セカンドオピニオン 「こんな時はどうする?」一問一答

セカンドオピニオン 「こんな時はどうする?」一問一答

セカンドオピニオンの疑問を解消

 セカンドオピニオンの重要性が叫ばれて久しい。しかし我々は、主治医とどう接すれば良いのか? そこで本誌は、セカンドオピニオンを望む患者が必ず抱える様々な不安に向き合ったマニュアルを作成した。医師にはなかなか直接聞くことができない「患者本位の素朴な疑問」に答えていく。

【疑問】
・主治医の診察で「重い疾病がある」と宣告されたが、命に関わる問題だけに別の意見も聞きたい。どうすればいいのか?
・主治医から提案された治療法だけでなく、他の選択肢もほしい。誰に聞けばいいのか?

【回答】
 セカンドオピニオン(以下、SO)とは、病気の診断や治療法について、主治医とは別の医師の意見を求めることを指す。“第2の意見”を聞くことで、患者はより納得のいく治療を受けられるようになるからである。

 ただし、一括りに「SOを受ける」といっても、患者の置かれた状態や希望によってその内容は2つに大別される。ひとつは「病気、病名に疑問を抱く」ケース、もうひとつは「医師の治療法に疑問を抱き、複数の選択肢を検討したい」ケースだ。詳細は後述するが、この2つは「主治医にSOを相談すべきか否か」という根本のところから違ってくる。

【疑問】
 主治医から「大病の心配はない」と診断されたもののどうしても心配ならどうする?

【回答】
 体調不良で主治医の診察を受け、「問題なし」と診断されたが、不安が収まらない。これが「病気、病名の診断そのものに疑問を抱く」ケースだ。浜松オンコロジーセンター院長の渡辺亨・医師が指摘する。

「主治医が問題なしと診断しても、しこりが気になる、変な咳が止まらないなど具体的な症状が出る患者は迷わず別の医師の診断を受けるべきです。特にがんの場合、細胞の一部を切り取って調べる『生検』を行なわず、レントゲンや超音波だけで主治医が診断した場合などはどうしても不確実性が生じる。明らかに検査が足りないと感じるなら、他の医療機関にかかることをためらうべきではない」

【疑問】
 主治医の病気・病名の診断を疑う場合、SOを受けると主治医にいっていいか?

【回答】
 主治医にSO受診を告げると、症状に加え主治医の所見などを盛り込んだ「診療情報提供書」(紹介状)を手渡される。この紹介状がSO先の医師の診断に先入観を植え付ける恐れがある。認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOMLの理事長・山口育子氏が指摘する。

「診療情報提供書は医師間で情報を共有するのに役立ちますが、主治医の診断に納得できず、イチから診察や検査を希望したり、異なる病院での治療を望む場合には、主治医に相談せず別の病院の一般外来を『初診』で受診すべきです」

【疑問】
「治療法に疑問」がある場合はSOを主治医に告げるべきか?

【回答】
「病気の有無」ではなく「治療法」に不安がある場合、主治医にSOを受診することを告げるべきだ。

 その際、主治医は患者のこれまでの症状や診断などをまとめた紹介状や画像データ、血液検査データなどを患者に提供する義務がある。これらはSOをスムーズに受けるのに必須で、医療機関でも迅速な診断を受けることができる。

【疑問】
「別の医師に診てもらいたい」と切り出したら主治医を不快にさせないか?

【回答】
 主治医の見解に異を唱えるようで、SOを切り出せない患者は少なくない。しかし前述したように、医師は患者からのSOの申し出に対し、データ提供の義務を負っている。

「重要なのは、日頃から主治医と信頼関係を構築しておくこと。お互いに気持ちの良いコミュニケーションが取れていれば、SOを申し出ても“この患者は一生懸命病気に向き合おうとしている”と素直に理解してもらえます」(山口氏)

 実際にSOを伝える際は、「先生の説明は十分わかりましたが、私の人生にとって重要なことなのでなるべく複数の意見を伺いたい」などと丁寧に伝えれば理解を得やすい。「妻や子供が心配しているので納得させたい」と家族を口実にする手もある。

【疑問】
 主治医がSO紹介を拒否したら?

【回答】
「地域にある『がん相談支援センター』の医療ソーシャルワーカーに相談に乗ってもらいましょう。センターが主治医にもう1度SO先を紹介してくれるよう代わりに頼んでくれます」(医療ジャーナリストの油井香代子氏)

※週刊ポスト2017年7月21・28日号

関連記事(外部サイト)