男性更年期障害を診断する「男性力ドック」の中身とは

男性更年期障害を診断する「男性力ドック」の中身とは

男性更年期障害を調べる「男性力ドック」とは?

「やる気が起きない」「すぐにイライラする」「寝ても疲れが取れない」……そんな悩みや不調を感じても「年だからしょうがない」と自分を納得させているシニア男性は少なくない。だが、それらの原因は「男性更年期障害」かもしれない。ピークは42歳、50歳前後、60~65歳の3回あるとされている。

 代表的な男性ホルモンであるテストステロンは精巣(睾丸)で作られ、性欲を高める、筋肉や骨格をつくる、活力を増すなどの働きをする。しかし分泌量は20代をピークに徐々に減り、重度のストレスがかかるとさらに低下する。その影響で男性更年期障害が引き起こされる。

 症状としては、「眠れない」「動悸がする」「汗をかきやすくなった」「倦怠感」などで、女性の更年期障害と共通する特徴が多いが、男性に特徴的なのは性機能の衰えや、“緊張したり、夜中になると尿意をもよおす”などの排尿の不調だという。

 脇坂長興氏が院長を務める医療法人翠奏会・脇坂クリニック大阪では、今年5月から男性更年期障害を総合的に診察する「男性力ドック」を導入した。初診料はカウンセリング込みで約3万円だ(自費診療)。

「大きく身体、精神、性の3項目で診断します。身体的な検診としては、身長、体重、BMI、テストステロン値、骨年齢、筋肉量、血管年齢、そして2D4Dなど。2D4Dとは第二指(人指し指)と第四指(薬指)の長さの測定で、第四指のほうが長い人は男性ホルモンが多いという統計的に有意なデータがあります」(脇坂氏)

 性の検診では“朝勃ち”を調べる「エレクトメータ検査」もある。

「ペニスに巻き尺を装着して就寝してもらい、翌朝に勃起によってどれくらい広がったかを測定します。そのうえで、一番大事なのは問診です。男性更年期障害の場合、検査結果に基準値がなく、個人の自覚症状が重要だからです」(脇坂氏)

 男性更年期外来を設ける医療法人社団医新会(横山博美理事長)でも「男性更年期ドック」を行なっている(自費診療で約1万円)。

「“男性ホルモンが低い=ED(勃起不全)”ではありませんし、男性ホルモンの値が低いというだけでは男性更年期障害かどうかはわかりません。性機能だけでなく、肉体面、精神面を総合的に判断する必要があります」(横山氏)

 男性更年期障害と診断された場合にどんな治療を施すかは症状によって異なるが、テストステロンを注射するホルモン充填療法を行なうケースが多いという。

「眠れないなど自律神経の失調症状があれば漢方薬や弱い安定剤を出しますし、元気を出してもらうためにLアルギニンのようなアミノ酸を飲んでもらうこともある。また、勃起に自信を取り戻してもらうためにED薬を出すなど、いくつもの組み合わせが考えられます」(横山氏)

 これらの治療も自費診療だが、精巣機能不全症と診断された場合などには保険適用となることがある。

※週刊ポスト2017年7月7日号

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