卒乳のベストなタイミングは「子どもが決断する時」

卒乳のベストなタイミングは「子どもが決断する時」

卒乳の時期は1〜5才と個人差がある。焦らず自然な卒乳を待つのが理想(イラスト/すぎやまえみこ)

 大阪・阿倍野区にある『助産院ばぶばぶ』院長で助産師のHISAKOさんは自らも11人の子を産んだ肝っ玉母さん。全国から彼女のもとへと駆け込む母親の数は約5万人にも上る。そんなHISAKOさんが、子育て、特に授乳に関するトラブル解決法を教える。

◆おっぱいトラブルとケア

 授乳中のトラブルに多く見られる乳腺炎には、乳管の詰まりによって母乳が乳房内にたまって起こるうっ滞性乳腺炎と、乳頭や乳輪の傷口から細菌が入り込んで起こる急性化膿性乳腺炎の2種類がある。症状は倦怠感や関節炎、頭痛、発熱など。

「うっ滞性乳腺炎の原因は母乳分泌過多や、授乳間隔のあきすぎや外出などで授乳回数が減ってしまったなど母乳をためすぎてしまうことによって起こります。初期症状では乳房にしこりができ、触ると痛みを伴います」(HISAKOさん・以下同)

 暴飲暴食や冷え症、肩こりといったことも血液の循環を悪くさせ、しこりを作る要因となる。

「授乳時に赤ちゃんが吸う角度がいつも同じで開通していない乳腺があると、乳口を塞いでしまい、乳頭に白いニキビのようなもの(白斑)ができるのですが、これも乳腺炎となる原因となります」

 化膿性乳腺炎は、うっ滞性乳腺炎が進行したもの。さらに傷ついた乳頭から連鎖球菌や黄色ブドウ球菌などの細菌が乳管を通り、乳腺組織の中で広がってしまうのが原因。

「どちらの乳腺炎も対処法としてはとにかく頻回授乳をすること。たまった母乳が少しずつ減り、しこりも徐々に小さくなってきます。白斑がある場合も同じ。赤ちゃんに吸わせることで栓が抜けます。先の尖ったもので無理矢理取り除くと乳頭を傷つけ、炎症が悪化してしまうので要注意」

 仕事などで授乳ができない場合は搾乳機を使用するのもよい。

「半日経ってもしこりや発赤・痛み・発熱がある場合は自己判断せず、病院や助産院で診てもらいましょう」

◆卒乳と断乳の悩み

「お母さんたちからは“いつおっぱいをやめればいいの?”という声もよく耳にします。まわりから、“1才を超えたのにまだ母乳をあげているの?”と言われて落ち込む人も多いです」

 以前は“長く母乳を与えていると自立心のない子供に育つ”とまでいわれていたが、HISAKOさんは「まったく根拠のない話」と言う。

「子供にとっておっぱいは心のよりどころ。卒乳は目指すものではなく結果論。あくまでも子供が自ら“もうおっぱいがなくても大丈夫”と、感情のコントロールができるタイミングで行うのがベストです。WHO(世界保健機関)では離乳食と併せて最低でも2年以上母乳を与え続けることを推奨しています」

 日本でも、かつての厚労省の指導では1才からの断乳をすすめていたが現在では、母子健康手帳から断乳という言葉が削除されている。

「とはいえ、2人目がほしい場合、仕事の復帰、どうしても授乳を続けるのがつらい時などは断乳を選択する必要もあります。目安としては、歩ける、歯が生えそろう、言葉が出始めて大人の言うことがある程度理解できるようになった頃。子供の心と体に負担をかけない断乳が可能な時期です」

 また、母乳育児の完了は母親にとってもターニングポイント。『助産院ばぶばぶ』では、母子が共に次のステージへとステップアップする前向きな捉え方を意識づけるようアドバイスを行っている。

「“私のせいでごめんね”と後ろ向きに考えているとネガティブな思いが子供に伝わってしまいますから、2人で力を合わせよう!という気持ちを子供に話してあげましょう。大切なのはお母さんの笑顔です」

※女性セブン2020年2月20日号

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