モヤる会社の人間関係、「○○星人」と定義すればラクになる

モヤる会社の人間関係、「○○星人」と定義すればラクになる

コピーライターの野澤幸司氏

 職場の人間関係に悩む人は多い。「ああ、今日も会社に行くの、つらいなあ」・・・・その理由を突き詰めて考えると、たいていは仕事の内容そのものより、それにかかわる人との関係性が自分たちを憂うつにさせるのです。「そう、会社という小宇宙は、変な人だらけ。自分の価値観がずれているのか?それとも周囲の価値観がずれているのか?疑うのならばいっそのこと、彼らのことを宇宙人と定義してしまえば、“宇宙の不思議”として受け入れられるんじゃないのか?」──こう話すのは、コピーライターを生業とする野澤幸司さん。きっかけは、一冊の本でした。

◆気くばり満載の世の中はある意味ホラー

 仕事終わりに立ち寄った駅そばの書店で目についた、「いま売れています!」の文字が踊る一枚のポップ(広告)。そこに平積みされていた本は、若い女性向けの“気くばり”のコツを集めた本。いわゆるマナー本とは一線を画す、ちょっとしたひと手間(気づかい)で、人間関係を円滑に、いまよりよいものにステージアップしてくれる方法を網羅したものでした。野澤さん自身が後輩女性との距離の取り方に悩んでいたこともあり、迷わず購入。帰りの電車の中で読み進めるうちに、野澤さんは震えてきます。

「こ、この本って、ホラーじゃん!!」

 自分がボーッと生きているあいだに、女性たちは、「自分の気持ちができるだけ誤解されることなく伝わるように」「相手との距離が縮まるように」「よろこばれるように」「また会いたいと思われるように」と、日々、気をくばりまくっているのか。それがいまのデフォルトなのか。女性、すげえ。いや、世の中すげえ。おれ、完全に出遅れてないか──。

◆全82種にわたる宇宙人を捕獲、その生態と対処法

 じつにかゆいところに手が届くよくできた構成だったこともあり、野澤さんはあっというまに読了。そして考え込んでしまいます。かわいいふたりの娘(彼は二児の父親)も、そんな気くばり上等の世の中で生きていかなければならないのはたいへんだろうなあ。どんな会社に入ろうと、どんな仕事に就こうと、必ずそこにある“人間関係”という荒海をあの子たちはここまでの覚悟をもって泳いでいかなきゃならんのかあ、と──。

 いやいや、もっとちゃらんぽらんで、気持ちがラクになる、荒海の泳ぎ方を提案できないものだろか。その答えが、モヤる相手=“異文化”の人たちに、「〇〇星人」と名前を付け、その生態や対処法を講じる、というものでした。たとえば──。

●自分がプロジェクトの中心であるかのような顔をして仕事をスタートさせるが、“俺の仕事アピール”が完了すると同時に“あとはよろしく”とフェードアウトしていく《あとよろ星人》
●自分の席で爪を切ることが習慣化している《会社で爪切り星人》
●思うようなパフォーマンスや結果を出せないことに対して、職場環境のせいにしようとする《環境のせいにする星人》

 ──などは、トラブルには発展せずとも、近くにいるとちょっと厄介。

 デジタル化が進んだイマドキは、

●メールの件名に“重要”を連発する《全部のメールに【重要】星人》
●几帳面で丁寧な性分ゆえ、メッセージが長すぎて面倒くさがられてしまう《メッセージ長文星人》

 といった問題児も。クセが強すぎて、一周回って好きかもしれないと思わせる以下の宇宙人も!

●さりげなく子育てに対するコミットの高さをアピールしてくる《イクメンアピール星人》
●合コンのある日は、ふだんとあまりに違うファッションや髪型で同僚たちを混乱させる《今夜合コンなんだな星人》
●キャリアウーマンの先輩を上手に手玉に取りながら寵愛される《女性のセンパイ転がし星人》

 野澤さんが多種多様な星から見つけてきた宇宙人の数は、82種にも! 全種を知りたいひとは、『同僚は宇宙人職場のモヤモヤ一掃マニュアル』(小学館)を手に取ってみてください。読み進めていくうちにモヤモヤ度合いは下がっていき、読み終えるころには宇宙の広さ、神様のフトコロの広さに驚かされるかもしれません。

【プロフィール】野澤幸司(のざわ・こうじ)茨城県牛久市生まれ。青山学院大学法学部卒業。ハガキ職人を経てコピーライターに。普段はいろいろな広告のコピーやCMを考える仕事をしている。近著にして初の著書『妄想国語辞典』(扶桑社)が発売から3か月で2万部のスマッシュヒットに。本人は「人の目を見て話せない星人」でもある。

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