広がる「低糖質」食品 パン・麺から調味料やスイーツにも

広がる「低糖質」食品 パン・麺から調味料やスイーツにも

広がる低糖質食品(写真:アフロ)

 ダイエットなどを目的に糖質成分を少なめにした「低糖質」食品が、パンや麺以外にも広がっている。主な主戦場はコンビニ売り場だ。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。

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 この数年、主食や酒類を中心に導入が進んでいる「低糖質」が新たなステージに差し掛かっている。シンクタンクの富士経済の調査では2015年度に3185億円市場だった低糖質食品市場は2016年度にも3431億円市場へと7.7%拡大した。

 もちろん中心となっているのは、糖質そのものである主食の「パン」「麺」市場やビール系飲料だが、ここへ来て一気にすそ野が広がっている。例えばコンビニエンスストアではこれまで「低糖質」というと「ブランパン」シリーズが爆発的なヒットとなっているローソンの独壇場だったが、他社も追撃を始めた。

 ファミリーマートは昨年秋以来、ライザップと「糖質を抑えながらもおいしさにコミット」するコラボレーション商品をパン、デザート、焼き菓子、飲料などの各分野の商品を発売。ミニストップも4月にコメの量を6割減、肉のおかずを増やした「お肉ドーン!っと弁当」を発売した。598円と従来のコンビニ弁当と比較すると少し高めだが、糖質制限食が多少高額になるのは経験者なら、むしろ選択の幅が広がると歓迎する人もいるはずだ。

 低糖質ブームを加速させたローソンも手をこまねいているわけではない。これまでチルド(冷蔵)デザートや調理パンの栄養成分表示に「炭水化物」と表示してきたものを、その構成要素である「糖質」と「食物繊維」にわけて表示するよう、変更していく。「糖質」というキーワードで、より消費者にわかりやすく訴えかけていくということのよう。

 メーカーからの「低糖質」提案も増えている。今月、明治が低糖質シリーズの新ブランド「明治ロカボーノ」を立ち上げた。カフェラテ、フルーツラテなどの乳飲料を、デザートではカスタードプリンを発売するという。いずれも糖質は10g未満(ラテは9.9g、プリンは4.8g)と糖質制限食を採用しているユーザーの「糖質はひとケタ」というニーズに合わせた形となっている。

 一風変わった取り組みで注目を集めるメーカーもある。UHA味覚糖はクラウドファンディングサイト「Makuake」で、一般からの投資とPRを兼ねた企画を立ち上げた。その内容は「固形分の90%以上がプロテインでできた、ノンオイルドレッシング」。6月15日現在、目標設定額はすでに達成済みだが、残り期日は100日以上残っている。75万円という目標設定が控えめだったのか、今後何らかの追加プランが投下されるのかはともかく、これから3か月以上に渡り、どのように展開するかは気になるところだ。

 牛丼チェーンでも、松屋やすき家がライスの代わりに豆腐を選ぶことができるメニューを導入。バーガーチェーンも、フレッシュネスバーガーが低糖質バンズを導入し、モスバーガーもバンズの代わりに野菜でパティをはさむ「菜摘」シリーズを通年に格上げした。

 糖質制限食はそのすそ野を確実に広げている。夏に向けてのダイエットとして取り込むか、その分を好みのスイーツやどんぶり飯に振り分けるか。それは自らをどう律するかという生き方にも通じる二択である。

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