部サイト)