【法律相談】住宅管理者の意向に反した電力会社変更は可能か

【法律相談】住宅管理者の意向に反した電力会社変更は可能か

マンション側の意向を無視して変更できる?

 昨年4月から電気の小売業への参入が自由化されたが、マンションから電力会社を勝手に変えないよう通達があった場合、これに従わねばならないのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 引っ越し先の独身者専用のマンションで、管理人より「当マンションでは、Aという電力会社からの供給が決まっています。勝手に電力会社を変えないように」と通達されました。しかし、電力会社をどこにするかは個人の自由であり、この通達には納得できません。それでも従わないと大事になりますか。

【回答】
 電力を一般家庭に供給する取り引きを電力の小売供給といい、小売供給する電力会社を小売電気事業者といいます。昨年4月1日以降は、電気の小売業への参入が全面自由化され、料金メニューを見て電力会社を自由に選択できるようになりました。小売電気事業者は、経産大臣の登録制で、資源エネルギー庁のホームページで探せます。

 小売供給契約は、電気を必要とする者が契約するので、マンションの賃貸借の場合であれば、賃借人が個別に業者を選び契約できます。業者を強制することは、賃貸借契約で、そのように決まっていない限りはできません。賃貸借契約を確認してください。

 大規模なマンションなどでは、賃貸人が一括して電気事業者と供給契約を締結し、各戸の消費電力を計測するため、各戸にそれぞれ子メーターを設備しているケースがあります。

 その場合は、賃貸人が全体の電力使用料を親メーターで管理し、子メーターの数値に基づいて、全体の消費電力の料金を割り振り、賃借人に請求することになります。受電方式がこのようなマンションであれば、仮に契約上の制限がなくても、あなたのところだけ別の業者に変更することは事実上、難しいと思います。

 そして、子メーターが正確であり、管理人の割り振り計算が合理的であれば、大量受注になるので電気料は当然、割り引かれているでしょうから、一括受電方式のほうが有利かもしれません。こうした事情もなく、かつ契約上の制限もない場合には、適宜の業者と小売供給契約を締結してもよいと思います。

 ただし、メーターの取り替え作業が必要になります。マンションを傷つけるような工事ではないと思いますが、念のために業者からそのようなことがない旨を確認した上で実行してください。

【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。

※週刊ポスト2017年6月16日号

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