1枚の処方箋で複数回薬を受け取れる米英制度を厚労省認めず

1枚の処方箋で複数回薬を受け取れる米英制度を厚労省認めず

1枚の処方箋で薬を複数回を受け取れないものか…

 病院に行って診察を受けないと「きちんとした薬」はもらえない──そんな“常識”に一石を投じる薬局が登場している。

 実は、基本的に病院で診察を受けないと手に入らない「医療用医薬品」には、医師の処方箋が必須の薬と、そうではないものがある。薬の添付文書をよく見ると、そのことがわかる。たとえば、風邪薬として処方される「PL配合顆粒」は医療用医薬品であるものの、規制区分には「処方箋医薬品以外の医薬品」と書かれている。

 そのため、こうした薬は処方箋なしでも買うことが認められているのだ。本誌が確認できた限りでは、「病院で出す薬」が買える薬局は全国に6店あった。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏によれば、海外ではこのような形態の薬局は当たり前になっているという。

「アメリカやイギリスには『リフィル処方箋』というものがあって、一定期間であれば1枚の処方箋で、患者が病院を受診することなく複数回薬を受け取ることができる。同じ薬をもらうためだけにいちいち医療機関を受診するのは非効率だということで始まった制度です。

 アメリカではリフィル処方箋を持っている人がネットで注文すれば、指定の自動販売機に薬局が薬を届け、それを後日取りにいくといったシステムもできている。自動販売機はウォルマートのようなスーパーなどに置いてある。日本でもリフィルの導入が何度も議論されましたが、厚労省は認めませんでした」

 前述の通り、一部の医療用医薬品については処方箋なしでの販売が認められているのだが、厚労省は慎重な姿勢を崩さない。同省の担当課は次のような見解を示した。

「たしかに医療用医薬品のなかには、法律上は処方箋が必須でないものがあります。ただ、あくまで“医療用”として販売されるものですから、原則としては『医師の処方箋に基づく調剤を行なうべき』と指導している」(厚労省医薬・生活衛生局総務課)

 厚労省は2005年に出した通達で処方箋なしでの医療用医薬品の販売は「やむを得ず販売する場合」に限るとし、販売する場合も必要最小限の数量にすることなどを求めている。

 そうしたことから、処方箋なしで医薬品を買える薬局の数が増えないという現状があるのだ。

※週刊ポスト2017年6月30日号

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