薬の効能と同種の謳い文句のトクホ商品利用、医師に相談を

特定保健用食品(トクホ)、降圧剤のACE阻害薬と併用し、血圧が下がりすぎる恐れも

記事まとめ

  • 特定保健用食品(トクホ)には生理学的機能に影響を与える「保健機能成分」が含まれる
  • そのためトクホは、医薬品との相互作用に気を配る必要があるという
  • トクホと降圧剤のACE阻害薬を併用すると、効果が増強して血圧が下がりすぎる恐れも

薬の効能と同種の謳い文句のトクホ商品利用、医師に相談を

薬の効能と同種の謳い文句のトクホ商品利用、医師に相談を

トクホと薬の飲み合わせには要注意

 ヒット商品が相次ぎ、活況に沸く特定保健用食品(トクホ)市場。2016年度の市場規模は6463億円にのぼる。

 トクホとは1991年に国民の健康増進を目的として法制化された制度で、国が商品を許可・承認する。昨年12月末時点で許可品目数は1253点だ。いわば国がお墨付きを与えた健康食品であり、「おなかの調子を整える」「食後の血糖値が気になる方に」などの“謳い文句”を表示することが認められている。

 トクホには身体の生理学的機能に影響を与える成分である「保健機能成分」が含まれる。それゆえやはり、医薬品との相互作用に気を配る必要が出てくる。というのも、薬の作用は食べ物や飲み物の組み合わせによって大きく変わることもあるからだ。「作用の増強」では効果が必要以上に強まり、一方、互いの効果を打ち消す「作用の減弱」により薬が効かなくなることもある。

 保健機能成分「難消化デキストリン」を含み、〈食後の血中中性脂肪の上昇をおだやかにする〉との認可表示が認められているトクホ「コカ・コーラプラス」を販売する日本コカ・コーラ広報担当者がいう。

「医薬品との飲み合わせについては、特定保健用食品制度に則り、商品ごとに『××の治療薬ではありません。治療中の方は、医師などの専門家にご相談ください』といった文言を製品のパッケージや広告などに記載し、注意喚起に努めています」

 パッケージには注意喚起の文言とともに成分名も記されているので、見逃さずに確認することが大切だ。

 前述の“謳い文句”も注意を払いながら読んでおきたい。薬剤士の堀美智子氏が指摘するのは、〈血圧が高めの方に〉が謳い文句のケース。

「こうしたトクホには、血圧を下げる成分のラクトトリペプチドが入っていることが多く、降圧剤のACE阻害薬と併用すると効果が増強して血圧が下がりすぎるといった恐れがあります」(堀氏)

 降圧剤を服用するのは当然ながら“血圧が高めの方”なので、うっかり併用してしまいかねないわけだ。

 ラクトトリペプチド入りのトクホをカリウム保持性利尿薬と併用すると、血清カリウム値が上昇して高カリウム血症となる危険性もある。

〈お腹の調子を整える〉と謳うトクホに含まれるオリゴ糖は強心薬の吸収を遅らせる相互作用がある。薬学博士で日本くすり教育研究所・代表理事の加藤哲太氏が指摘する。

「このタイプのトクホに含まれる食物繊維は強心薬と結合して薬の吸収を妨げてしまうので、強心薬が効きにくくなってしまいます」

 加藤氏は、とくに“謳い文句”にある症状を治療するための薬をすでに服用している場合は、トクホを口にする前に医師などに事前に相談するようアドバイスする。

※週刊ポスト2017年6月16日号

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