「ちょいマシ」なおっさんに見られるための寸止め会話術

「ちょいマシ」なおっさんに見られるための寸止め会話術

下ネタジョークで嫌われない方法(写真:アフロ)

 以前本サイトに掲載された「ちょいワルジジイ」のモテ方指南の記事がネットで良くも悪くも話題になった。あの是非はともかく、モテたい男性は多い。だが「ちょいワルジジイ」ほど金も元気もないおっさんはどうすればいいのか。大人力コラムニストの石原壮一郎氏が、「女性に嫌われないモテる下ネタトーク」のコツを伝授する。

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「おいおい、夢ぐらい見させてくれよ」と思いますが、常に攻撃のネタを探しているネット民の方々は、そんなあたたかい気持ちは持ってくれません。先日「ちょいワルジジ」がモテるためのノウハウを説いたインタビュー記事が、ネット上で大きな話題になりました(別名・炎上)。あっ、記事が載っていたのはここのサイトでしたね。

 ただ、そんなに言わなくてもという気持ちとは別の話として、元気と小遣いがありあまっているジジイのみなさんとは違い、元気も小遣いも乏しいおっさんにとっては別世界のノウハウでした。美術館なんて行き慣れていないので、入るだけでドキドキして女性に声をかけるどころではありません。「イチボ」みたいな高級な部位が出てくる焼肉屋に女性をエスコートするのも、現実離れした状況。内臓系のホルモン屋さんがせいぜいなので、部位を示すために直接ツンツンするのは不可能です。女性のみなさま、ご安心ください。

 そのへんの感覚は違っていても、モテたいという意欲は見習いたいもの。「ちょいワル」を目指すのはハードルが高いし裏目に出そうなので、控え目かつ謙虚に「ちょいマシ」なおっさんを目指しましょう。モテたいおっさんにとって諸刃の剣なのが下ネタ。とっても楽しいし場合によってはプラスの効果をもたらすけど、一気にすべてが台無しになるリスクもあります。ここでは「嫌われない下ネタのコツ」を考えてみましょう。

 押さえておきたいポイントは、次の3つ。

その1「繰り出すなら堂々と、心から楽しそうに語るべし」

その2「油断しての深入りは禁物。寸止めと腹八分が肝心」

その3「後から言い訳して、自分を守ろうとするべからず」

 4、5人の飲み会でも1対1でもいいんですけど、たとえば、歯医者さんに行ったときに頭部で歯科衛生士さんの胸のふくらみを感じたことがあるか、といった話題になったとします。蛇足ですが、理髪店で顔を剃ってもらうときに理容師さんの……でもかまいません。

 まずは、その1「繰り出すなら堂々と、心から楽しそうに語るべし」。下ネタの流れになったときに「女性の前で、こういう話はどうかと思うけど」と前置きを付けるようなおっさんは、おっさんの風上にも置けません。そう言われたら女性としては、まあ嫌がるのも野暮だしと思って黙って聞いていたら、結果的に下ネタ好きを宣言したみたいになってしまいます。あくまで堂々と繰り出すのが、おっさんとしての矜持と言えるでしょう。

 そして、下ネタで好印象を与えたかったら、心から楽しそうに語ることが大切。おっさんが「俺、こういう話題は苦手なんだよね」というポーズを取っても、誰も「シャイで素敵」とは思いません。心から楽しそうにものすごく幸せそうな表情で語って、「しょうがないなあ」と呆れてもらいつつ、うっかりかわいげを感じてもらうのが唯一の活路です。

 続いて、その2「油断しての深入りは禁物。寸止めと腹八分が肝心」。おっさんと近い年代のご婦人方にせよ、うら若い娘さんたちにせよ、少しぐらいはおっさんの下ネタに付き合ってあげようというやさしさや、堅物と思われたくないという気持ちがあるので、ほとんどの場合は露骨に不愉快そうな顔をしたりはしません。

 しかし、拒絶されないからといって、油断してどんどん深入りしていくのは、おっさんとしてウカツすぎます。歯科衛生士さんの胸の感触から病院モノAVへと話題を発展させたいと思うこともあるでしょう。しかし、頭の中で慎重すぎるほど慎重に検討して、ほんのわずかでも「今、それをするのは危険だ」と判断したら、潔く下ネタを打ち切るのがおっさんの勇気です。常に寸止めと腹八分を心がけ、そして寸止めと腹八分にこそ深い悦びを見い出しましょう。我慢は人のためならず、です。

 その3「後から言い訳して、自分を守ろうとするべからず」も、くれぐれもお気を付けください。その1で腰の引けた前置きの愚について述べましたが、下ネタが終わってからも同じ罠が待ちかまえています。さんざん語っておいて「なんだか下ネタになっちゃったね。いやあ、飲み過ぎたかなあ」なんて言うのは、本人は紳士ぶって好感を得ようと思っているのかもしれませんが、強烈なおっさん臭さを感じさせる効果しかありません。

 いい人をアピールしたいのか「おっさんの下ネタに付き合ってくれてありがとう」みたいなことを言うおっさんもいますが、それも姑息さや往生際の悪さを感じさせるだけ。かといって「○○ちゃん、意外と下ネタもいけるんだね」なんて言うおっさんは、もっと嫌われます。終わったあとは、何事もなかったかのような顔を保ちましょう。

 つまりは、心から楽しそうに、あくまで腹八分で、そして後腐れなく別の話題に移るのが、下ネタに対する「ちょいマシ」なおっさんの望ましいスタンス。何事も鍛錬です。さあ、さっそく今夜にでも、女性の前で下ネタを繰り出しましょう。美術館でのナンパが成功するのと同じぐらいの確率で、好感を抱いてもらえる可能性も無きにしも非ず。ジジイもおっさんも、ともに手を取り合い、夢に向かって歩き続けようではありませんか。

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