外資コンサル男の「領収書」にドン引きしたアリサ34歳の告白

外資コンサル男の「領収書」にドン引きしたアリサ34歳の告白

婚活で出会った仲良しカップルを引き裂いたのは「領収書」

 結婚を夢見ながらも、結婚に惑うアラサー女性。彼女たちは男性に何を求めているのか? 婚活女性たちの結婚の「分岐点」をレポートする連載、第3回をお届けする。私はこうして結婚しました、あるいは、できませんでした……。

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◆男女の参加費が同額くらいのパーティーが私には合っている

「私のほうから好きになったのに……、気持ちが冷めたのは、デートの支払いを見たときでした」

 婚活中のアリサさん、34歳。化粧品メーカーで働く華やかな女性だ。女性の多い職場の上、30歳を超えて出会いの機会が減り、焦り出して、婚活を始めた。アリサさんの主戦場は、婚活パーティー。様々なパーティーに参加するうちに、自分に合う場所がわかってきたという。

「私の場合は、男女の参加費が同額くらいのパーティーがいいんです。女性が無料のだと、20代の若いサクラの女の子がけっこういたりして、年齢で負けちゃう。対して、医者とか弁護士とか、年収が高い男性限定のパーティーになると、そういう男性には知り合えるかもしれないけど、女性が高額を払わなきゃいけない。女性に高い参加費を払わせるパーティーに来る男の人は、ちょっと信用できないなぁと思って」

 かくしてアリサさんは、会費1万円程度のワイン会に足繁く通い、半年前に、同い年の洋輔さん(34)に出会った。

「第一印象はそんなに。ただ、外資系企業でコンサルタントをしている人で、私の働く業界に詳しく、仕事の話が合ったんです。で、住んでる場所が近かったから、よかったら今度、仕事帰りに近くで飲まない?、美味しいところがあるからって誘われて、自然にラインを交換しました」

 最初のデートは金曜の夜、少し遅めの時間からだった。

「私も残業のあった日で、20時過ぎから、家の近くのワインバーで。彼は留学経験があることとか、数年前に転職して外資系企業に入ったこと、今、やりたいことができてすごく充実してることとか、主に仕事についてアツく語ってました。

 前の彼女は20代で、若いのに専業主婦願望が強かったとか。彼としては、頑張って働いている女性、いつまでも綺麗にしていてくれる女性がいいんだと言っていて、あ、私たち、合うかもと」

 話し足りないまま夜は更けたが、洋輔さんは翌日も早朝から予定があるからと、日付が変わる前に切り上げた。次は週末にゆっくり会おうと約束して。

「和食は好き? いい鮨屋があるから、予約しておいていいかな」

 鮨は大好きだ。どんな店に連れてってくれるんだろうと、アリサさんの胸は高鳴った。同時に、洋輔さんに心を奪われつつある自分に気づいた。

◆銀座の鮨屋で目にしてしまった「領収書」

 約束の土曜日、アリサさんは銀座の鮨屋で至福のときを過ごしていた。

「彼は音楽が好きで、中でもジャズが好きで、いろいろ教えてくれました。私は学生時代、ブラスバンド部だったので、趣味も合うなあと。彼が私のことをどう思ってるか、はっきりはわからなかったけれど……、こんな良いお店に連れてきてくれたんだから、悪くは思ってないはずだと、それなりに自信を持っていました。星付きのお店ではなかったけれど、美味しくて、上品で、本当にステキなお店だったので。こういうお店を知ってるっていうのも、男として頼もしかった」

 食事を終えて化粧室に立とうとすると、洋輔さんは「今日は僕が誘ったから払わせてね」と爽やかに言った。そのスマートな対応に、また惚れ惚れした。

 が、次の瞬間、アリサさんのほろ酔いは一気に冷める。店の人が洋輔さんに領収書を渡すのを、化粧室から出たタイミングで、たまたま目撃してしまったのだ。

「えっ、領収書?」

 洋輔さんの前ではなんとか平静を保ったものの、ひどく動揺していた。洋輔さんはアリサさんを家の前まで送ってくれたが、その間、領収書の紙切れが頭から離れなかった。

「ああ、私は、そういう扱いだったのかと、ショックでした。真剣に婚活して、大事なデートで領収書を切られるなんて……なんだ、全然気に入られてなかったんだと。ええ、もちろん、プライベートで領収書を切っていいのか、っていうモラルの問題もあるんだけれど、それよりも、彼を好きになってしまっていた分、プライドを傷つけられた気持ちが強かった」

 もう洋輔さんからの誘いはないだろうと、フラれた気持ちで、その日は泣きながらベッドに入った。

◆“領収書デート”に悪びれない理由

 ところが。朝目覚めると、洋輔さんから陽気なラインが入っていた。<昨日はとっても楽しかったね! オレはぜんぜん話し足りなかったよ。次は、職場の近くに最近できたステーキ屋にどうかな、絶対美味しいから!>

「なーんだ、彼は一緒に食事に行く人がいなくて、私がちょうどいい相手なんだな、と思いました。会社のお金で食べるわけだから、懐も痛みませんしね。でも私は、未来のない人と遊んでる暇はない! と断ろうと思ったのですが……、好きな気持ちがあったので、つい行っちゃったんです」

 またもや洋輔さんが領収書をもらう場面を見たアリサさん。その後、何度か同じような状況を目撃した。2人で会っている時間は楽しい。けれどこれは、“領収書デート”なんだ……。ざわつく気持ちを押さえられなくなったある日、ついに言葉に出した。

「私が気付いてないと思ってるかもしれないけど……、領収書もらってるよね」

 すると、さらに驚いたことに、洋輔さんは明るくこう言い放った。

「そうなんだよ! 自慢じゃないけど、オレの会社って、いま業績がよくて、けっこう交際費が使えるんだよ。オレ自身が、使えるポジションに付いてるってのもあるし。実際、アリサちゃんと話してると、仕事のヒントにもなるんだよね。そういう男のステータス的なことを自分から話すのって、オレ的にはイタイから言わなかったんだけど、気付いてたなら言うね。

 結婚しても会社のお金で美味しい物が食べられるように頑張るから、安心してください! もちろんアリサちゃんが働くのは賛成だけど、ずっと綺麗でいてほしいから、アリサちゃんにはできるだけ自分を磨くことにお金をかけてもらいたいと思ってる。

 あ、俺はもう付き合って、できれば結婚を、って気になっちゃってたんだけど、、、先走ってたらごめん」

 照れて笑う洋輔さんをよそに、アリサさんはわけがわからなくなっていた。

「なんなの!? 自分のお金をケチっている上に、さらにそういう自分を堂々と自慢してくるって……。二重の意味で、ない、と思いました。領収書で奢られるくらいなら、割り勘でよかったんですよ」

 ほどなくアリサさんは、もう会わないと洋輔さんに別れを告げた。

「心残りがないといったら嘘になるかもしれない……。けど、冷静に考えて、会社のお金でデートするなんて横領扱いされかねないんじゃないかと思うし、そんなヤバイ橋を渡る男の将来は不安すぎる。だから、私の決断は間違ってなかったですよね」

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