「病院で出す薬」が買える薬局 保険が利かなくても安い理由

「病院で出す薬」を買える薬局が全国に6店存在 健康保険が利かないため10割負担

記事まとめ

  • 「医療用医薬品」には、医師の処方箋が必須の薬と、そうではないものがある
  • 「病院で出す薬」を買える薬局は全国に6店、診断を伴わないので健康保険が利かない
  • ドラッグストアなどの市販薬よりも"処方箋なし薬局"の薬の方が安く済むこともあるそう

「病院で出す薬」が買える薬局 保険が利かなくても安い理由

「病院で出す薬」が買える薬局 保険が利かなくても安い理由

処方箋なしでも買うことができる薬は?

 病院に行って診察を受けないと「きちんとした薬」はもらえない──そんな“常識”に一石を投じる薬局が登場している。

 実は、基本的に病院で診察を受けないと手に入らない「医療用医薬品」には、医師の処方箋が必須の薬と、そうではないものがある。薬の添付文書をよく見ると、そのことがわかる。

 例えば血が固まるのを抑える抗凝血薬「ワルファリン錠」の場合、規制区分に「処方箋医薬品」と書かれている。一方、風邪薬として処方される「PL配合顆粒」は医療用医薬品であるものの、規制区分には「処方箋医薬品以外の医薬品」と書かれている。

 そのため、このような薬は処方箋なしでも買うことが認められているのだ。本誌が確認できた限りでは、「病院で出す薬」が買える薬局は全国に6店あった。こうした薬局は医師の診断を伴わないので健康保険が利かない。店頭での購入に際して保険証を提示することはなく、「10割負担」になる。

 ところが、病院で診察を受けて処方された場合より、安くなることもあるのだ。ポイントは診察料などがかからないところにある。昨年8月に薬局「池袋セルフメディケーション」をオープンした長澤育弘代表がいう。

「例えば、風邪で病院を受診した場合、初診料で2820円、処方箋料680円、内服薬の調剤料が250円、症状が出た時に飲んでもらう頓服薬の調剤料210円、さらに調剤基本料410円、薬学管理料500円が加わり、合計で4870円となる。ここに医療用総合感冒薬や解熱剤の代金がプラスされて、5000円を超えます。医療費が3割負担として計算すると約1600円になります。これが当店で薬を出すだけなら、感冒薬が800円、解熱剤が300円程度で、合わせて約1100円となるため、およそ500円安くなります」

 風邪や軽いアレルギー症状だと、わざわざ病院に行くのが面倒でドラッグストアなどにある市販薬で済ませる人も多いが、そうした場合も“処方箋なし薬局”で医療用医薬品を買うほうが安く済むのだという。

「例えば花粉症の人が『モンテルカスト』(キプレスのジェネリック医薬品)という薬を使っていたとしましょう。

 モンテルカストは28錠入り(約1か月分)が10割負担だと2800円。同じような市販薬だと1か月に4000円くらいかかります。また、当店ではロキソニン(ロキソプロェンナトリウム)を10錠300円で売っていますが、一般市販薬の『ロキソニンS』は12錠入りで倍以上します。

 医療用医薬品に比べ市販薬は小分けにして売るためのパッケージ製作やデザイン、広告宣伝に費用がかかっているので、そのぶん割高なのです」(前出、長澤氏)

※週刊ポスト2017年6月30日号

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